松坂が60億円である。
スバラシイ。
スバラシ過ぎて、下界の人間のワタクシには、もはや想像の範囲の遙か彼方なので、へー、そりゃすごいねー、とハナクソをほじくるくらいのことしかできないが、その60億円分のプレッシャーをはね除けなければいけないのはエラく大変そうだ、ということだけは想像がつく。
何はともあれ、日本でピッチングが見られないのは残念な気もするが、来年からはBSで松坂の登板試合は全部中継してくれるだろうから、それを楽しみにしておくことにする。
地元ボストンの新聞では早速、レッドソックスファンに
「マツザカがレッドソックスに入ったら、フェンウェイパークでスシを売り出すべきかどうか」
なんてアンケートをしたら、半数以上が
「YES」と答えたそうな。うーむ。
よくわかんないけど、とにかく頑張れ、松坂。
おっと。このエントリーの本題は、フェンウェイパークのスシの話じゃなかった。
ちゃきんさんのとこで、「松坂の60億円は2アルビ」という「モノの尺度」の話が出ていたので、思い出した本があったのだ。
表現のモノサシ―書く、まとめる、話す時に使う
アピタ西店のヴィレッジヴァンガードでたまたま見つけて、仕事の参考資料によさそうだなと思って買ったのだけれど、これが面白い。
様々な項目を表現のモノサシに使う実際の使用例なんかが紹介されていて、結構目からウロコの話が出てきたりするのだ。
この中にも、ちゃんと
「松坂投手」という項目がある。
【使用例】
「宇宙には、今の粒子加速器が到達できるエネルギーの1億倍にも加速された超高速エネルギーがあるらしい。目に見えない粒子1個が、西武ライオンズ・松坂大輔投手の豪速球にも匹敵する運動エネルギーをもつというのである」
(99年5月14日 朝日新聞夕刊)
「『松坂の速球より、400キロも速いんですよ』世界最速を記録した4月14日、車両から降りた山梨リニア実験センターの関秋生所長は上機嫌だった。」
(99年5月18日 朝日新聞夕刊)
そんなに上機嫌だったんですか、所長さん。
偶然かどうかはわからないが、この2つの記事が書かれたのはいずれも99年5月、朝日新聞夕刊。99年といえば松坂のプロ入り1年目で、デビュー戦となった4月7日のファイターズ戦では、片岡相手に155km/hの豪速球を投げ込んでいる。それだけ松坂の速球のインパクトが強かった頃なわけだ。
なんかもう、わかるようなわかんないような内容だけど、ただ単に「松坂の速球よりも」という言葉がくっつくだけで、とにかくスゴイらしい、という気分にさせられてしまうから不思議なもんである。
「松坂の速球」「松坂の60億円」「松坂の…」
うーん、どう転んでも勝てない響きだ。
さて。アメリカでは「マツザカ」がどんな意味を持つ言葉として浸透するのか。