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ノーサイド・ゲーム

ラグビーW杯での日本代表の戦いはベスト8で終わり、残すは今日明日のベスト4と来週の3位決定戦、そして決勝を残すのみになった。

まだまだお楽しみはこれからですよ、みなさん!

 

今ごろになって、録画していた「ノーサイド・ゲーム」を見てたりしている。

劇中で、アストロズ唯一の日本代表選手であるSH里村(演じているのは、明治とトヨタでプレーしていた佳久創。お父さんは元プロ野球中日の郭源治さん。佳久くんは現役時代はSHではなくWTBかCTBだった)がライバルチームに引き抜かれるというエピソードの中で、アストロズとして「移籍承諾書」を出すかどうかというやり取りが出てきた。

 

これは、選手の移籍に際して、移籍元が移籍承諾書を出さないと、移籍先で1年間公式戦に出場できないという取り決めが、実際にトップリーグにあったということをモチーフにしていると思われる。
この取り決めは、独占禁止法に違反する疑いがあるという公式見解を受けて、昨年ようやく撤廃されたので、今は存在していない。
ただ、ストーリーの流れで、あえてこれを出したのだろうな、池井戸潤さんは。

 

実際にあった話では、この取り決めで対照的な流れになったのが、日本代表不動のSO田村優と、その弟、田村熙(ひかる)。
二人とも、当時低迷期にあった明治で、大黒柱として頑張っていた。

 

兄は明治からNECで7シーズンプレーした後、キヤノンに移籍。弟は東芝に入り、わずか1年でサントリーに移籍。
兄は移籍後すぐに公式戦に出場したが、弟は1年間公式戦に出場できなかった。


これは明らかに、それぞれの移籍元チームが移籍承諾書を出したか出さなかったか、ということ。兄はNECにとって長年主力としてチームを引っ張っていた功労選手であり、何よりW杯を目指す日本代表の大黒柱でもあったので、NECは移籍承諾書を出してくれたのだろう(万が一、出さなかったら、ラグビー界から批判を浴びただろうなぁ)。一方の弟は、大卒1年で移籍したので、東芝は認めてくれなかったと。
東芝の判断は、当時の常識では当然だっただろう。しかも、同じ府中市内に本拠を置くライバル中のライバルに移籍したのだから。

 

「ノーサイド・ゲーム」でのアストロズ里村は、最終的にはチームメイトたちの理解もあって、移籍承諾書を出してもらえ、移籍先のサイクロンズで、アストロズの強敵として立ちはだかる。


ここらへんの細かなディテールの描きかたは、池井戸潤らしさであり、演出の福澤克雄さん(旧姓山越、慶大ラグビー部時代は日本代表A(U-23)にも呼ばれたことがある、ゴツいロックだった)のこだわりなのだろう。

元日本代表や、大学やトップリーグで活躍した選手(現役・OB含む)を配役にし、練習や試合のシーンに本物を持ってきた、このドラマの本気の作りが、ラグビーに興味を持つファンを増やし、ラグビーワールドカップ本番の盛り上がりの一助になった。
ワールドカップの放映権を持たないTBSが、日テレやNHK、J SPORTSに塩を送る形で、このようなドラマを制作したのは、もともと高校ラグビーの中継を長年してきて(実際の番組制作は同系列の毎日放送)、伝説のドラマ「スクールウォーズ」を世に送り出した局としてのプライドでもあったのかもしれない。

author:ぐっちい, category:ラグビー
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