2011年04月の記事 | ぐっちいのスポーツを読もう!
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今年も一歩一歩
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【昨日の試合結果】

J1リーグ第8節(キンチョウスタジアム)

セレッソ大阪 1-1 アルビレックス新潟

【得点者】
3分・ロペス(新潟)、42分・乾(セレッソ)





まずは宣伝w

粟島浦村役場より、粟島観光ガイドブック「冒険島へ行こう。」が発行されました。

デザインは我が社期待のキクチ世代(あるいは貴章世代ともいう)デザイナーくんが手がけ、私もコピーやらコラムやら何やらを担当させていただきました。

売り物ではないフリーペーパーですので、見つけたらぜひお持ち帰りください。
新潟ふるさと村や県庁、公共施設などに置いてあると思います(たぶん)。
あ、今日、ふるさと村に残ってた3部は、全部私がゲットしましたが、たぶんすぐに補充してもらえると思います(殴)。

何とぞごひいきに!



え、えーと。



前フリが長すぎました。何とも申し訳。



何だかんだ言っても、昨日の試合は現地に行ってないわけで、BS観戦組だったので、ざっくり感想だけ。

怪我人が出たこともあり、前節からメンバーの入れ替えがあったこの試合。
サブメンバーにケンゴ、カズ、フミヤ、アヤトの08年組の名前があって、変にテンションが上がってしまった。

試合2時間半前に届いたスタメンメールには、キクちゃんがボランチ、大輔がCBで先発とあった。
慶行さんが状態がよくないのではなく、連戦が続くところで、負傷が癒えたキクちゃんを使いたかったんだな、と思うし、大輔の先発には石川が首を痛めた、という明確な理由がある。

ふむふむ、なるほど。

試合開始3分で鮮やかに決めた先制ゴールに象徴されるように、この試合ではゴートクの出来が出色で、ロペスも試合ごとにチームにフィットしていくのが、手に取るように分かった。

最大の収穫はこれかなぁ。

あ、それと。キクちゃんのボランチは安定感があり、中盤のスペースコントロールはさすが。

正直言って、福岡戦も磐田戦も、中盤が間延びしたときに「キクちゃんがいればなぁ」と思っていた。
ボランチかCBでそこをしっかりケアして欲しかったのだけれど、磐田戦ではまさかの右SBだったのでねw

だからこそ、一番期待していたことを、しっかりとやってくれたことは、新潟にとって、非常にうれしいことだったんじゃないだろうか。

それなのに、そこでケガしちゃいますか、と思ってしまった負傷退場。
本人が一番悔しいのは当然だけれど、キクちゃんがピッチからいなくなったことで、全体のバランスが微妙に崩れたような印象があった。
慶行さんが悪かった訳ではないが、ボランチの持ち味の違いが全体に及ぼす影響って、やはり小さくないんだろうなぁ、と。

ケガが相次ぐキクちゃんの状況について、大分時代も見続けていたサポさんによると、
「大分時代はケガしていても無理して出ていたので、そのツケが回ってきているのかも…」
と。

うーん。とにかく、完治するまで無理しないでくれ。それだけだな、言いたいことは。


結果的に、またもや追いつかれてのドローだったわけだけれど、内容的には福岡戦、磐田戦よりも格段によかったんじゃないだろうか。
相変わらず、攻撃的なチームには強いのよね、ウチは(ニガワラ)。

それだけに、負傷で交代枠を2つも使わなければならなかったのは誤算だっただろう。それがなかったら、どんな試合になっていたか。
それが見たかった。

ヨンチョルとゴートクという左サイドの破壊力はJでもトップレベル。
問題は、右サイドとのアンバランスさ、ということだと思うけれど、この試合では改善の兆しが見られた。
セイヤとミカのコンビネーション、セイヤの守備が安定して、左サイドとのギャップが小さくなれば、もっとよくなるだろうし、ミシェウさんのイライラも解消されるのでは?と思うのだけれどねw

ともかく、新潟目線を取っ払って見ても、面白い試合だったと思う。
実は、ワタクシ的萌えポイントは、ゴートクでもヨンチョルでもキクちゃんでもなく、

ロペスvs茂庭のマッチアップ。

見ているうちに、茂庭がジャイキリの村越に見えてきたのは不覚だったw


試合を見ていて感じたのは、今年も一歩一歩だな、ということ。
試合のたびに成長したり、課題が出たり。
その積み重ねで強くなっていく。
そんな目で、チームを1年見ていきたい。

今年も、いいチームになりますよ、必ず。



ところで。
気にしているであろう、怪我人の状況だけれど、さすがに気になって、今日、聖籠へ行ってきた。


キクちゃんは出てこなかった。仕方ないよなぁ。

ウッチーもいなかった。右手薬指の靭帯を切っちゃって手術したんだってね。
足じゃなくてよかったけど、指1本って侮れないから、しっかり治してほしい。

オオシは日暮さんとランニング。
走れるくらいだから、復帰は近いと思うのだけれどな。


で、昨日の試合で相手GKのゴールキックをまともに頭に受けて退場したゴートク。
実は一番心配していて、首を相当痛めたのでは、と思っていたのだが…



めちゃめちゃ元気でしたw



どれくらい元気だったかといえば、フラフープにチャレンジしたり、大塚フィジコに昨日の負傷時の様子を自らアクション解説していたくらいであるw

「こんな感じでキックのボールが頭に当たって…」

と、頭をブンッと振ったのにはビビったw
負傷した翌日に、それやっちゃいますか、ゴートク!


というわけで、たぶん、神戸戦にはピンピンした姿で出てくるんじゃないでしょうかw
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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しばしのお別れ
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くい坊にて、ファビの送別会。


泣き虫なファビは、挨拶でやっぱり泣いてしまったけれど、最後は笑顔で。

だって、
「さよならだけが人生じゃない」
ってことを教えてくれたのは、ほかならぬファビ自身だから。


再会の日を楽しみに。
また笑顔で会いましょう。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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戻ってきた日々

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【日曜日の試合結果】


J1リーグ第7節(東北電力ビッグスワンスタジアム)


アルビレックス新潟 1-1 ジュビロ磐田


【得点者】
6分・ヨンチョル(=PK、新潟)、69分・ジウシーニョ(磐田)



東日本大震災が発生したため、約1ヶ月半の中断を経て、ようやく再開にこぎつけたJリーグ。


新潟駅からスタジアムへ向かって歩きながら、ああ、これだよこれ、この感じ。という気分がふつふつと湧いてきた。


弁天橋のたもとに差し掛かったとき風が吹き付けてきて、鳥屋野潟湖畔の桜吹雪が舞い上がる。いつもなら雪の心配をしなければいけないホーム開幕戦が桜吹雪の中、というシチュエーション。


スポーツ公園へ到着すると、カナール脇にはチューリップも咲き始めており、桜とチューリップのコラボも楽しめた。
そんな中、カナール特設ステージではライブをやっている。やっとだなあ。新潟でもやっと始まりましたよ、いつもの1年が。


Eゲート広場前のフードコートは、どこも大行列。ごんべえ農園さんの出店で揚げ餅とビールを買って、カナール脇のテーブルでみんなとまったりしていたら、あっという間にキックオフ1時間前。
ふええ。13時キックオフだと、何だか慌ただしいなぁ。
でも、その慌ただしさも全てが楽しい。
いくら福岡で開幕戦を見たとは言っても、やっぱりホームゲームがなければ始まらないのだ。


選手入場時にコレオがあり、Nスタンドに「チカラをひとつに。」というJリーグの復興支援キャッチフレーズが浮かび上がり、磐田ゴール裏では同じく復興を願うビッグフラッグが掲揚された。
両チームの選手たちの腕には喪章。
試合前の黙祷。


いつもの暮らしを取り戻すことが、どんなに大変なことかを、改めて思い知らされたこの1ヶ月半。その思いは、誰もが同じなんだ。



さて、試合。


結果的に「追いつかれてのドロー」になり、勝ち点2を落としたと言える試合ではあるけれど、試合の流れを考えれば、妥当な結果だったかなと。


前半の新潟の攻撃は素晴らしかった。セカンドボールをことごとく拾い、素早いパス回しから両サイドを有効に使った攻撃ができていた。
いやー、慶行さん、素晴らしかったっすねぇ。磐田の選手(誰だったかよく分からないけど)から、スパッとボールを奪っていったプレーなんて、惚れましたよ。
やっぱり幸せパワーは絶大ですねw


立ち上がりの攻勢が続いた時間帯に点が欲しいなぁと思っていたら、ドリブルで勝負に出たヨンチョルがペナルティエリア内で倒されてPKゲット。
あれはヨンチョルの勝負魂の勝利ってやつだなぁ。
PKを最初はミシェウさんが蹴るようなそぶりだったのだけれど、クロさんから指示が出て、蹴ったのはヨンチョル。今季初ゴール、おめでとう。どんな形であれ、初ゴールってのは力になる。


前半はずっと新潟の時間帯が続き、決定的なチャンスをいくつも潰してハーフタイム。
思えば、前半にもう1点獲れていれば難なく勝てた試合だった。でも、そんなにうまくいかないのがスポーツの面白さってわけで。



後半は立ち上がりからハッキリしたプレーが少なく、中盤が間延びしてしまったためにセカンドボールも拾えなくなるという、いつものパターンに陥ってしまった。
こちらの右サイドを明確に狙われていたためか、クロさんはセイヤからキクちゃんに交替。どのポジションに入れるのかと思ったら、そのまま右SBに入ったのでビックリした。
いや、キクちゃんの右SBは6年前にも見たことがあるし、できるのは分かってるんだけど…。
間延びした中盤を整備するために、ボランチに入れるのかと単純に考えていたので、少々意表を衝かれた。


キクちゃんが右SBに入ったとたん、今度は磐田が左SHの山田大記に替わってジウシーニョを入れてきた。
ふわ。キクちゃんvsジウシーニョかよ!これは、ヤンツーさんが急増右SBのキクちゃんを見透かしての交替なのか。よぉし、キクちゃんはジウシーニョをとにかく徹底マークするのだ。とにかく止めるのだ!…と、勝手にテンションを上げていたら、そのジウシーニョに同点ゴールを決められるという (´・ω・`)


試合後、他のサポ仲間と、
「あそこは石川をSBに回して、CBに菊地じゃね?」
とか、色々と意見は出たのだけれど、試合中にCBをチェンジするというのは確かにギャンブルではあるしねぇ…。むむーん。


同点に追いつかれてからは、クロさんの攻めダルマ魂に火がついたのか、慶行さん→ケンゴ、ミシェウ→フミヤという一気2枚交替(右SHのミカがボランチに回る)。
クロさん、相変わらず漢な勝負の出方をするなぁと思いつつ、ケンゴとフミヤで結果が出たら、伸び悩み気味だったこの2人が一気にブレイクしちゃうかもしれないぞこれは、というワクワク感があったのも事実。
実際、終了間際のケンゴの超惜しいヘッド、というのもあったのだけれど。


結局、勝ちきれない試合をまたやってしまった、という結末になってしまったが、サッカーとして楽しめる試合だった。
今シーズンも山あり谷ありだろうけど、面白いチームだと思いますよ、私は。ケンゴとフミヤには早くブレイクしてほしいんだがな。
そして、キクちゃんの起用法が、今後のキーポイントになりそうな予感。


 


試合後、ファビの退任セレモニーが行われた。


ファビは泣いちゃうんだろうなぁと思っていたら、大型ビジョンに大写しになったファビは、すでに泣いていた。
ここで既に、スタンドに残っていた多くのサポの涙腺が決壊したに違いない。


ファビは泣きながら、新潟への感謝と、必ず家族で新潟に戻ってきたいと言った。
そのときは監督として、と。


どんな形でもいいから、いつか戻ってきてほしい。新潟は、いつでも待ってますからね。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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また会える

ファビーニョ・スペシャルコーチのブラジル帰国のお知らせ


東日本大震災の発生は、被災地以外でも様々な影響を与えている。
そのひとつが、スポーツ界での外国人選手や外国人スタッフの帰国。


震災や原発事故の影響を直接受けているわけではない新潟でも、サッカーでジョン・パウロが退団し、バスケや野球でも外国人選手の退団が相次いでいる。


ファビの家族が帰国し、それを追ってファビ自身も一時帰国したとき、ファビなら大丈夫だろうと思いつつも、そのまま新潟に戻ってこなかったら…という不安はあった。
でも、ファビは戻ってきてくれた。


その矢先、スクールの新学期も始まり、安心していたときに飛び込んできた突然の知らせ。


家族思いのファビの決断を、誰も責めることはできないし、尊重したい。
でもやっぱり…悲しいし、寂しい。そして残念だ。


震災さえなければ。
原発事故さえなければ。


そう考えるだけでもやるせない気持ちになってしまうけれど、これまでファビと新潟が築き上げてきた信頼関係は、震災や原発事故くらいで断ち切られるほどヤワなものではないはずだ。


ファビの言葉にあるように、きっと、また会える。そう信じたい。


そして、再会したとき、新潟のサッカーが、もっともっと成長した姿をファビに見せられるように。


 


オブリガード、ファビ!

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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「いつも通りに」闘いたい

4.24「チカラをひとつに。デー」開催について

4/24(日)FC東京戦 イベント内容の一部変更について


よそ様のチームのホームゲームイベントを気にするなんて、普段はほとんどないことなのだけれど、これだけはずっと気になっていた。
4月24日のJ2ジェフ千葉vsFC東京が行われるフクアリでのイベント。


ジェフ千葉フロントが考え出したイベント「チカラをひとつに。デー」そのものは全く問題がないのだけれど、ジェフサポーターの反発を買ったのが、

「『You’ll never walk alone』を歌おう!」

というプログラムだった。


ジェフジュニアユース出身のアーティスト・光永亮太を招いて、この「ユルネバ」を歌おうという企画自体は、東日本大震災復興への思いを込めた歌として、決して悪くはない。
ただ問題は、当日の対戦相手が、「ユルネバ」をサポーターズソングとしているFC東京だということ。「ユルネバ」の歌詞の意味が、これからの日本にとって相応しいとは言っても、結局は相手チームの歌を歌わなければならない企画を受け入れられないというジェフサポの気持ちは理解できる。
猛反発の声を受けて、ゲストである光永亮太がクラブ側と話し合いを持つという異例の事態になり、最終的にはクラブ側が折れて中止、ということになったようだ。


国難とも言うべき未曾有の大震災を受けて、被災地だけでなく(千葉にも被災地はあるし、東京でも震災による死者は出ている)、日本全国が大きな影響を受けている。
だから、「ユルネバ」が持つメッセージ性は、リヴァプールやFC東京サポだけでなくこれからの私たちにとっても、決して小さくない力を与えてくれるかもしれない。
それは分かるが、やはりFC東京戦で歌うことにジェフサポが抵抗するのは当たり前。ジェフのフロントも、そういうサポーター心理をもう少しおもんばかることくらいはできなかったものかなぁと思ってしまう。他にも相応しい歌はあるだろうになぁ。いくらなんでも、新潟のフロントはそんなことは考えないよな?と信じたいところだけれど。

もっともジェフとしては、本当は仙台や鹿島との試合で何かやりたいところを、J2で間接的にやるしかない難しさの中、考え抜いてひねり出したアイディアだったのかもしれない。


 


ところで、ふと思い出したのは、7年前の中越地震。
地震が発生したのは、翌日にアウェイ磐田戦を控えていた土曜日の夕方のことだった。
翌日のヤマハスタジアムの新潟ゴール裏には、関東在住サポーターだけでなく、不通になった高速道路を迂回して一般道でたどり着いた新潟在住のサポーターが詰めかけていた。
私はテレビの生中継でこの試合を見守っていたのだけれど、新潟ゴール裏に出された「地震なんかに負けねぇよ!」というダンマクと、磐田サポーターのアルビレックスコールは、今でも心に残っている。


磐田ゴール裏は、試合開始直後5分くらいは声出し応援をしなかった記憶があるけれど、たぶん、新潟に対する配慮があったのだろうと思う。
もしもあのとき、磐田サポが「アイシテルニイガタ」を歌ったら、どんな気分になっただろうか。
感動したかなぁ。でも、何か違う気がするなぁ。
やっぱり、試合が始まったら、相手に気を使われたくはない。相手には普通にしていてほしい。あの場にいたら、そう思ったんじゃないかと思ったりもする。
今年、被災地チームとして闘う宿命を負うことになった仙台、鹿島、水戸などのサポーターはどう考えているのだろうか。


思えば、アルビレックス新潟というチームは、Jリーグで過去2度も災害発生直後の被災地チームとして闘う経験をしているが、被災地チームと対戦するというのは初めてではないだろうか。(神戸は被災直後ではなかったので、ここでは省く)
過去の被災地チームとしての経験から、そういう相手と闘うときにはどんな対応の仕方をすればいいのか、分かってなくてはいけない立場でもある。


6月18日には、ビッグスワンで仙台戦が予定されているけれど、そこで何ができるか、どう行動するか。
仙台をリスペクトし、エールを送るのは当然としても、それ以外では出来うる限り「いつも通りに」闘いたいという気持ちもある。
この国難をともに乗り越える同志として、そしてピッチ上のライバルとしてファイトする。それが復興への本当の力になるような気がしている。

author:ぐっちい, category:サッカー
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「もしあなたがプロ野球を創れと言われたら」

 久々に、本の話。


プロ野球独立リーグ・BCリーグ代表の村山哲二さんの著書が出たというので、早速買いに行った。


「もしあなたがプロ野球を創れと言われたら〜「昇進」より「夢」を選んだサラリーマン〜」(ベースボール・マガジン社刊)


この本のタイトル、メインタイトルよりもサブタイトルの方に、大いにシンパシーを感じるのだよなぁw
だって、普通なら大手広告代理店での昇進の方を取るでしょう、給料も上がるんだし。
それなのに、この人は野球を取ってしまった。正真正銘の野球○カなのである。
ていうか、独立リーグなんて、なりふり構わず突っ走れる○カじゃないと創れない。そのことが、実によく分かる本であるw
そういう意味で、色々言われる人ではあるけど、日本の独立リーグのパイオニアである石毛さんってあらゆる意味で本当にスゴイ人物なんだろうなということも分かる。関わりたいかどうかは別として。


それはさておき。
ストーリーは、大手広告代理店社員として、アルビレックス新潟のプロモーションに関わり、成功させたという実績を上げたテツさんが、ある日、池田会長に呼び出されるところから始まる。
そして、

「新潟にプロ野球を創れ」(意訳)

と言われ、会社の部長昇進の話を蹴飛ばしてその道に入っていくことになる。
そこからリーグ立ち上げまでの、そしてリーグ開幕後の七転八倒が実に赤裸々に語られている。


いや、ホントに文字通り「七転八倒」だったんですよねぇ。


そして、不思議なことに、苦しいときほど救いの神が登場する。で、その救いの神さんたちも否応なしにBCリーグの世界に巻き込まれていくw
その巻き込み方と巻き込まれ方が、本当は大変なはずなのに、凄く幸せそうに見えてしまう。ちょっとうらやましい。
この世の中、実はこんなにパワフルな○カがたくさんいるということに気がつくと、これからの日本はきっと大丈夫だ、という気分にさえなれたりする。



この本は、BCリーグを誕生させた人たちの情熱の物語であると同時に、スポーツビジネスを志す人にとってもいい教科書になるのではないだろうか。
BCリーグだけでなく、プロバスケのbjリーグなど、新潟がスタートラインになったスポーツビジネス事業がある。
新潟人自身が気付いていない、新潟という土地と人が持つポテンシャルの高さを再認識させられる本でもある。

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author:ぐっちい, category:
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久しぶりのサッカーがある週末

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3月11日の「あの瞬間」がなかったら、4月3日はホーム甲府戦が行われるはずだったビッグスワン。
それでも、公式戦ではなく練習試合という形になり、相手も草津に変わったけれど、それでも「サッカーがある週末」がちょっとだけ戻ってきた。


そんな気分になれた午後。


東京から2人、レンタカーを飛ばして見に来るというので、先にスタジアム入りした方にその分も場所取りをお願いし、シャトルバスもないから新潟駅からトコトコ歩いてスタジアムへ。
途中、鳥屋野潟湖畔で見かけた桜並木の蕾は、かなり膨らんできているようだった。
でも、去年の夏に猛威を奮ったアメシロの被害が大きかった一角は、蕾の数も少なく、小さかった。気のせい…じゃないよねぇ。


世の中が震災と原発事故で連日厳しい報道が続いても、季節は移り変わり、花や鳥たちはいつも通りの営みを続けてる。
何気ない日常のはず。はずなんだけどなぁ…。


スタジアムへ行くと、どこが最後尾か分からないような大行列に度肝を抜かれた。


今回はゲートが1つしか開いてなかったせいもあるけど、何かもう、


「サッカーが、アルビの試合がやっと見られる!」


という熱気というか、昂揚というか、とにかく封じ込められてきたエネルギーが一気に発散しているような…そんなスタジアム風景。
久しぶりにあったサポ仲間は、
「ナビスコよりも入るんじゃねーの?」
と笑っていた。確かにw


中には、福島からの避難者の方々も来場なさっていた由。少しは開放感を感じていただけたでしょうか?


ゲートの中では、アルビBCやアルビチア、聖籠で練習をしているベガルタ仙台ユース、ジュニアユースの選手たちが募金活動をしていた。仙台の子たちが元気そうなのが何より。
ちなみに私は、右手に立っていたアルビBCの青木プレーイングコーチが抱えていた募金箱に入れてきた。青木さん、いよいよBCリーグも開幕しますね、1週間延びちゃったけど。頑張ってくださいね。


メインスタンドに入ると、Eスタンドは開放されてなかったけれど、N、W、Sに合計約1万人の観客が入った。それを見て、東京から来た2人が、
「さすが新潟は凄い」
と目をまん丸くしていた。そう、福岡へ行ってない人にとっては、これが今年初めてのアルビの試合。みんな待ってたんだよ。



45分×3本という形態で行われた試合は、ファールぎりぎり、というか、限りなくファールに近いチェックを仕掛けてきた草津に、新潟が苦戦しながらもボールをつなぎチャンスを作るという、いかにもなゲーム展開。
それでも、1本目の早い時間帯にロペスがいい形で先制ゴールを決めたりと、同点に追いつかれるまでは割といい形のサッカーはできてた。
見ながら、モロJ2仕様のサッカーをしてくる草津に対して、新潟がちゃんとJ1チームに見えるから凄いよなぁ、なんて思ってたのだ。
この試合は、約1ヶ月空いてしまった試合勘を取り戻すためのトレーニングゲームという位置づけという目で見ていたから、試合内容や結果はあまり気にしてない。
いやもちろん、勝てれば一番良かったかもしれないけれど。


裏を取られた失点の仕方を見ると、中盤とDF陣の連携はもう一度確認した方がよさそうだと思ったけれど、ロペスはすっかり自信を持ってるなぁとか、ヨンチョルは相変わらずスゲー、とか、ミシェウさんは変幻自在すぎるなぁとかw攻撃面では割といいイメージだったかな。
決めるところは決めようよ、とは思ったけれどw
あ、右サイドは福岡戦当時から引き続き、試行錯誤中ってとこ?


面白かったのは、1-2と逆転された後、選手が主力組から若手組に総取っ替えになったとき。
アップ場からゾロゾロと若手くんたちが出てきた様子は、さしずめ、


「兄さん方、そろそろ替わって頂きましょうか」


という任侠映画的展開。いや、スコアとは関係なく、ただ単に予定通りだったんだろうけどw



若手組はハツラツとしていて、まだ未熟な面を見せつつも、可能性を見せてくれる選手が多かった。
アピールしようという気持ちが強いせいか、特徴をうまく表現できている選手が目についたなぁ。


一番目についたのが、ボランチに入ったアヤト。アヤトというとサイドのイメージしかなかったからボランチには驚いたけど、ピンチの芽を摘むボール奪取や、パスの散らし、機を見て前に出るスピードなど、アヤトらしさがよく出ていたと思う。
2年間アルビを離れていたことがプラスにできているのなら、本当に良かったなと。
左サイドに入った陽平は、どんどん仕掛ける仕掛ける。自分の武器はドリブルと仕掛ける姿勢だと思ってるんだろうなぁ。相手をどんどん股抜きして抜いて行っちゃうもんだから、ちょっと驚いた。
もっときついプレッシャーにさらされたときどうなのかということと、守備面はまだ課題があるように見えるけれど、楽しみな選手。


そして、誰もが「あの35番って誰?」と思った、右SB。
いやー、韓国人練習生が来てるって聞いてたけど、あの選手ですか、キム・ソンイル。
Kリーグの城南とかでプレーしていた選手らしいけど、なかなかいいじゃないですか。あの積極果敢さはヨンチョルと通じるものがあるなぁ。
契約まで行くかどうかは分からないが、入ってくれると嬉しいかも。
(ヨンチョルのツイッターによると、この日の夜は何人かの選手と一緒に韓国料理を食べに行ったらしい。ヨンチョルがいると通訳いらずだし、溶け込むのが早そうだよね)


他にも、ヤスくんはルーキーなのにプレーの落ち着きっぷりは、さすがに代表経験の賜物なのだろうかと思ったり、ノリの運動量の豊富さは県選抜で見たまんまのイメージだなぁ、なんてことを思ったりしたのだが、何よりスタンドの視線を一身に集めたのはケンゴ。


もう、本人がゴールを決めたくて決めたくて仕方がないのは痛いほど伝わってくるし、何とか決めてほしいとみんなが思っていたのだが、ことごとくその気合いが空回る、いつものパターンw
スタンドの雰囲気は、まるでみんな「ケンゴのパパ・ママ」になった気分になったかのような、


「わあぁぁぁ、ケンゴ!」
「決めろよぉ、ケンゴ!」


の大合唱。あんなに一体化したスワンの雰囲気は久しぶりな気がする〜w


この調子だと、ケンゴが公式戦でプロ初ゴールを決めた日には、スタンドが凄いことになりそうだなぁ。



そんなこんなで、スコア的には負けてしまったし、湯もみ娘がいない草津サポがそれなりに喜んでいたけれど、それにしても楽しかった。
やっぱりいいなぁ、サッカーは。


終了後、ゲートでは1本目に出た新潟と草津の選手たちと、仙台ユース・ジュニアユースの選手たちがお見送りをしてくれた。
印象的だったのは、仙台の子たちの明るい笑顔。


頑張れっていう言葉は似合わないよね。一緒に頑張ろうよ、みんなで。


サッカーしている選手たちと、彼らの笑顔に、一番励まされた4月3日なのだった。
さて、頑張ろう、自分。


 


そんなこんなで今日、届いたアルビメールは、震災後にブラジルに一時帰国したっきり、とうとう戻ってこなかったジョン・パウロの契約解除。
新潟で確たる存在感を示すこともないまま、こんな形でブラジルに帰ることは本人にとっては不本意だったのか、どうなのか。
何となく彼には、
「ご縁がなかった」
ということなんだなぁと、漠然とした気分のままでいる。残念だけど、仕方がない。震災があってもなくても…だったかもしれないしなぁ。という、オチも何もない結論にするしかない気分なんである。


いや、ウチらには、速攻で新潟に戻ってきてくれたミシェウさんとロペスさん(しかもロペスさんは奥さんと子どもまで連れてきたぞ)がいるじゃないか!

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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