2011年07月の記事 | ぐっちいのスポーツを読もう!
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船越優蔵サッカー講座やら、試合のことやら

【土曜日の試合結果】


J1リーグ第6節(東北電力ビッグスワンスタジアム)


アルビレックス新潟 1-0 川崎フロンターレ


【得点者】
53分・ロペス(新潟)


 



本来は仕事日であるところを休みを取って参戦した土曜日。


まずは船越優蔵トークライブinサッカー講座である。


会場へ行くと、右側の最前列と2列目が、くいしん坊の常連さん軍団で占められていた。
フナゾーがちゃんとトークが出来るのかを心配して集まりました、みたいな雰囲気w
「保護者席」という札でも立てておいた方がよかったかもしれない(案の定、部屋に入ってきたフナゾーが「うわっ」という表情をしたのを私は見逃さなかったぞw)


FM PORTの立石さんのMCで進んだサッカー講座は、講座と言うより「談義」というリラックスムード。
高校時代に出場したU-17世界選手権のことや、国見高校時代、新潟での現役時代、指導者としての今、新潟県の育成のこと、などなど。
2005年ホーム川崎戦での同点ゴールの話も出た。


今はアルビジュニアユースのU-13で教えているが、今の子どもたちはフナゾーの現役時代を知らない。
ちょうど会場にはU-13の子たちが数人見に来ていて、立石さんからの
「目標とする選手は?」
という質問に、


「船越コーチです!」


と優等生な答え。それを聞いたフナゾーは、
「あんなことを言って、あいつら、僕のプレー知らないんですよ。よぉし、後でちゃんと指導しなきゃいかん」


でも、教え子たちとのいい関係が垣間見えるやりとりだった。


育成の話になると、フナゾーの語りは一層熱を帯び、すっかり指導者の顔になっていたのが印象的。
そして、アルビの選手の話題では、ケンゴについて、
「いいと思いますよ。やり続けることが大事。何度ポストに当たっても、いつか入りますから」
勲については、「個人的に仲がいいからっていうワケじゃないですけどね」と何度も断りつつ、


「勲も30になって、これからはどうしても年齢的な衰えとの戦いになるわけですけど、まだまだ。もうひと花咲かせるくらいの気持ちを持ってほしい」
と。


今シーズンの新潟の戦いについても、
「やり続けることが大事で、ブレてはいけない」
と語ったフナゾー。
さすがのトークっぷりだったので、ぜひ次は単独でw



さて、試合の方は、その後、録画を見たりしたのだけれど、相手が主力が大きく欠けたメンバーだったことを差し引いても、新潟らしい戦いが貫けたのではないだろうか。
久しぶりに、というよりは、清水戦も数的不利になるまでは、そういう試合はできていたので、90分やり抜けた、ということではないかと。


ヨンチョルの調子がどうも上がらないことと(ヨンチョルに元気がないことを、フナゾーも心配してたなぁ)、両サイドバックの上がる回数が少ないことは相変わらずなのが気がかりだが、ロペスのゴールシーンは、攻撃の起点の部分からアトム→ミシェウ→ロペスへと渡ったパスの精度も素晴らしく、ミシェウのアシストには改めてワンタッチプレーの重要性を再認識させてもらった。


ダブルボランチの運動量と献身はもちろんのこと、出色の出来だったのはCBのキクちゃん。
ラインコントロールの絶妙さ、教科書に載せたくなるようなスライディングタックル(桑原アニキ的)、そして後半にアトムに出したドンピシャのロングパス。アトムが放ったシュートは相澤に弾かれたけれど、あれが決まってたら鳥肌もんだったなぁ。
あのパスを、あの態勢で、しかも足が攣っている状況で出せてしまうことに、改めて彼のサッカー選手としてのポテンシャルの凄さを実感させられた。
2005年に新潟に移籍してきて初出場したガンバ戦でも、1本、凄い縦パスを出してビックリさせられたのを思い出した。


キクちゃんはボランチで使ってほしいと思っていたけれど、やっぱりCBとしての才能の方が凄いと考え直した。ていうか、代表目指すならCBだよね。



川崎との因縁は別として、新潟にとって後半戦の巻き返しのためにも絶対に勝たなければならなかった試合。それを獲れたというのは大きい。
アトムの好調と、初ゴールまでもうすぐそこまで来ている気がするケンゴ(そう言い続けて早何試合か分かんないけどw)など、細かい戦術は抜きにしても、やっぱりワクワクするものはワクワクしちゃうのである。


というわけで、今季初連勝を目指して、次のアウェイ山形戦、勝ちましょ。
勝つことが、若く未熟なチームにとっては最大の良薬になることを、これほど感じるシーズンはない。


 


ここで追記。
実は、試合と同じくらいに気になったのは芝生。
キーパーの立ち位置の部分が茶色く変色していて、フィールド内もところどころ色が変わりかけている部分が見えていた。
いよいよ猛暑の影響が出てきているのかも。去年の反省を生かして、芝生管理担当者の皆様、とにかく頑張ってください。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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えーと、13戦負けなし、なんだっけ?
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川崎さんには、ウチが苦しいときに随分と助けてもらってきた気がするのだけど。

思えば、今日のサッカー講座の主役、船越優蔵さんが新潟でプレーしていた2005年のホーム川崎戦も、ここで負けたらソリさん監督辞任劇に繋がりかねない試合だったのよね。

あの試合、ジュニのゴールで先制されたけれど、同点ゴールを決めたのはフナゾー。

そして、「代打キッカー・リマ」の超絶FKで決着したのでした。

今年もありがとうございますw


川崎はメンバー落ちしてたこともあるけど、お互いにボールが収まらずに、落ち着かない試合展開でしたね。

でも、新潟の攻守の切り替えの速さは徹底してたな。
そして、
「いいプレーが2つ以上連続するとゴールに繋がる」
という梅さんの解説が実証されたようなゴールシーンでした。

川崎さんが、来年はどのような仕掛けをしてくるのか、楽しみではありますけれど、まぁ、要するにだ。

真夏に滝に打たれたって、ご利益はたかが知れてますって。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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もう一度、清水旅

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【土曜日の試合結果】


J1リーグ第5節(アウトソーシングスタジアム日本平)


清水エスパルス 2-1 アルビレックス新潟


【得点者】
5分・イシ(新潟)、57分・オノシンジ(清水=PK)、90分・高原(清水)


 



いやー、なでしこジャパン、素晴らしかったなぁ〜。
澤姐さんも凄かったけど、阪口夢穂も凄かったですよ。新潟レディースの選手なんですよ、阪口は!
世界一ですよ世界一!



…というお約束のごあいさつは置いといて。



ひとつ前のエントリーは、試合が終わってスタジアムを出て、日本平から国道に出る坂道をとぼとぼと歩いているときに、発作的に書いたもの。
今読み返してみると、相当精神的ダメージが大きかったことが我ながらよく分かる内容だな、しかしw


試合を簡単に言うなら、狙い通りだった前半のうちに2点目が獲れなかったことと、退場者が出てからの試合運びと交代策に問題があったと思う。
いい流れだった試合展開が、大輔の一発退場で一気に変わったことは事実だけれど、一番の問題はそこじゃないと思うのだ。


明らかに動けなくなっていたフミヤを、しきりに時計を気にしながら後半30分まで引っ張った理由。(その間、フミヤのサイドを山本真希と高原に突破されまくって、それによる消耗はいかばかりだったかと思う)
数的不利の中、猛攻を凌いでいる状況で、試合も最終盤に、勝ち点1を持って帰ることを最優先するよりも、ミシェウさんを入れて攻めに出た判断。
ヨンチョルを後半30分に入れ、ミシェウさんもどこかで必ず使うと、最初から決めていたように感じたのだが、どうなんだろうか。
そして、副審にクレームをつけている様子も、理解するのが難しかった。


私が試合終了の瞬間に感じたモヤモヤ感や後味の悪さは、Aゾーンメインスタンド席から斜め前方に見えていたベンチワークが、一番の理由になっている。


うーん…………。


選手もクロさんも、きっちりと切替完了して川崎戦に向かえるだろうか。
いや、そうであってほしい。


それにしても、オノシンジと高原は、ホレボレするほど巧かった。伊東テルから7番を受け継いだ山本真希タンも、一段と成長していた。
それだけに、そんな清水相手に試合を支配できていた前半の戦いが、後半のアクシデントから瓦解していったのが残念で仕方ない。
少なくとも、あんな結末を迎えずに済んだはずなのに。
もったいない。もったいなさすぎる。

試合後、私の後ろを歩いていた清水サポさんたちが、
「しっかし、よく勝てたよなぁ〜〜」
とつぶやいていたのが、すべてだった。


 


さて。


この日は久しぶりにニワカバスでの日本平行きだった。


金曜日の深夜12時過ぎに新潟を出て、あまりにも順調すぎたため、清水港のドリプラに到着したのが朝7時(!)。


早く着きすぎてしまい、ファミレスで朝食バイキングを食べた後は、ドリプラ開店の10時まで時間つぶしするしかない。
というわけで、たまには清水の街をぶらぶらしてみようかなと思い立ち、エスパルス通りから巴川の方へ向かって散策してみた。


ドリハウ(エスパルスのオフィシャルショップ)を過ぎたあたりに、ファンキーな看板の魚屋さんがあったり、
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巴川沿いに、「壮士の墓」なんて名跡があるのを初めて発見したり。


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幕末、清水港に浮かんでいた咸臨丸の乗組員の遺骸を、清水次郎長が手篤く葬ったという墓標なんだとか。
次郎長△!



ドリプラでは、久しぶりにキクちゃんのご両親にお会いして、清水のケーキ屋さんの美味しいクッキーを頂いた。(バスのみんなで頂きました。とても美味しかったです。ありがとうございました)
こうやって、一緒にキクちゃんのプレーを見られることが、どんなに幸せか。
そんなこともしみじみ感じる1日でもあった。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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悔しい
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後味が悪い。
いろんな意味で。

ミスだけが悪いんじゃない。

選手たちのファイトが、未熟さのために報われない様子を見守るというのは、サポーターの役割とはいえ、なかなかしんどい。

悔しいだろうなぁ。
蒸し暑い気候もあったけれど、見ているだけで、息が苦しくなりそうだった。


この悔しさを何度も繰り返した向こう側に、必ず待っているものを、信じて続けていくしかないわけだよなぁ。


悔しい悔しい悔しい。


でも、一番悔しくて情けない思いをしているのは、間違いなく選手たちなんだよ。

それが痛いほど分かっているから、ゴール裏もアルビレックスコールをしたんだと思ってる。

ああ、モヤモヤする。
たとえ一人少なくなっても、最低限引き分けに持ち込む術はあったんじゃないかと思えてならない。


力はあるよ、うちの選手たち。
今日も収穫はたくさんあったんだよ。

それでも、ファイトが報われない悔しさは、次の勝ちで晴らすしかないんだよね。

絶対に、次は勝つ。

次のホームで。
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日本平
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なう!
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新潟ふるさと村発
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日本平、行ってきます。
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鹿島には3年間負けてないらしい

【昨日の試合結果】


J1リーグ第4節(カシマスタジアム)


鹿島アントラーズ 1-2 アルビレックス新潟


【得点者】
56分・野沢(鹿島=PK)、59分・ロペス(新潟=PK)、88分・ヨンチョル(新潟)


 


西大通り周辺をウォーキングしながら、携帯で速報やツイッターを時々チラ見していて、その後見た映像も「やべっちFC」の超ダイジェストだけなので、試合内容もへったくれもないのだけれどw



J's GOALの携帯サイトにアクセスした瞬間、鹿島に1点が入った。得点者が野沢になっていたので、てっきりFKかと思ったら…
なに〜〜PKだとぉ〜。
ミカが遠藤を倒しただってぇぇぇ。


ところがその直後、今度は新潟がPKで同点。
なに〜〜ダイゴがアトムを倒しただってぇぇぇ。
何だか新潟の選手しかプレーしてない錯覚に陥るじゃないかw


今朝方、女子W杯で、なでしこジャパンがドイツにPK戦寸前で劇的ゴールを入れて勝った試合を見たばかりだったので、トーナメントでもないのに何PK戦やってんだよぉ、という感じ。


PKで失点直後に、同じくPKで同点に追いつくという、ジェットコースターみたいな展開。鹿島もどんだけー、と思いつつ、

これはもう勝つしかないだろう!

勝てよ!

お願いです、勝ってください。


その後ヨンチョルとミシェウさんが相次いでピッチに入ってきた。
本来はスタメンにいてほしい2人だけど、ヨンチョルはケガからの復帰戦、ミシェウさんは前日練習で足を痛めていたということでのベンチスタート。
でも結果的に、ベンチにジョーカーとして置いておけたメリットが活かされる。


うーん、これは引き分けかなーと思い始めていた後半43分、ミシェウさんのアシストでヨンチョルが逆転ゴールを決めてしまった。
うわわわわわ。復帰戦でいきなりゴールを決めるこの勝負強さ。ヨンチョルすげー。

しかし、やべっちで映像を見ると、ヨンチョルがゴール前でどフリーになっていた。ヨンチョルのマークをあっさり外す鹿島のDFもどんだけ…。



試合後の監督コメント。
ヨンチョルとミシェウさんの投入のタイミングについて聞かれて、


「直感です(笑)」


と言ってのけるクロさんw
私には時々、クロさんが長嶋茂雄に見えるww


気になっていたのは、後ろのポジションをいじったスタメンになっていたことで、その意図について聞きたかったのだけれど、試合後の記者会見ではその話がなかったのが残念。
この試合のスタメンは、キクちゃんがボランチから千葉ちゃんに替わりCBに入って大輔とコンビを組み、慶行さんが勲とボランチを組んでいた。
狙いのキーパーソンはキクちゃんということになるんだろうけど、クロさんの真意やいかに。
今後のキクちゃんの使い方は、どうなっていくのだろうか。


試合後の感想を現地組に聞いてみたら、試合そのものはあまり面白くはなかったという冷静な答えが返ってきた。
水曜日にJ-SPORTSで録画放送があるし、それを待つことにしよう。



まあ、どんな試合であっても、勝つことは素晴らしいし、素直に嬉しい。
J1昇格初年度から一貫して相性がいい鹿島から、どんな形であっても勝ち点3が獲れるというのは何よりなこと。
今のこの若いチームには、勝利が一番の成長の糧だから。


調子の浮き沈みの振幅の大きさは、チームの未成熟さを物語るものだけれど、こうやって苦しい時期に勝ちを拾っていくことが、どんなに栄養になることか。
選手たちもコメントしていたけれど、この勝利に本当の価値が出てくるかどうかは、次の清水戦次第。
私も久々に日本平へ行くので、楽しみにしてますよ。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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怒るなら、自分たちの未熟さに怒れ。

【昨日の試合結果】


J1リーグ第4節(東北電力ビッグスワンスタジアム)


アルビレックス新潟 1-2 ヴァンフォーレ甲府


【得点者】
41分・パウリーニョ(甲府)、52分・ロペス(新潟)、71分・石原(甲府)


 



いやー。


どんな試合でも、ポジティブ要素が必ず見つけられるものだけれど、それが全くない試合を見たのはいつ以来だろう。
個人的には、過去最高に凹んだ試合だった6年前のホーム広島戦に、感覚的にかなり近い。


山形戦で見せた積極性が、立ち上がりから消え失せていたのはなぜなのか。
なぜそんなに簡単に腰が引けてしまうのか。


スポーツにはミスがつきもので、複合的な原因で起こるものだから、ミスした選手やプレーだけをヤリ玉に挙げるのは不毛すぎる。


でも、なぜミスが起こったのか、なぜミスの連鎖を止められなかったのか。
そして、攻撃に移ったときの一体感のなさ、「感じてない」プレーの多さは何なのか。
そこはチーム全体の問題として、早急に解決していってほしい。
チームマネージメントは監督の仕事。頑張れ、クロさん。
ひとつ申し上げるなら、ビハインドでFW2枚投入という采配は、一見分かりやすいように見えて、戦術を感じない。
ベンチの顔ぶれから仕方がない面があっても、もっと有効策があるのでは?と。
自分のイメージしたところに味方が顔を出してくれず、無理に自分で仕掛けてボールを失うことを繰り返してしまうミシェウさんを見てると、こっちが辛い。
ミシェウさんをもっと活かす使い方も、考えてほしい。


チームが若返って、経験の少ない選手がスタメンの多くを占めるようになり、好不調の波や修正が効かない、特有の症状が顕著になってきている。


でもねぇ、そこは乗り越えなくちゃいけないのだよねぇ、選手たちが。
若手育成と言葉で言うのは簡単だけど、本当に時間がかかるし、辛抱や我慢も必要だということを、痛感させられる。
コーチングスタッフも若いから、試行錯誤はしばらく続くかもしれない。


うーん、踏ん張りどころだなぁ。


あ、それと。
試合後に選手たちが審判団に抗議していたけれど、あんなことをしてたらいけないね。
決勝点を獲られたシーンは、問題があったのはジャッジなの?そうは見えなかったけどな。
なぜあの場面、あの位置でバックパスを選択したのか(バックパスそのものが悪い、という意味ではなく)。
どういうプレーが最善だったのか。それを考えなければチームが成長しない。



怒るなら、自分たちの未熟さに怒れ。



もっとも、試合後の選手コメントを見ると、責任転嫁するような言葉はないし、みんな分かってるようだ。
当たり前だよね、プロなんだから。


ヨンチョルやヒガシが復帰すれば…と考えるよりも、この高すぎる授業料から学び、反発力を発揮してくれることに期待。
転んでもただでは起きないのが、新潟の真骨頂だから。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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「伝説のFK」が、またひとつ

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【土曜日の試合結果】


J1リーグ第2節(東北電力ビッグスワンスタジアム)


アルビレックス新潟 2-0 モンテディオ山形


【得点者】
13分、49分・アトム(新潟)


 



月曜日、久しぶりにお会いした取引先の営業Mさん(関東在住アルビサポ)と、いきなりこんな会話になった。


「土曜日、見に行ったの?」
──もちろん!
「勝ってよかったよね。勝たなきゃいけない試合だったし」
──Mさんは見に来てたんですか?
「いや、行かなかったんだよねぇ」
──アトムのFKは、あれは生で、現場で見てこそですよ。
「あー。そう言われちゃうと悔しいなぁ」



ここ数試合、セットプレーのキッカー役をアトムが務めるようになってから、そのうちにFKで点を取るんじゃないだろうか、という予感みたいなものがあって、ツイッターでそんな話になったこともあった。


アトムのセットプレーには得点の匂いがある。
1本決まったら、ポンポン行くんじゃないか。


そんな話をオンラインでするだけでワクワクした。それはケンゴが初ゴールを決めたら…という会話よりも、リアルだった。



この試合のアトムは、立ち上がりから動きにキレがあり、攻撃でも守備でも献身的に、非常に効果的な動き、走りを見せていた。
自分のプレーが整理されているというか、ちょっとこれはひと皮むけちゃったかもしれない、そんな感じだった。


前半13分、アトムが自ら得たFKのチャンス。
左サイドの角度が深い位置から蹴ったボールが、山形GKの手をはじいてゴールに吸い込まれていったとき、ああ、本当に「その時」が来たんだと思った。


そして、アトムが天を仰ぎながら、両手の人差し指が差し示したその先にあるもの。
アトム自身のサッカー人生だけでなく、その意味を深く知っている人たちにとっても、とても大きな意味を持ったゴールだったんじゃないだろうか。


エイヤードの丸山さん、たぶんスタジアムに来てたと思うけれど、決壊しちゃったんじゃないかなぁ…。


さらに、後半早々に2点目のゴールも入れてしまったんだから。
あのゴールシーン、ゴートクの低い弾道のクロスも、それをしっかりと頭で合わせたロペスのシュートもよかったけれど、クロスバーに直撃したボールを難なく決めたアトムの、ゴール前に入り込んだタイミングも素晴らしかった。


 


この試合、新潟も山形も、シーズンの今後を考えた上でも「絶対に負けられない試合」だった。
その思いは、両チームの選手たちに十分すぎるほど浸透していて、ルーズボールへの働きかけなどのせめぎ合いは見応えがあった。


最初はセカンドボールの奪い合いで後手を踏むこともあった新潟だったが、アトムとミカの両SHの攻守における献身的な動きと、精一杯高く保っていた最終ラインの頑張りもあって、以前と比べて選手同士の距離がコンパクトになり、攻撃に移行しやすくなっていたように見えた。サイドも使えていたしね。
やはり、ゴートクと大輔のU-22からの復帰は大きい。


気になったのは、ミカとゴートクのコンビネーションがよかった右サイドに比べると、アトムとイシの左サイドのバランス。
アトムが前へ行っても、イシには追い越す動きが少なかった。
試合後のコメントを見ると、イシはアトムが攻撃に専念できるようにと、守備意識が高かった様子。でも、やはりもっと積極的に攻撃参加してほしいのだけれどな。
そうすれば、左サイドはもっと活性化されるんじゃないだろうか。ヨンチョルが戻ってきたときのことを考えても、もっとリスクを冒してくれたらうれしい。

ボランチコンビの勲とキクちゃんは、お互いに攻撃に出るところと守りを固めるところのメリハリがハッキリしていた。
どちらかといえば、キクちゃんが前に出て行くことが多かったけれど、勲も何度か前に顔を出すようになってきた。
選手同士の距離感がよくなったのも、このコンビによるところが大きい気がする。
キクちゃんに90分戦えるゲーム体力がつき、勲とのコンビネーションがさらに深まれば、チームももっと点が取れるようになるんじゃないかと、期待してしまうな。


ただ、キクちゃんが膝から落ちるような、変な転び方をした場面があって、またケガをするんじゃないかとヒヤヒヤした。
あの転び方、何度か目にしているので、少し心配。
日暮さんから指摘されたという足の骨格のゆがみとか、走り方とか、少しケアが必要なんじゃないだろうか…と、シロウト視線で思ったりするのだが。



試合後、東京から観戦に来ていた友人と、帰りの高速バスの時間まで、駅南の「九右衛門」で軽く祝杯を挙げた。
枝豆に、十全ナス浅漬、キスの刺身、かきのもとのお浸し(夏に食べたのは初めてだw)、そしてサービスでキスの骨せんべい。そして生ビール。


おつまみは全て新潟産、そしてゴールを決めたのも新潟市出身のアトム。
ビバ「地産地消」!w


FKといえば、すぐに思い浮かぶのは、J2時代に浦和から移籍して間もない頃のミヤと、アンデルソン・リマ、そしてマルシオ。
もしかしたら、伝説のひとつになるかもしれない、アトムのFKを目の当たりにした夜。
こんな夜は、何度でも味わいたい。 

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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