2012年02月の記事 | ぐっちいのスポーツを読もう!
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計画と無計画のあいだ

ここのところ、本読み気風が復活してきて、割とイイ調子で本を読んでいる。

いつも持ち歩いているバッグの中に本が入ってないと、何となく落ち着かないw

先日は読み始めていた本を家に忘れてきてしまい、会社に買ったまま3年もほったらかしにしていた名波浩著「夢の中まで左足」に、ついに手を付けた。
確かこの本、誰かのレビューに面白いって書いてあったよなぁ、なんて思いながら読み始めたのだけれど、思った以上に内容が軽かったw
名波の、感覚的な語録は面白かったんだけれどね。
いずれ、ジュビロ磐田の監督になるんだろうけど、どんな指導者になるのか興味津々だ。


で、読んでいたのが「計画と無計画のあいだ」三島邦弘(河出書房新社)

「街場の中国論」などでヒット作を連発している出版社・ミシマ社の社長さんが書いた本なのだけれど、とにかく面白い。

何が面白いって、その会社立ち上げ当初の「行き当たりばったり」感がw

でも、行き当たりばったりのようでいて、そうではない。だからといって計画性がありそうでいて、結構勢いで突っ走ってしまうような無計画さも満載。
三島さんって人は、その微妙なバランス感覚が、とても優れた人なんだろうなと思う。

計画に縛られない自由さ、発想の豊かさは素晴らしいし、「売れる本」よりも「喜ばれる本」を作りたい、という考え方は、とても共感できる。

これは、自分の仕事にも通じることなので、なおさら。
いい刺激をもらえた。


さて、次は何を読もうかな。

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プレシーズンマッチも見ずに坊主頭談義の週末

【昨日の試合結果】

2012Jリーグプレシーズンマッチ(アウトソーシングスタジアム日本平)

清水エスパルス 0-0 アルビレックス新潟



DVC00267.jpg

土曜日は万代ミランで、丸山良明選手現役引退記念パーティー。日曜日はくいしん坊で、船越優蔵ジュニアユースコーチ結婚お祝いパーティーと、2人のアルビOBをお祝いする集まりに参加していた。


マルちゃんは、言わずとしれた、J1昇格の立役者の一人で、新潟を退団した後、仙台、AC長野パルセイロ、タイのチョンブリFC、ポートFCなどでプレーして、昨シーズン限りで現役を引退。
タイに拠点を置き、指導者としての道をスタートさせただけでなく、Jリーグとタイプレミアリーグのパートナーシップ協定締結を仕掛けるなど、日本とタイの架け橋としての役割を担っている。


真面目で実直な人柄は、新潟にいた頃と全く変わりなく、新潟退団後の道のりや、タイサッカーの話(プレミアリーグのレベルや、物凄く時間にルーズなこととかw)、今後の目標などをしっかりと話してくれた。(いずれは新潟に戻ってきたい、とも)
また、タイ洪水被害チャリティとして、タイのチームのユニや、引退試合で着用したユニ、スパイクなどのお宝オークションもあり、これはかなり盛り上がった。


個人的には、マルちゃんがテーブルにまで来てくれて、何人かで雑談をしていたときの、深澤マサの話がツボだった。
マサはアフリカ人エージェントにダマされたりしながらも、相変わらず飄々と、マイペースでサッカー人生をenjoyしているらしいw
1年でも長く、頑張ってほしいなぁ。


パーティーの間、大型スクリーンには2003年11月23日のJ1昇格決定試合の映像を流していたのだけれど、坊主頭になったノザのアップが映ったので、マルちゃんと坊主頭の話になった。


──そういえば、丸山さんは坊主にはならなかったんですよねぇ?
「ええ、なりませんでした」
──確か、素さんに「お前だけは裏切るなよ」って言われて、切らなかったって聞きましたけど。
「そうなんですよ。詳しいですねぇ〜w」
(本当はマルちゃんは切る気マンマンだったのに、空気を察知した素さんにクギを10本くらい刺されて断念したそうである)



実はこの坊主頭話を、翌日のくい坊で、フナゾーにも聞いてみたのである。あのとき、ノザや、秋葉、マルクス、ファビ、優作らがくい坊で食事中に「みんなで坊主頭になって最終節を戦おう」と盛り上がり、直樹やヒカルら若手を電話で呼び出して、くい坊マスターも巻き込んでバリカンで坊主頭になった…という話だったはずだ。
しかし、最終節に途中出場したフナゾーは、髪がふさふさしてたよなぁ?


──船越さんって、最終節で坊主頭じゃなかったですよね?
「坊主にはなってませんよぉ」
──ちょっと意外だったんですけど。
「あのとき、店に来てみたら、みんなが『坊主頭になって気合い入れる』とか何とか、ワケ分からんこと言ってるから、逃げたんですわw」


逃げたのかよ!www


9年の歳月を経て明かされた衝撃の真相w


ちなみに、フナゾー氏の奥様は、モデルさんみたいなキュートな関西美人。
積極的にテーブルを回って話に加わったりして、すでに内助の功を発揮。若いけどしっかり者、という感じなので、ゆくゆくは、本間勲家のような力関係になるのではなかろうかw


 


そんな話ばっかりしていたこともあって、プレシーズンマッチの清水戦は、ちらっとダイジェストを見ただけである。
貴章、平井、ロペスが並び立った3トップは、ほぼぶっつけ本番だったこともあってか、あまり機能しなかったらしいけれど、チャレンジするためのプレシーズンマッチだから、いろいろと試してみればいいと思う。
4-3-3とか4-4-2とか、何かとシステム論が一人歩きしがちだけど、あまりそこは気にしても仕方がない気がするので、この目で確かめるまでは、想像だけを膨らましておこう。
とにかく、楽しみですよ、開幕が。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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プレシーズンマッチの日に
香山 マリエ
鳥影社
¥ 1,575
(2011-05-11)

2012Jリーグプレシーズンマッチ(高知県立春野総合運動公園陸上競技場)


ヴィッセル神戸 0-3 アルビレックス新潟


【得点者】
47分・ミシェウ(新潟)、68分・金 珍洙(新潟)、85分・ロペス(新潟)


 



プレシーズンマッチをスカパーで生中継、とは言っても、J-SPORTSのみの契約で視聴環境にないので、PVをやるという万代ミランへ行ってみようかなー、と思っていた。
しかし、土曜日に北書店へ寄ったら、店長の佐藤さんから、ギャラリートークイベントへのお誘いをいただき、いそいそと市役所前の北書店へ出かけた。


新発田出身の画家で、多摩美でも教鞭を執った末松正樹氏の長女・香山マリエさんと、新潟で活躍する美術評論家・大倉宏さんのトークイベント。
北書店の店内では、末松正樹展を開催していて、鉛筆による抽象画が展示されている。
戦時中は、新舞踏を学ぶためにフランスにいた末松氏は、連合軍によるパリ解放時には、敵性国民として投獄され、ホテルの一室で幽閉生活を送った。その時期に、閉じ込められた部屋の中で、ただひたすら絵を描き続けていた経験が、末松氏の抽象画家としての方向性を決定づけたという。
画風は、どちらかと言えば明るく、使っている色彩も暗さは感じないのだが、描かれているものには明解な形がない。その抽象画の世界に、末松氏の戦争の実体験が反映されているようだ。


末松正樹という画家のことは、よく知らなかったのだけれど、マリエさんのお話を聞き、北書店に飾られている絵を見て、画集を買ってみたくなった。


末松正樹



そんな空間で時間を過ごしていた、まさに同時刻、高知ではプレシーズンマッチが行われていた。
イベントが始まる前にスタメンだけはチェックしていて、新加入選手が多数含まれているメンバーに、どんな試合になるのかな、なんてことを考えていた。


そして、イベントが終わってから、どうやら3-0で勝ったらしい、ということを知った。
プレシーズンマッチで、いきなりこんな快勝をするなんて、今までなかった気がするんだけど。


夕方に帰宅してから、試合のダイジェスト映像だけは見た。
いきなり存在感を発揮した平井はさすがだな、と思い、ジンスのゴールシーンでは、そのミドルシュートの威力もさることながら、相手の寄せをこじ開けるような突進に魅力を感じた。
ヨンチョルもそうだったけど、韓国人選手の体幹の強さっていうのは、どこから来るんだろうか。
ゴルフなどでも、韓国人選手の体幹の太さが話題になるけれど、これって日々のトレーニングの賜物というより、子どもの頃からの積み重ね、という気がする。
やっぱり、テコンドーの国は違うのかw


新潟としては、結果的にやることが嵌った感じの試合だったのかもしれないけれど、神戸のコンディションの問題もあっただろうし、評価は難しいところだと思う。
新戦力や攻撃面だけでなく、今回の試合で試みたらしいゾーンディフェンスなど、見てみたいものはたくさんある。(西ヶ谷ヘッドコーチの存在がかなり大きくなってきている気がするのだが、どうなんだろう?)
勝利という良薬を得て、明確になった課題も、確かな手応えも、どちらもシーズン開幕への糧になってくれればいい。


チームは今日、新潟に戻ってきて、明日はオフ。選手たちにはぜひ、大雪の新潟を満喫してほしいものであるw
そして、いよいよ明後日からは静岡キャンプ。シーズン開幕まで、待ったなしの日々が続く。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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「サッカー選手の正しい売り方」を読む

久々に、本の話。


紙媒体やネット、BSスカパー!の「フットボールクラッキ」などで活躍が目立つ、サッカージャーナリスト小澤一郎さんの最新刊「サッカー選手の正しい売り方」を読んだ。


ちょっと刺激的なタイトルではあるが、テーマは選手の移籍。


FIFAルール下のJリーグが、相次ぐ選手の欧州への0円移籍を止められない状況とその要因は何か、そのケーススタディとして、主に岡崎慎司のシュツットガルト移籍問題を取り上げ、クラブと選手、代理人がそれぞれ抱える課題と、Jリーグが欧州のクラブと互していくために今後進んでいくべき方向性について考察している。


とにかく綿密な取材をしたことが十分伺える内容で、実際、小澤さんはジェブエンターテイメントのフットボールビジネスセミナーにも参加している。
文章量も多いが、中身が濃いので、どんどん読み進めてしまう筆力が素晴らしい。


この本のよさは、どれか一方向からの視点ではなく、クラブ、選手、代理人のそれぞれの立場への取材がしっかりとなされていること。
岡崎問題では、選手サイドとクラブサイド(清水とシュツットガルト)、そしてFIFAとJFAの視点がそれぞれ並立して書かれている。どれかの意見に偏らず、読む側に考えさせる内容になっている。
惜しむらくは、岡崎選手の代理人であるロベルト佃氏への直接取材がなく、著書「サッカー代理人」からの引用になっている点。
これは佃氏が著書でも書いているが、メディア取材を基本的に断る姿勢であるため、取材を申し込んでもOKが出なかったのだろう。これができていればパーフェクトだっただけに、それが惜しい。
岡崎問題について、清水の早川会長が、かなり熱く代理人とFIFAルール批判を展開しているのだが、同じような考え方を持つJクラブの社長やフロントはまだまだ多数派なのだろうなぁ、というのが実感だ。


その一方で、長友選手のチェゼーナ→インテル移籍にまつわるFC東京の戦略は、FIFAルールをうまく利用した、今までのJクラブにはない先進的な手法を採っているのが分かる。
お互いに対立的に権利を主張するのではなく、まずは長友選手自身の将来のために、クラブ、長友選手、代理人の三者で密なコミュニケーションを取りながら、最良の選択を模索していった。その結果、長友選手は念願の欧州進出で順調な成果を挙げつつあり、FC東京とチェゼーナには多額の違約金が入った。選手とクラブがWIN WINな結末を得る、理想的な移籍になったわけだ。


移籍については、まずは選手の将来を最優先することが第一になるのはもちろんだけれど、だからといって、クラブに何も残らなければ対立関係になってしまうだけだ。
FIFAルールに対して受け身のまま翻弄され、0円移籍で主力選手に出て行かれることを嘆くだけでは未来がない。
長友選手とFC東京のあり方は、Jリーグにとって重要なモデルケースになっていくのではないだろうか。



新潟でも、貴章がブンデスリーガ1部・フライブルクへの移籍を経験し、シュツットガルトへレンタル移籍したゴートクのように、下部組織出身から欧州移籍を果たす選手も現れ始めた。


以前には想像もできなかった、新潟から欧州へ、という道筋が生まれている。
新潟も世界のサッカーの潮流の真っ只中にいるわけで、FIFAルールとどう折り合いを付けていくかを、国際的な視点からも考えていかなくてはいけない段階に来ているのだ。
それは、選手やクラブだけでなく、サポーターにも同様な視点を持つことが必要になってきているのだと思う。


貴章が、フライブルクへ電撃移籍してから、新潟に復帰するまで。
ゴートクの、シュツットガルトへの買い取りオプション付レンタル移籍。
この2つの身近な事例を頭に入れながら、この本を読むと、様々なことに気づく。
アルビレックス新潟が、ここまで全く手をこまねいてきたわけではなく、独自の戦略を構築しつつあることは、今オフの移籍市場での動きを見ても分かることだが、さらに理解が深まった気がする。


今のFIFAルールにも改善が必要な点はあり、時代の流れの中で変化していくのだろうが、どんな流れにも取り残されないためのしたたかさを少しずつ身につけていくことも、クラブの成長の重要な要素になっていくと思う。

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貴章inキックオフフェスタ

昨日は暴風雪という天気予報のはずだったのだが、見事に外れ、日中はほぼ晴れ。


新潟駅南口から臨時バスに乗り、新潟テルサに到着したのが12時前。
しかし、テルサのロビーは大行列がとぐろを巻いていて、最後尾へ行くのに3階まで階段を上るハメになった。


キックオフフェスタのチケットが発売された当初は、あまり売れてない様子で、選手が不在だと人が集まらないのかな、なんて思っているうちに貴章の復帰が決まり、急遽出演、ということになったら、しっかりチケット完売。
いやー、さすがに貴章の人気は凄いなぁ。


MCはスカパー!「Jリーグアフターゲームショー」で人気の平畠啓史さん。ゲストには素さん、八木あかねさん、Jリーグ広報室長の吉田国夫さん(元NHK新潟)、そして田村社長。
第1部はパネルディスカッションで、アルビレックス新潟の立ち位置、観客増への課題や、ゴール裏のこと、育成、レフェリーへの反応などなど、なかなか濃い内容であった。
これだけ多岐に渡って濃いテーマを、制限時間の90分にちゃんとまとめ上げる平ちゃんの司会っぷり、すげー。


平ちゃんとあかねさんの関西人同士の掛け合いみたいなやりとりや、吉田さんの役職を離れた熱弁ぶり、素さんの選手心理のぶっちゃけ話(合間に客席にジュニアユースの子たちを引率して座っていたフナゾーにツッコミを入れつつw)など、聞き所満載。
特に吉田さん、新潟に戻って、アルビのフロントに入ってくれませんかw


この中で、あかねさんから、アトム兄の玲央さんが、JFA1級レフェリー資格取得を目指して研修に参加しているという話が紹介された。
アトムのお兄ちゃんの名前が「レオ」と聞いて、すかさず食いつく平ちゃんw


「レオ?!他のご兄弟の名前も、そんな名前なんですかね、ウランちゃんとかw」
「あとで、アトム選手に直接聞いてみたらどうですかw」
「そうですねぇ〜〜」



第2部は、平ちゃんと素さんのコンビで、高知キャンプレポート。
高知とSkypeで結び、クロさん、アトム、ムラ、ヒガシ、竜馬の5人が登場。アルビのイベントでSkype中継をする時代が来るとはw
日焼け顔で、やたらとハイテンションな5人であった。


キャンプでの様子を順番に語ってもらう中で、アトムに対して、早速第1部での疑問をぶつける平ちゃん。


平ちゃん「あのー、ぜんっぜん関係ないことを聞いてもいいですか?(場内大爆笑)ご兄弟の名前を教えてください」(笑)
アトム「5人兄弟なんですけど、お姉ちゃんがアンリで、お兄ちゃんがジミーで、お兄ちゃんがレオで、次が僕で、妹がマリアンです」
平&素「マリアン?!」
平ちゃん「マリアンって漢字ですか?」
アトム「全員漢字です。マリアンは、麻に里に安いです」(漢字の説明に「安い」という言葉を使うアトムに場内爆笑)
素さん「だいぶ手を抜いたな、お前w」


高知とのSkype中継が終わった後、いよいよ、貴章の登場。
会場のボルテージは一気に急上昇し、「ヤノ・キショー」コールは起こるわ、ダンマクやゲーフラは出すわで、大変な盛り上がりになったのであった。


アルビ&ローソン&ビーズインターナショナルコラボのニットマフラーを首に掛けて登場した貴章は、最初は緊張した感じはあったけれど、平ちゃん・素さんとはリラックスしたトークを展開。
決断の経緯や、今の心境、これからのことなど、貴章らしい言葉で語っていたのが印象に残った。


「本当は(新潟復帰の)決断をもっと早くできればよかったんですけど、新潟から夢だった海外挑戦をしたということもあって、もっと挑戦したいという思いもあり、なかなか決断できませんでした」


「初めて新潟に来たときも凄い雪だったんですけど、そのときはとんでもないところに来てしまったなと思ったんですが(笑)、(新潟に戻ってきて雪を見て)また初心に戻るような気持ちになりました」


「ドイツでは新潟でやってきたことが通用する部分もあった。でも課題も出たので、それを反省して、成長していきたい」


「ドイツで成長したのは食欲です」(ドイツ料理は性に合ったらしい)


「アルビの試合は毎試合チェックしていました。サポーターの皆さんと同じような気持ちで、『最後に失点するなぁ!』と思ってました」(笑)


「ドイツではゴールで評価されるので、ゴールへの意識が高くなりました」



そして、高知キャンプのトレーニング風景の画像を見ながら、ランニングでコーナーをショートカットしようとしているキクちゃんにツッコミを入れる貴章w
さすがに、同郷で昔なじみの同級生には容赦ないのだなw
さっきSkype中継に登場していたムラ、そしてキクちゃんと大井を含めた84年生まれ4人組。
彼らがチームの中心として活躍できるかどうかは、今年のチームの大きなカギになるんじゃないかと思っているのだが、当事者であるムラが、同じことをブログに書いていた。
やっぱり、本人たちが一番分かっているんである。


トレーニング画像を見ながらのトークだけでなく、今後、チーム内でライバルとなるロペス、平井、アランの画像も出し、新潟に戻ってきてもポジションが確約されているわけではなく、厳しい競争が待っていることを実感させる(これは主に会場にいるサポーター向けに)演出をするなど、クラブもなかなかやるもんだ。


最後に、
「1日でも早く、顔と名前を覚えてもらえるように頑張ります」
と言って、会場の笑いを取った貴章は、今日から高知キャンプに合流する。
貴章の復帰を祝うセレモニーは、これでおしまい。
貴章が、チームにどんな化学変化をもたらすのか、これからが見ものだと思う。


リーグ戦開幕まで、あと1ヶ月。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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補強戦略について考えてみた

昨日はとにかく、貴章復帰のサプライズニュースで終始した1日、だったわけだけれどw


もう一度冷静になって、いろいろと考えてみると、今オフの移籍市場において、アルビレックス新潟の近年稀に見る「商売上手」っぷりが目につく。


・ヨンチョルを無理に引き留めず、1億円で大宮に売却。
・ゴートクをシュツットガルトへ、完全移籍買い取りオプション付のレンタル移籍に出し、まずはレンタル料ゲット。
・伸び悩んでいる若手選手やブラジル人選手を、修行のためにレンタルに出し、育成効果だけでなくレンタル料もゲット。
・平井や中村ら、若手有望株をレンタルで割安でゲット。
・韓国の若手有望株2人を、トレーニング費用分のみの支払いで格安でゲット。


あとは、ゼロ円移籍でドイツに持って行かれた貴章を、逆にゼロ円で取り戻せていればパーフェクトだ。(ここは、フライブルクとの契約がどうなっていたかによるけれども)


毎年毎年、主力をゼロ円移籍で失いつつ、それでも何とかやりくりして生き残ってきた新潟が、補強戦略を発揮したのが今オフ、と言っていいんじゃなかろうか。
これくらいのことは先んじてやっていたクラブはいくらでもあるだろうが、新潟もちゃんと学習効果が現れてきたってことだろうか。

ただし、今回の補強の成否を決めるのは、当然のことながらシーズンに入ってからの戦績。
ここまでクラブが頑張ったんだから、次は現場が結果を出さないと。
未知数な部分を確信に変える取り組みは、これからが本番。よろしくお願いします。


 


ところで、貴章が新潟に戻ってきたことで、「欧州へのゼロ円移籍」組が、ほとんど活躍できずにJに戻ってきたり、欧州を離れるという状況が明確になってきた。
これについては、あちこちで書かれているように、
「ゼロ円移籍でお手軽に獲得された選手は、よほど実力をアピールできない限りは使い捨てされる」
という厳しい現実を表しているように見える。この状況を、エージェント側はどう分析しているのだろうか。


日本では選手主導になりがちだった移籍市場も、徐々に流れが変わってくるのかもしれない。
新潟のようなビンボークラブでも、FIFAルールをうまく活用する戦略やビジョンさえあれば、以前なら高くて手が出せなかった選手でも獲得できるのだ。


そういえば、いつも2月と9月に開催されるジェブエンターテイメントのフットボールビジネスセミナーが、今年はまだ告知がない。
契約選手である槇野も絡んでいることでもあるし、突っ込んだ話を聞いてみたいのだけど、そろそろいかがでしょうか、田邊さん。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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Welcome home back, KISHO

SCフライブルクから矢野貴章選手 移籍加入内定のお知らせ



まさか、のお知らせだった。青天の霹靂、寝耳に大洪水。


貴章がフライブルクを戦力外になった後、ヨーロッパに残ってあちこちで入団テストを受けているというニュースを耳にしたり、FC東京などの複数のJクラブがリストアップしていると聞いたりするたびに、気になって仕方がなかったのは事実。


あそこまで望んで欧州挑戦に出たんだから、簡単に戻ってきてほしくない、という気持ちと、Jリーグに復帰するなら敵にしたくない、戻るなら新潟に戻ってきてほしい…という気持ちが、行ったり来たりしていた。


でも、クラブが平井を獲得した段階で、新潟が貴章にオファーを出すってことはないだろうなと思っていたから、貴章の復帰は本当に驚いた。
(貴章と平井をどう使っていくつもりなのか、果たして並び立つものなのか、ぜひ注目したい)


いやー、涙が出るほど嬉しいんだけどさ。よくぞ新潟に戻ってきてくれた、という思いは物凄く強いんだけどさ。
正直なところ、複雑な気分はあるんだよね。どう喜べばいいのかな、みたいな。
貴章にとっても、欧州挑戦を中断して日本に戻るというのは、苦渋の選択だったはずだから、なおさらだ。
2年前の8月に、ドイツ移籍が決まったときの公式コメントを改めて読むと、その思いは強くなってしまう。


矢野 貴章選手 ドイツ・SCフライブルクへ移籍のお知らせ



今回の復帰コメントで、貴章はこう書いている。


「試合に出ることで自分を再生させたい」


自分を再生させたい…重い言葉だなぁ。ちょっとやそっとでは出てこないですよ、こんな表現。
相当な覚悟を持って新潟に戻ってくる貴章を、しっかりと出迎えて、後押しをしていかないと。


そしていつか、再チャレンジへ旅立つ日が来たとき、やっと「新潟復帰が正解だった」という答えが出る。今回の移籍は、そういうものなんじゃないだろうか。


あの空を飛ぶような貴章の走りを。
攻守に走り回る泥臭いプレーを。


走る新潟サッカーの象徴として、ビッグスワンで輝きを取り戻していくプロセスを見ていけることは、やはり新潟サポとして最高の喜びだ。



まずは12日のキックオフフェスタで、声をかけよう。


「お帰り!貴章」

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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シリア戦でツネ様に惚れました

先週末は、ラグビートップリーグ最終節が大熱戦目白押しだったので、その話を書こうかなと思っていたのだが、昨日の夜のサッカー男子ロンドン五輪最終予選シリア戦で、ラグビーでの興奮が消し飛んでしまった。


それくらいの威力があったなぁ、あのスーパーミドルには(ニガワラ)


絶対に勝ち点3を獲らなければならない状況、そして国情もあってか、シリアの選手たちのプレーは鬼気迫っていた。
その象徴みたいな決勝ゴールだった。

「気持ちで負けた」なんて言葉を簡単に使うのはイヤなのだが、いろいろなことを思い知らされた試合だった気がする。

試合については、多くのことがあちこちで語られているので、あまり書くこともないが、個人的に見ながら感じたのは、選手のコンディションにバラつきが大きくて、チームとしてまとまりがなかったこと。
特に山村は、いかにも長期休養明けといった感じで、試合勘に問題を抱えていたように見えたけれど、山村へ絶大な信頼を寄せる関塚監督には、彼をスタメンから外すという選択肢は最初からなかったのかもしれない。

また、フィジカルも判断スピードも後手を踏んでいたのは、この世代がU-20W杯に出場しておらず、国際大会経験が乏しい選手が多いことも、少なからず影響しているような気がする。
チームリーダーとして、精神的支柱になれる選手も見当たらない。



ところで、私はBS1での観戦だったのだけれど、何といっても一番の収穫はゲスト解説のツネ様であった。



え?鈴木大輔のキャプテンマーク?


いやー、それほどインパクト感じなかったのよねぇ、ツネ様の前では。
大輔の場合、高校時代からキャプテンマークを巻いてるイメージがあって、途中交代した山村からキャプテンマークを受け継いだ程度では、まだまだ。
試合後のインタビューで大輔が敗戦の弁を述べたりしようもんなら、


「あうう。だいすけぇぇ、泣くなぁぁぁ」


ともらい泣きしちゃったかもしれないけれども、すべてはいきなりご指名を受けた権田に持って行かれてしまったしなぁ。


あのインタビュー、いきなり権田にしゃべらすのか、という声がtwitterのタイムラインに並んだが、あれは権田が「自分の言葉を持っている」選手で、きちんと状況や心境を言語化できる能力があるという、アナウンサーの判断だったんじゃないかと思っている。
あれは伝わるインタビューだったなぁ。権田もあそこまでしゃべったというのも、プロとして立派だったが、インタビュアーもしっかりしてないと、あんな映像にはならないですよ。


 


で、「ツネ様」である。


落ち着いた口調で、ポイントを抑えた的確な解説っぷり。


日本のディフェンスがうまくいっていないことを実況アナに問われ、


「マンツーマンではなく、ゾーンの意識で守った方がいいですね」


とクールに答えるなど、多くの視聴者に、メイン解説者であるはずのマサクニさんの存在を忘れさせる、実に気品と知性溢れる「ツネ様解説」。
スタジオ解説の福西も、強力ライバル出現を実感したに違いないw
欧州へ旅立つまでは、NHKで解説やってくれるの?期待しちゃいますよ?


それよか、この人、早いとこS級ライセンス獲って、どっかの監督やってくんないかな。どんなチームを作るのか見てみたい。


 



さて。

ロンドンへの道が、なかなかスリリングな状況になってきた。プレーオフに回ることになった場合、アフリカ4位との対戦が待ち構えているらしい。

次のマレーシア戦まで時間はあまりないが、この苦い経験をどこまで力にしていけるのか。アテネ世代や北京世代のような苦境をはねのける反発力が、ロンドン世代に備わっているかどうか。
今後、海外組をどこまで呼べるか、国内組のメンバー外から、新たに呼ぶ選手がいるのか。
ここはひとつ、吹っ切れた関塚監督が見てみたい気がするんだけどなぁ。
まだまだ、チャンスは残されているんだから。

author:ぐっちい, category:サッカー
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