2012年04月の記事 | ぐっちいのスポーツを読もう!
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仙台戦


久しぶりに、ビッグスワンへ。

これ以上ない快晴のもと、試合前は列柱廊でバーベキュー。
サポーター仲間っていいなぁ、と思いながら楽しいひとときを過ごした。

画像は、たまたま通りかかった新潟県警マスコットのひかるくん。
ちゃんと敬礼してくれましたよw
試合は、開幕以来無敗の、首位・仙台ということもあって、厳しい試合になるとは思っていたけれど、前半は五分の展開にはできていた。

仙台は堅実なサッカーをするチームで、赤嶺不在でリャンヨンギも万全ではないこともあってか、攻撃に怖さがない分、より堅い試合運びを徹底してきた感じだった。
チームとして、TPOに応じた戦い方が浸透してるな、という印象。
さすが、無敗で首位だけあるな、というにはインパクトはないけど、負けにくいサッカーをしているという意味では、分かりやすかった。

一方の新潟は、両サイドの組み合わせが機能的には感じられず、攻撃が活性化できていない。
結局、試合の度に組み合わせをコロコロ替えているから連携は成熟しないし、選手同士のプレースタイルの相性も、あまり考慮されてないように思える。
せっかく、能力の高いメンバーが揃ってるのにな。これじゃ、宝の持ち腐れだよなぁ。

点が取れない原因を、すぐに「決定力不足」に求めてしまうけれど、それだけでいいのかな。

ダブルボランチのうちのどちらかが、常に攻撃に絡んでいく形が作れていないことが、攻撃に厚みがない主要因のような気がする。

勲も菊ちゃんも、攻撃力があるボランチなのに、90分守備に追われてしまっている。

彼らがもっと前に出て行くために、最終ラインはもっとラインコントロールで頑張らなければいけないし、前線も動き方にもっと工夫してほしい。

攻撃も守備も、11人でやるもの。
そこの意識が、仙台とは大きな差になってるのではないかなぁ。
おかしいなぁ、新潟はそうやって勝ってきたチームだったはずなのに。


PKのジャッジについては、目の真下での出来事ではあったけれど、PKで妥当なプレーだったかは、正直よくわからないし、厳しいな、というのが本音。
でも、後半は相手にペナルティーエリア内に侵入されるシーンが増えていたから、自分たちで招いた危機だったことも確かなんだよな、と納得することにしてる。
ジャッジのせいにするのは、負けを認めたことになってしまうから。


翌日、聖籠へ行くと、サポーターがたくさん詰めかけていた。
みんな、心配なんだよね、選手のことが。

チームスタッフも、クラブスタッフも、選手も、サポーターも。
それぞれの立場でベストを尽くそう。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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戻っていく場所
今月は生涯初の入院、手術なんてものを経験し、そのため、スタジアムから遠ざかっておりました。

ただ、入院先がビッグスワンの近くだったので、毎日窓からスタジアムは見ていたのですけれどね。

おかげで、朝日がエコスタの向こう側から昇ることや、朝焼けに輝くビッグスワンの屋根が美しいことなど、新たな気づきがあって、新鮮だったなぁ。

主治医の先生の弟さんが現役Jリーガー(notアルビ)だったりして、サッカーネタには事欠かない病院でもありました。

アルビの初勝利も、貴章や平井のゴールも、後で録画で見ました。

菊ちゃんのブログを見て、出番が激減している状況に悔しい思いを抱いていることを感じ取ったりもしました。

でも、その一つ一つを肌で感じるには、やはりスタジアムへ行かなきゃダメなんだということを、実感させられた日々でした。

サッカーなんて、うまく行くより、思い通りにならないことの方が圧倒的に多いのが当たり前だけれど、その喜びも、悔しさも、歯がゆさも、スタジアムへ行った人にだけ感じ取ることができる、特権なのですよね。

ある人が、こんな話をしてくれました。

「アルビには、花火のようなチームになって欲しい」
と。

花火は、その場に行って盛り上がることもできるし、遠くから、ああ、やってるな、と眺めることもできる。
家や病室の中にいても、音で気配を感じられる。

日常の中に自然に存在して、寄り添ってくれるチーム。

奇しくも、自分自身がスタジアムから遠ざからなければならなくなって、自分にとってのアルビの存在価値を、再認識することになりました。

明日の仙台戦、約1ヶ月ぶりにスタジアムへ行きます。

やっと戻れると思うだけで、遠足前の小学生のような、高ぶった気持ちになっている自分がいます。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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強くなろう
マリノス戦は、訳あってスタジアム行きを断念して、テレビ観戦でした。

吹雪まじりの天候のなか、思うように行かず、もがいている選手たちと、ガラガラのスタンドを見ながら、今そこにいない自分に、もどかしさを感じていました。

テレビでは見えないものや、伝わってこないものは、山ほどあります。

選手たちの思いを、真っ正面から受け止めてあげられるのは、スタジアムにいるサポーターだけです。


このチームは、持っているポテンシャルからすれば「史上最強」と胸を張って言えるメンバーが揃っていると思います。

もっと躍動感のあるサッカーができるはずなんです。

たぶん、選手たちはそれが分かっている。
やるべきことも、問題点も。
試合後のコメントを読むと、自分たちをしっかり見つめている言葉が多かったので、そこに光明を見る思いです。

私たちに何が出来るかはわかりませんが、改めて、

「応援する人間は、応援される人間よりも強くなくちゃいけない」

という言葉の意味の重さを感じています。

いい選手が揃ってますよ、新潟は。
ひとりとして、不要な選手はいない。
彼らと、頂点に登ってみたい。

心から、そう思います。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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美濃部直彦さんinアルビレックス新潟サッカー講座

ガンバ戦当日、ビッグスワン内の新潟県スポーツ医科学センターで行われた、前徳島ヴォルティス監督・美濃部直彦さんのサッカー講座をお届けします。

当日は悪天候のため大阪からの飛行機が遅れたため、美濃部さんの到着を待ってのスタートとなりました。
少々長文になりますが、ぜひおつきあいの程を。


【サッカー監督という仕事】

「すみません、遅くなりまして」(笑)


──これからスカパーで解説があるそうですが、しゃべるお仕事はいかがですか?


「いやー、緊張しますねぇ。今まで選手に話をすることが多かったんですけど、テレビのカメラが回ると緊張して、なかなかしゃべれません」


──そんな感じしませんけどね(笑)


「今も緊張してるんですよ(笑)」


──新潟の土地の印象も伺っておきたいのですが。


「そうですね、以前ユースの指導をしているときに、新潟の国際ユースに来たことがあります。それと、柱さん(柱谷幸一さん)の後を引き継いで監督になったとき、確か2試合目が新潟との試合だったんです。引き分けだったと思うんですけどね。負けてはいないです(2006年10月)」(笑)


──ビッグスワンの印象は。


「新潟の方たちは温かいし、声援が凄いなと思います。雰囲気がいいですよね、スタジアムの。その時(京都監督時代)、当時清水の監督やってたケンタ(長谷川健太)が同期なんですけど、ケンタとしゃべってるときに、来週新潟なんだけどって言ったら、「あそこで勝つのは難しいぞ」という話はされてて、覚悟して行ったら負けなかったという(笑)
いろんな会場へ行きましたけど、(ビッグスワンは)スタジアムの雰囲気に圧倒されるというか。アウェイ側からすれば、ビッグスワンっていうところはあまり来たくないという印象があるんじゃないでしょうかね」


──では「Jリーグクラブの監督とは」というテーマでお話をお伺いしたいと思います。美濃部さんの3月4日のブログを拝見したら、6キロ太られたとのことでしたが(笑)


「監督辞めてから6キロ太りました」(笑)


──その理由というのは。


「やっぱり監督というのは想像以上にストレスがあるというか。京都から徳島の監督になって5年でしたが、5年前と比べて6キロ徐々に体重が落ちましたね。今は大きなストレスがないので、普通に食事していて6キロ太りました。太ったと言うより元に戻ったって感じですね」


──Jリーグでは40人しかなれない監督という仕事の魅力は何ですか?


「引退して指導者になると、Jリーグ監督というのはひとつの大きな目標だし、夢だと思うんですが、それに向かって日々トレーニングしたり、自分のサッカー観を築き上げたりしていると思うんですけれども、Jリーグ監督というのは、なかなかなれないし、難しいんです。それに、いい話ばっかりじゃないんです、魅力的ではありますけど。僕はちょうど5年やりましたけれど、ストレスもありますし、やめたいと思ったことは何回もありますよ(笑)。監督のストレスっていうのは大きなものがありますよね。でも、一番大切なのは、自分がサッカー監督として指揮を執れるっていうのはステータスもあるし、自分のサッカー観を表現できる、チームを率いてやっていける。大きな責任ですよね。サポーターの皆さんがたくさんいて、スポンサーの方…僕らがサッカーできるというのは、そういった方々の背景があるからなんですよね。そういったところで選手の指揮を執れるというのは、大きな責任も背負っているということも踏まえて、凄く魅力ある仕事じゃないかなと思います。」


──美濃部さんのツイッターを拝見していたら、「サッカーをやれている背景を感じなければいけない。プロならスポンサーやサポーター、そして家族。学生なら親や仲間。それを感じられる選手は決してピッチで手を抜かない。」とつぶやかれていたんですが、そういう考え方になったのはいつ頃からですか?


「なかなか選手の時にはそういうことは考えてなかったですけどね。どちらかといえば言い訳したり、文句言ったりということが多かったんですが、指導者をやり出して、特に育成年代を8年やったんですけど、その中で、育成の子どもたちにどういう指導をしていくか、どういうプレーヤーになって欲しいかを伝えていくわけですが、自分はこんなことやってたな、これじゃプラスにならないなということを考えて、トップチームの選手に対しても一緒のことを言うようになりましたね。今は学生を見てるんで、学生なんかも非常に言い訳とか文句が多いんですよ。すぐに逃げるような、そっちの方向へ逃げてしまえば自分が肯定されるような考えが多いんです。常に試合をやっていく中で、サッカーをやっていく中での背景を常に感じて、全力でやることが大切だということを、ちょうどこの時、(指導している)京産大がボロボロに負けまして(笑)、そのタイミングでつぶやいたことなんです」


──そういった言葉の力というのは、監督として大切ですよね。特に試合前というのは選手にはどんな言葉をかけていらっしゃったんですか?


「それぞれの監督のやり方がありますけれど、僕のやり方というのは選手と一緒の視線、感覚に、監督として下りていかなきゃいけないと僕は思うんです。僕は監督だからとか、学生に対しては僕の方が大人だからとか、上から目線で行くと選手の本当の中身の部分は分からないと思うので、彼らがどういう精神状態であるのかは常に心掛けるようにしているし、ただ自分のサッカーを押しつけるんではなくて、自分のサッカーのイメージはこれだ、今いる選手がどんなサッカーをしたら活きるのかということをしっかり分析した中で、試合に臨んでいくというのがとても重要なので、彼らの考え方や意見を聞く必要があります。だから、常にコミュニケーションを取っていました。」


──なでしこジャパンの佐々木監督も「上から目線じゃなくて横から目線だ」とおっしゃってましたけど、やはりそういう関係の方がいいんでしょうか。


「育成やってたときに、高校生の心を開くのは難しいと思ってまして、その時に、冗談やしょうもない話をして距離をうまくとって、そこからサッカーの話をしていくという形でやってました。だから、京都や徳島でやってましたけど、試合前にはきつく言うこともあるし、励ますというか、高いモチベーションを持たせてやることもあるし、それは本当にいろんな言葉の使い方、状況に応じて変えてました。」


──最近の若い人との距離のとり方というのは。


「そうですね、トップチームでしたら30人くらいいるんですけれども、だいたい上のベテランの選手というのは非常に僕のやりたいことの理解度と言いますか、戦術理解度が凄くいいし、理解しようとしてくれるんですけど、若い選手はなかなかそういうのが分からないし、自分がチームの中で何をしたらいいのか分からないので、監督が練習の終わりに何気ないひと言をかけてあげることによって、選手が次の日から物凄く変わっていくということがたくさんあるので、そういうあたりを常に気配りをしています。」


──選手の立場からすれば、自分を気に掛けてくれていると思えるのはいいことですよね。


「本当に、全員を戦力として見てあげないと、選手のコントロールというのは難しいです。後は、言ってることを変えない、ブレないということですね。一番上のベテランでキャプテンであっても、中堅や若手であっても、同じことを常に言わなきゃいけないし、もちろん多少アレンジはしますけども、上のヤツがやってはいけないプレーをしたら、それは絶対に怒らなきゃいけない。それが若い選手にしか怒らないということでは、ダメなんです。一貫したやり方をしていないと、必ず選手に足元を見られてしまいます。」


──行動や言動に常に気遣いが必要だということですね。


「それは選手に対してのひとつのマネージメントだと思ってます。いろんなことをしっかりとやっていくことによって、チームがうまく、スムーズに進むんです。ハレーションという言葉がありますけど、みなさんも、人がこれだけ集まると、だいたい最初は一つの目標に向かっていくんですが、選手も点を獲りたいとか、試合に出たいとか、それぞれの目標を立てていくんですけれど、状況が悪くなってくると、だんだん話が変わってくるんですよ。この目標に向かって行こうぜ!って言ってるのに、向こうの方から文句を言う声が聞こえてきたり、その辺からグズグズ言ってる声が聞こえてきたりとか、チームの中で必ず起きてくる。その時に、そこをほったらかしにしておくとチームがおかしくなってしまうんです。そこを早めに手当てをしなくちゃいけない。それは全て監督がやるんじゃなくて、ヘッドコーチを使ったりするんですけど、一番大切なのはそれがちゃんと分かってるってことですよね。スタッフが状況をちゃんと分かっていて、あそこは文句言ってるけど、あえて流しておこうとか、今は構わないとか、これ以上はダメとか、細かく考えながら、チームとしての目標がブレないように、全員で向かっていけるように一つになって闘い抜く。下のモチベーションを常にアップするようにしていくというのが大切だと思います。」


──1年のシーズンの中で、いい時ばかりじゃないですからね。


「もちろん、夏とかに移籍することもありますしね。それはクラブと監督と選手が話し合って、出てない選手に対して、彼がいい方向に進んでいけることを考えてあげるのが大事なので。移籍というのはネガティブなイメージがあると思うんですけど、そうではなくて、チームを出てステップアップしたいということに対してネガティブに考える必要はないです。」


──全体も見るし、一人一人も見るという視点をお持ちだと思いますが、京都と徳島はどう違いましたか?


「僕はJ1はちょっとしかやってないんですけど、京都は予算がかなりあるクラブで、絶対に昇格しなきゃいけないというチーム。徳島は2年連続最下位だったので、チームの土台を作り上げるという段階、という違いはありました。監督は契約するときに、年俸や契約年数だけを気にしているだけじゃないんですよ(笑)。監督にとっては、そのクラブの考え方というのは非常に重要であって、全てオファーを受けるわけじゃないんです。クラブの考え方や理念があって、この1年間どうしたらいいのか、2年間どうしたらいいのか、その先はどうしたらいいのかということをしっかりと話を聞いて、納得したらサインするということなんです。お互いに話がブレてきたらダメになると。」


──クラブのビジョンと監督ができそうなこと、やりたいことが合っているかですね。


「そのために必要なことってあるじゃないですか。例えばアルビレックスでしたら、タイトルとかACLとか目標を立てておられると思うんですけど、監督がその目標を飲んだ以上は、それを整えるための意見をきちんと監督も出さないといけないし、契約する時は特にしやすいんです、その話は。そうしないと、「そんな話じゃなかったじゃないですか」なんていうことになってきて、おかしくなるんですよね。」


──リアルな話になってきましたね(笑)。勝ち負け以外でも大変なお仕事なんだなと思いますが、今まででいいこと、感動したことは何ですか?


「うーん、たくさんあるんでね。エエカッコじゃないですけど(笑)、ひとつひとつのゴールがね、入った瞬間というのが自分で本当に嬉しいというか。それと、最初に勝ったときは「嬉しい!」って感じなんですけど、だんだん勝ったら「ホッとする」っていう風に変わっていくんですよ。スポンサーやサポーターの人たちに喜んでもらえてよかったなっていう風にホッとするようになるんですよね。」


──大好きなサッカーで、監督という仕事ができる喜びと辛さというのがあると思うんですが。


「サッカーはプレーするのが一番いいなと思います。今は学生と一緒にボール蹴ったりするんですけど、その時は非常に楽しいですね。」


──今、一番いい時なんだよって、選手に言ってあげたいくらいですね。


「だからこそ、選手時代というのを大切にして欲しいと思うんです。だいたい、出られない選手というのは、どこかへ行ったら出られると思ってるんですが、ここでしっかりやれないヤツは、他へ行っても出られないですよ。選手は自分が出られないことの問題点をしっかり理解しないといけないし、指導者はそのヒントを与えないといけないんじゃないかなと思ってますから。今、サッカーをやれている幸せ、Jリーグでやれているという幸せを感じてもらいたいし、そのためにピッチでしっかりプレーして欲しいなと思います。」


──そういう意味で、自分の指導を理解してくれた、印象に残っている選手はいますか?


「特にいないですね(笑)。どっちかというと育成の時に教えていた選手がプロとして活躍してくれているのを見る方が嬉しいですね。代表的なのは仙台にいる角田っていうのがいるんですけど、彼が活躍してくれていたり、この間、久しぶりに自分が京都に帰ってきたということで、花屋に勤めている教え子からバラをもらったんですけど、その時はメチャ嬉しかったですね(笑)。」


──昔、向き合った時間があったから、再会が嬉しいんでしょうね。


「そういう風に向こうが思ってくれたら、自分の指導者としての仕事は成功してるのかなと思いますけれど。いろんな選手を指導してきましたけど、僕がやったことに対して、彼らが何かを感じて、そこで変わったということを彼らが理解してくれれば、と思います。」


──サポーターの存在について伺いたいのですが、監督の立場から見たサポーターってどんな存在ですか。


「怖いですね〜(笑)。新潟の皆さんはそんなんじゃないとは思いますけど。怖いっていうんじゃないですけど、本当に僕たちはサポーターを感じないといけないと思います。サッカーをできているのはサポーターの皆さんの支えがあってのことですから、皆さんの期待に応えなきゃいけないと思いますし、凄く身近で、本当に期待に応えたいという存在ですね。ひとつだけ、サポーターの皆さんにお願いがあるんですが、サッカーの試合というのは結果ですから、勝負というのは必ずいい結果と悪い結果がいつもあります。今、新潟も3連敗してますから、悪い結果が続いてますけども、僕が凄く思うのは、サポーターって、もともと「サポート」ですから「支える」っていう意味なんですよね。晴れた日に一緒に歩いてくれる人って、いっぱいいるんですよ。でも、雨の日に一緒に歩いてくれる人ってあまりいないんです。だから、そういう意味で、勝ててる時も、負けてる時も、一緒に歩いてあげられる存在であって欲しいんです。それは、選手が一番感じると思うんですよ。それはブーイングをするなとか、文句を言うなとか、そういうことじゃなくてですね、勝てなくても支えてあげるというか。もちろん腹立つこともいっぱいあると思うし、文句もあると思いますから、選手はそれを覚悟でプレーしているんで、全然大丈夫なんですけども、最後は温かい目で見てあげるということは、次への励みになると思うんですよね。常に一緒に歩いて行ってあげてもらえたらいいなと思います。」


──新潟もJ1も9年目、しっかりとしがみついてきてますが、そろそろタイトルとかACLとか、何か新しい景色を見せてほしいという期待もあって、そういう中で、もう一押しどうプッシュしていけばいいのかと思うんですけれど。


「そうですね、それはアルビレックスの関係者の皆さんは感じておられると思うし、トップチームの監督や選手も感じてると思います。目標をセッティングしてやっていくうちは、うまくいかないことも多いと思いますが、間違った方向へ行かないように、しっかりとコツコツと積み上げていけば、必ず最後は目標に到達できると思うんですよ。そこでいきなりビッグなことをしようと思っても成功はしないし、仮に一時成功しても、すぐにまた崩れてしまうっていうのもよくあることなので、9年間もJ1に定着していることを考えれば、それは大きな土台を積み上げていくことだと思うんです。ACLとかタイトルとか、一番難しいところですが、そこにチャレンジができる段取りや土台はできているんじゃないかなと思って見ているので、その先また、皆さんのパワーであったり、クラブがしっかりした部分を続けていけば、最後は勝てるんじゃないかなと。それができたら、またそれを続けていくことが重要なんです。」


──サポーターも共に歩め、ということですね。


「そうあって欲しいなと思います。」


──話は戻りますが、監督時代は365日、大きなストレスにさらされる中で、息抜きはありましたか?


「365日なんてサッカーのことは考えてないですよ(笑)。息抜きしている時は考えないようにしてますけど、難しいですね。特に試合が終わったその日は、難しいですね。次の日が休みであっても、その晩は勝っても負けても寝られないです。次の日に息抜きをしたいんですけど、すぐに試合のビデオを見るんですよ。次の日を休んでも、だいたい次の対戦相手のビデオを見てますね。デーゲームだったら夕方くらいからビデオを2本見て、ナイトゲームだったら朝方くらいまで2本見ます。その日の自分たちの試合のビデオを見て、対戦相手の試合を1試合だけ、直近の試合をすぐに見るようにしてます。次の日はリラックスしようと思っても、だいたい夕方くらいまで見てますね。」


──よく過密日程って簡単に言いますけど、本当に過密なんですね。


「監督の大きな仕事には分析があるんですけど、相手チームの分析と、自チームの分析があって。自分のチームがどういう状況で、どう修正するかを分析するのも一つの能力だと思うし、練習で修正していくわけですけど、過密日程だと修正する時間もない。相手チームのことも、1試合だけ見てるんじゃなくて、3試合か4試合見るんですけど、試合の流れやメンバーによって変わってくるので、その中から、どういう闘いをしてくるのか、それに対して、こちらはどうするのかを考えなければならないので、試合間隔が短いと難しいですね。」


──夏の過密日程というのは、どこのチームにとっても大変なんですね。


「逆に言えば、そこを乗り切れたチームがタイトルに近づく、ということじゃないでしょうか。」


──最後に、黒崎監督についてはどんな印象をお持ちですか?


「1年目の最初のスタートの時点で、僕はその時徳島にいたんですけど、ああ、黒崎が監督になったんだなと見ていて、最初はちょっとよくなかったけど、少しずつよくなって最終的には9位。昨年ちょっと負け越ししましたけれど。指導者として、アントラーズとかコーチを経験してきて、彼のサッカー観というのは既にあると思うし、それをどう表現していくかということで、本当は右肩上がりにいければいいんでしょうけど、そう簡単なことではないので、今年は勝負の年になるんじゃないかなと思っているし、彼自身も大きな目標があるでしょう。その中で、結果は出てないですけど、そんなに気にする必要はないんじゃないかなと。というのは、最初のシーズンは一番最初に躓いたけれど最終的には9位で、3年やってるわけですからね。これが新しい監督になった場合は…今日の相手のガンバがそうなんですけど、西野さんのサッカーと、少し違うサッカーにチャレンジして、まだ戦術が浸透してないというか、うまくいってませんよね。選手にとっては、なかなか難しい面がある。その中で結果が出ないと、自信に繋がらないので、チームとしてはネガティブになってしまう。そのタイミングを見越してガンバは監督を変えたんですけど、新潟は同じような状況ではありますけど、3年目なので、立ち戻るところがあるわけですよ。黒崎のサッカーを選手は分かってるんですから、勝てる時のイメージはあると思うので、戻っていく時には、スムーズに戻れるんじゃないかと思うんですよ。だから、結果は出てないですけど、無責任な言い方ではなく、大丈夫ですよ。」(笑)


──黒崎監督とはつきあいは長いんですか?


「サンガにも選手として来てましたんで。」


──ということは、今日は解説者という立場ですが…


「ガンバの松波監督とも一緒にプレーしてましたからね。今日は松波にインタビューしろと言われているんですけど(笑)」


──新潟で注目している選手は誰ですか?


「ブルーノ・ロペスですね。去年、最初に見た時は、なんか雑な選手だなぁと思ったんですが(笑)、スピード能力もあるし、馬力がありますし。彼をどう活かすかがカギですよね。」



【会場からの質問】


──徳島からガンバに入った佐藤選手は、どんな選手ですか?


「佐藤ですか?下手くそですよ(笑)。東海大学から来たんですけど、本当に下手くそなんですよ。だから、「骨から汗が出せ」と、それくらい走れと言い聞かせて育てた選手なんです。下手くそだから、走ることと、攻守の切り替えをしっかりやること、起点になるために体を張れと。「FWはスライディングしてナンボや!」というくらい鍛え上げた選手なんです。本人が自分は派手なプレーができる選手じゃないと分かっていたし、頑張ってトレーニングした結果、認められたわけですけど、ガンバに行ってどうかは心配ですね(笑)。ガンバにはないタイプのFWだと思います。」



──なかなか勝てない時の監督の心理状況は?


「タイプによると思うんですけど、ネガティブに考える方ももちろんおられると思いますし、そのうち勝てるだろうと思っている監督もおられると思いますから、一概には言えないとは思いますけれど、僕としては監督が一番最初に下を向いて、負けたらどうしようとか、悩んでいる感じを見せると、すぐにチームに浸透しちゃうんです。僕は何連敗もしたことがありますけど、自分の身近にいるヘッドコーチやフィジカルコーチなどのスタッフに、まずその姿を見せちゃ絶対にいけないんです。凹んで凹んで、家でも凹んでることがあるんですけど、どんなに辛い負け方をした後でも、しっかりと前を向いた顔をしています。大丈夫だから、俺たちはやれるからということを、まずスタッフに伝えて、スタッフがその辺を汲んで、選手に対してアプローチをかけて、選手の気持ちを前向きにさせるようにしてました。それぞれやり方はあると思いますけど、大切なのは負けてても絶対に下を向かないということです。」



──選手が試合ごとに入れ替わったときに、新しく入った選手へのモチベーションの上げ方と、外れた選手へのフォローの仕方はどうしていましたか?


「僕の場合は、新しい選手については、若い選手の場合は「お前がやれることだけをやってこい」と。「大きな期待なんかしてないから」(笑)。精神的な厳しさをまず排除してあげないといけないので、若手選手に対してはそういう送り出し方をしますし、責任あるプレーヤーを使う時は、それなりの重圧を逆に与えますね、僕は。「こういう部分を期待してるんだから、それは最低限やってもらいたい」という言い方をします。替えられた選手に対しては、まずは、ほっといてほっといて泳がすパターン。替えられた瞬間に彼がどのような行動をして、どんな態度で、どんな練習の仕方をするのかを見たいというのがあるんですよ。何か問題があれば声掛けすればいいですから。もうひとつのパターンは、すぐに声を掛けてやらなきゃいけないヤツもいるんで、そういうヤツにはちゃんと替えた理由を説明したりしますよ。もちろん、それを証明するものがないといけないので、ビデオを作って、「お前はこういうプレーができてないから、チームとしてはマイナスになってるから替えたんだ」ということを説明します。証明するものがないと、言葉だけでは分からないので、そういうところは気を遣ってます。」



【新潟サポーターへのメッセージ】


新潟では仕事はしたことはないですが、ひとつの大きな成功したクラブだと、ずっと感じてます。地方のクラブは、新潟に勉強しに来る場合が多いんです。それを誇りに思っていただきたい。新潟サポーターの、サッカーに対する温かい接し方というのは、素晴らしいと思っているので、ぜひこれからも続けていってください。アルビを応援するんだという雰囲気を街の中から出していただければ、新潟は間違いなくサッカーのひとつの文化を創り上げることができると思います。僕は徳島でもそういうことを伝えてきましたが、新潟は成功されているチームだと思うので、日本のサッカー文化のためにぜひ続けていっていただきたいと思います。」

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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はじめの一歩
思うところは数々あれど、まずは勝ち点1が取れたことで、チームにもたらすポジティブな効果を期待したい。

ガンバって本当にチーム状態が悪いんだね。
だからこそ勝ちたかったけれど。

ミカの献身は素晴らしいなぁ。
貴章に救われるシーンが多かったなぁ。
平井らしさを取り戻してほしいなぁ。
ジンスは、あくまでも攻撃的に頑張れ。
健太郎はあのシーンでは慌てる必要はなかったと思うけど、それ以外はイシと2人、よく対応できていたと思う。

倉田と藤春は邪魔くさかった。

クロさんの最後の引き分け狙いの采配は、心情的には理解はできるw

まずははじめの一歩を踏み出すことが大切だから。

さて、次節も未勝利対決ですよw

勝ちたいね!勝ちましょう。


試合前の美濃部直彦さんのサッカー講座が、とてもよかった。
内容の詳細はまた後日。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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