2013年04月の記事 | ぐっちいのスポーツを読もう!
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今年初めての聖籠にて

 

鹿島戦からの流れで、2日後、ふと思い立って聖籠へ練習を見に行った。今年初。


Bピッチへ行くと、チームスタッフによる準備が進んでいて、目の前にあったゴールを、センターサークル付近にまで運ぶところだった。
5人で持ち上げるとき、


「せーの!」


と掛け声を出していたトゥッコさんに萌w
そんな中、やんつーさんは、ピッチの芝状態をチェック中。ゴール前辺りの芝が荒れているのを気にしているようだった。



ポカポカ陽気の午後練習、GWということもあって、見学には家族連れも多かった。
ピッチにウッチーとクナンが姿を見せると、チビッコたちから、


「ウッチー!」
「キム・クナン〜!」


というかわいい声援が飛ぶ。
ウッチーは笑顔で手を振っていたのだけれど、クナンは照れているのか、チビッコたちの方に顔を向けない。すかさず、ウッチーが、
「疲れてるんだよ〜」
とフォローを入れていたのは、さすがだったなぁ。
クナンは、


「クナン〜!広島戦のゴール、ありがとう〜!」


というチビッコの声に、ようやく手を上げた。その調子、その調子。



トゥッコさんが指示をするアップ練習では、4人ずつのグループに分かれ、ワンタッチパスとともに、パスの前後は常に動き続けること、距離感を意識することが求められていた。
少しでも足が止まった選手がいると、三浦文丈コーチなどからすかさず、
「○○!足が止まってるぞ!」
と声が飛ぶ。


フミさんのコーチ姿、初めて見ましたけれどね。というか、今回練習を見に行った目的の一つが、「文丈コーチを見ること」だったんですけどねw
雰囲気としては、選手の兄貴分的役割ってとこなのかな。江尻さんを思い出したのだけれど、江尻さんの場合は兄貴分というよりは、「ガミガミ母さん」みたいな感じだったかw
いずれにしても、マリノスやFC東京での現役時代の記憶が新しい人なので、聖籠でコーチ姿を見ること自体が、何だか不思議な感覚だ。


その後、ハーフコートを使っての3vs3、11vs11。
ここで面白かったのは、やんつーさんとケンゴ。


何しろ、このときピッチに出ていたFWはケンゴひとりだったので、


「ケンゴ!ケンゴ!」


というやんつーさんの声が響く。


「ケンゴ!人を意識しろ!」


「ケンゴ!自分で感じろ!遅いぞ!」


もう、集中砲火w
ケンゴに頑張ってもらうしかないですからね、やんつーさんも必死なんですよね。


その直後、ケンゴが豪快なゴールを決め、ギャラリーからどよめきが起こったのであった。ほっ。


FW陣がそのような状況なので、全体の連携をより高めてゴールを目指す、という意識が徹底されているようだった。


全体練習が行われている傍らでは、ロペスが日暮トレーナーとマンツーマンで別メニュー中。
すでに前後左右へのステップを入れるなど、負荷を強めのトレーニングをしていたので、復帰はそう遠くないんじゃないだろうか。
清水戦は微妙だけれど、何とか甲府戦に間に合えばいいんだけれどな。



気になっていたひとり、キクちゃんも、アップ練習では、アトム、セイヤ、健太郎とグループを組み、ゲーム形式では自分の特徴を出そうという意識は感じられた。
ここで認められないと、試合に出られないからね。頑張れですよ、キクちゃんも、それ以外の試合に出ていない選手たちも。


全員の集中力が感じられた練習は、1時間で終了。
短いようにも思えるけど、実際はかなり密度が濃いんですよね。


攻撃陣は居残りで、クロスからのシュート練習。それをつきっきりで見守るやんつーさん。


次に聖籠に来られるのは、たぶん5月15日の午前中なんだけれど、その日はナビ杯FC東京戦で、主力は国立へ行っている。
居残り組の練習を見るのも面白いので、また来ますよ。そのときは、フミさんの仕切りが見られるかな。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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チャレンジする心

もう4月も下旬だというのに、ちっともそれらしい陽気にならない。
しかも、土曜日毎に天気が悪くて寒い気がするんだけれど、それって気のせいだろうか。


というわけで、土曜日の鹿島戦の試合前も、とても黄色いシュワシュワを飲む気になれず、MILANうどんとホットワインでぬくぬくする作戦に出て、結局貼るカイロも動員してしまった。


ウチの会社のキクチ世代デザイナーが、毎試合勝敗&スコア予想を私に言ってくるのだけれど、アルビが嫌いな訳じゃないくせに(というより、むしろ好き)、ちっとも新潟の勝ち予想を言ってこない。
マリノス戦ですら、
「1-0でマリノスの勝ち」
と予想していたので、スコアだけ当ててどーする、とツッコミを入れておいたのだが、今回も、「2-0で鹿島の勝ち」なんて言っていたのだ。


だから、一時スコアが0-2になったときは、むむむむ!であった。


いやぁ、もう、成岡と健太郎のおかげで、予想が当たらずに済みましたよ。って、負け予想は当たっちゃったけど。



色々と考えさせられる試合でしたけれどね。


柴崎のミドルは、凄かったなぁ。立ち上がり、新潟が攻勢に出た流れを、あの一発で鹿島の方に変えてしまった。
中盤でパスを回して新潟のプレスに引っかかるよりも、スキを見つけたらミドルで勝負、という感じだった。本当に周りがよく見えている。
柴崎の一連のプレーを見ていて、「戦術眼」という言葉が思い浮かんだ。こういう選手がいるから、鹿島は強い。


新潟は、FWにケガ人が続出し、2トップはケンゴとヒデで、サブにはFWが一人もいないというスクランブル状態。
しかも、この試合中にヒデまでもが傷んで途中交代するということになった。
で、どうするのかと思ったら、まず成岡をトップに上げ、成岡が傷むと、水輝を入れて、クナンをトップに上げた。


こ、こここここれは、いわゆるひとつの「クナン大作戦」ですか!


ピクシーの「闘莉王大作戦」に対抗して(んなわきゃない)、やんつーさんの「クナン大作戦」発動の現場を、ついに目撃してしまったぞ。


後で聞くところによれば、クナン大作戦は練習でもやったことがないんだとか。緊急事態の中、クナンはマリノスではFWだったので、やれると踏んでのポジションチェンジだったのだろう。
クナンがFWに上がってからも、他の選手たちがいつものようにパス回しを敢行していて、なかなかクナンにロングボールを集めようとしないので、あれ?と思っていたのだけれど、しばらくしてからクナン目がけてロングボールを蹴るようになった。
で、ヘディングで競り合うと、やっぱり勝っちゃうんだな、これが。
思った以上に効果的だったみたいなので、今後、これがひとつのオプションになるのかもしれない。いや、なるべくそんな状況にはなって欲しくないけどw


そして何より、素晴らしかったのは右SBでスタメンだった川口くん。ボールを持ったら前へと仕掛ける果敢な姿勢を最後まで貫き通し、対峙した前野をチンチンにして、抜け出すシーンも何回かあった。守備も頑張っていたしね。
後は、最後のクロスの精度を上げれば、不動の右SBになれるんじゃないだろうか。
川口くんやノリのように、掴んだチャンスを確実にモノにする若手がどんどん出てくれば、チーム内競争が活性化し、チームは強くなる。


パスサッカーを志向すれば、パスミスはつきもの。その部分でミスが多いか少ないかの差は、鹿島と比較すれば確かにあるけれど。
でも、一番よくないのは、ミスを恐れてチャレンジしなくなることだと思う。チャレンジしなけりゃサッカーじゃないもんね。
このチームを強くしたいなら、ミスを糾弾するのではなく、結果的にミスになったとしても、チャレンジの結果であれば、きちんと評価する目を持ちたい。
試合が終わって、そんなことをつくづくと思ったのだ。



試合後、菊地サポ、成岡サポ、竹重サポ、健太郎サポの皆様と駅南で、深夜バスの時間まで打ち上げ。
そこで、健太郎の股抜きゴールにビックリしたことを話したら、健太郎サポさん曰く、
「意外と得意なんですよ」
とのこと。
そうなのか〜。成岡が意外とヘディングが得意とか、健太郎が股抜きが得意とか、なかなか侮れないぞ84年組w

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一見「何もない試合」の中にある大切なもの

平日アウェイのナビスコカップ。鳥栖には約60人の新潟サポーターが駆けつけていたとのこと。凄いなぁ。
しかも、ついにktmrの連続参戦記録がついに途絶えたという、歴史的な日でもあったのである。そういう意味でも、つくづく凄いw


私は普通に仕事だったので、映像は帰宅してから録画を観た。
試合結果も、おおよその流れも分かった上で観たので、なるほどなぁ、という感じ。


まぁ、何と申しましょうか。


昔から新潟は、ベストゲームとも呼べる試合をやったと思えば、その次の試合で別チームみたいになってしまうという傾向があって、それはどんなに人が入れ替わっても受け継がれている伝統というか(ニガワラ)
いや、そんな伝統は受け継がんでええ。


マリノス戦の後、選手に気の緩みが見られたので、やんつーさんが雷を落としたという話があり、さらに鳥栖との対戦は、間違いなくハードワーク合戦になると考えると、今の新潟の力がどこまで本物かが分かる試合になるんだろうなぁ、と思っていた。


で、この試合内容だ。


鳥栖の選手たちのハードワークには、迷いがない。新潟はそれを受けて立ってしまった。受けて立てるようなチームじゃないのにね。


そもそも、1つ勝った程度で気が緩んで、やんつーさんに怒られてハッとしているようでは、連勝なんてできるわけがないのだ。
サッカーでメシ食ってるんだから、そんなんじゃ困るでしょ。
ここで、誰がミスしたとか、そんなことを糾弾したって、大した意味はない。チーム全体の問題なんだから。


そんな中、若手が存在感を発揮したのは、次に繋がるんじゃないかな。
ケンゴ、ノリ、川口くん。
苦しい試合展開の中、あえてノリと川口くんを投入したところに、やんつーさんの意図を感じるし、彼らが「前を向く」意識を強く持ってプレーをし続けたこと、試合後も心底悔しいという気持ちを隠さなかったことは、この試合の収穫として記憶しておきたいと思う。


ケンゴの悔しがり方、いいなぁ。


「勝ちたい気持ち」


という言葉を口にしたところに、これからのケンゴの飛躍を期待しちゃうなぁ。


勲は「何もない試合をしてしまった」と言ってたけど、一見何もないように見える中に、実は一番大切なものが隠されているなんてことは、いくらでもあると思うんだよ。
これから先、若手たちが台頭してきたときに、きっとこの試合を思い出すことになるんじゃないだろうか。


あっという間に、土曜日には鹿島戦がやってくる。
手痛い敗戦の後に度々発揮される「新潟のリカバリー力」を、ぜひ見せてほしい。

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北書店3周年とマリノス戦

   

金曜日の夜は、北書店で開店3周年記念の北酒場に参加し、土曜日はビッグスワンでマリノス戦だった。


北酒場では、本好きが揃った宴席だけあって、いろいろと本や本屋についての話で盛り上がっていた。
村上春樹の最新刊を読んでいる人が意外と少なく、村上春樹は初期の頃の作品がよかった、ということで、ほぼ意見一致。
いや、最近の村上春樹が面白くないってことよりも、村上春樹をめぐる周囲の騒ぎ方に皆さん辟易している、という感じが正しいかも。
なんか、ブームとか、ファッションにして簡単に消費しちゃっていい作家じゃないと思うんですよね。

北光社閉店から北書店が開店して3年。
紀伊國屋やジュンク堂とも違う、TSUTAYAとはもっと違う、独自のカラーを持った「街の本屋さん」として、北書店のことは大切にしていかなければいけないと思っている。「街の本屋さん」が存続できないような街になっちゃいけないんです、新潟は。



この日、北書店で買った本2冊。「月刊たくさんのふしぎ」5月号と、「カネと文学〜日本近代文学の経済史」。
「カネと文学」は、大正・昭和・平成の作家が、原稿料や印税にどれだけ苦労してきたか、というお話らしい。これは面白そうw




さて、土曜日のマリノス戦。


4月も下旬に差しかかっている時期とは思えない寒さの中、しかもナイトゲーム。
そうでなくても、4月の新潟の夜は、まだまだ寒い。それなのに、今月に入ってナイトゲームが3試合目である。集客にも影響するし、お願いだから勘弁して下さいよ、日程くんよぉ。


それでも、スタジアムへ行く前に、万代にグランドオープンした新潟日報の新社屋「メディアシップ」に立ち寄り、新潟駅に新しくできた「ぽんしゅ館」も覗いてみる、という余裕があったのも、試合が夜だったおかげ、ではあるんだけれど。
いやー、メディアシップもぽんしゅ館も、ほとんどお上りさん的に覗いてみたけど、どっちも凄いわ。
特にぽんしゅ館は、新幹線で新潟に来るアウェイサポさんたちは、絶対に寄っていった方がいいですよ。試飲もできるし。


結局、古町から万代、スタジアムと最後まで歩き通し、スタジアム到着は14時半過ぎ。列柱廊でのバーベキューに参加し、とりあえず気分を盛り上げて寒さを吹き飛ばしておいた。


そんな中、Eゲート前広場の仮設ステージでは、昨シーズン限りで現役引退した小林慶行さんのトークショー。


「勲と菊地がもっと頑張らなきゃダメです」


と慶行さん。もっと言ってもっと言って〜〜!
慶行さんは、試合前の引退セレモニーでも登場し、マリノスサポに向かって、


「樋口さんが監督をされているので、応援しています。開幕からずっと連勝していて凄いなと思いますが、そろそろ休んでいただいてw」


とナイスなスピーチをしていたのであった。


セレモニーが終わってから、慶行さんは場内を一周したのだけれど、ちょうどメインスタンド下のアップルームの前を通りかかったときのこと。中にいた新潟の選手たちがサッシ窓を開けて、慶行さんに手を振るために出てきた。
試合前なんだから、ちゃんとアップしてろ、と言われてしまいそうだけど、慶行さんの慕われ方と、選手同士が仲がいい新潟のチームの雰囲気が、よく伝わってくる光景だった。



それにしても。いい試合でしたねー。がっぷり四つ、首位vs14位とは思えない、まるで首位攻防戦のような熱気。
立ち上がりから両チームとも攻守の切り替えが早く、球際で火花が散るようなバトルが繰り広げられた。
選手たちの「負けたくない」気持ちがあふれた、見応え十分な展開。ナビ杯鹿島戦や前節の名古屋戦とは違い、ハイプレスが機能していた。
ミスの連鎖で完敗した名古屋戦とは、選手の集中力が全然違う。攻撃をスピードアップさせても、簡単にミスが出ない。ここまで立て直してきたなぁ。この1週間、特別なトレーニングをしたわけではないとは思うのだけれど、何が変わったのだろう。


前半のうちにロペスがケガをしてしまい、早々にケンゴと交替というアクシデントはあったけれど、前から追い回すロペスの役割を、ケンゴが一生懸命受け継いでくれた。
レオが攻守のスイッチ役になり、達也と成岡、アトムがゲームメークの役割を担う。達也は開幕当初から凄かったけど、ここにきて成岡の存在感が素晴らしい。磐田の頃から、巧くて視野が広いイメージがあったけど、あそこまで泥臭く頑張れる選手だとは、新潟で新たな発見だった。
右SHでスタートして、後半にミカとポジションチェンジしてボランチに入る、というオプションが定着してきた。ミカよりも配球力があるから、チームとしての攻撃の幅が広がる感じがする。ミカの右SHもいいしね。


ところで、サポ仲間の娘さんが、もともとガンバの遠藤ファンだったのだけれど、最近、成岡もお気に入りなんだそうな。イイデスネー。
何だったら、成岡に完全に乗り換えてもらってもいいんだよ?w


後半15分過ぎ、達也に替わってヒデが入り、2トップはケンゴとのコンビになったわけだけど、この2人、ナビ杯セレッソ戦で結果を出してから、いい感じになってきたよね。
最初は自分が結果を出すことばかり考えて、空回ってた感マンマンでしたけどね。
この日の決勝ゴールのコンビネーションなんて、ホレボレしたなぁ。結果を出したから自信が生まれ、自信が持てると、自分自身だけでなく周りもよく見えるようになるんだな、と。


クナンがヘディングで前へ送り、成岡を経由してケンゴ→ヒデ。


ヒデのシュートセンスの高さが存分に発揮されたゴールだった。


マリノスもさすがで、決定的なシーンをいくつか作られ、そのたびにシュートミスやポストに救われたのは確かだけれど、最後の最後まで、攻守ともに互角以上に闘うことができ、試合の主導権は最後まで新潟が握っていたと思う。
今シーズン、ここまでのベストバウト。やんつーさんにとっても、監督としてマリノス戦初勝利だそうで。おめでとうございます。


課題はまだまだあるにしても、自信を持ってやれれば、いいゲーム内容に結果もついてくる試合が増えてくるんじゃないだろうか。


マリノス戦が終わり、次は水曜日のナビ杯鳥栖戦。そして土曜日にはまたホームで、鹿島戦が待っている。
新潟は、完成度の高いチームではない。だからこそ楽しい。日々是成長ですよ。

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シドニー!

 

村上春樹の最新刊が売れまくっている。

売れまくっている、という簡単な言葉では収まらない。もはや、社会現象とも言える状況だ。

村上春樹が新作を出すというだけで、これだけ話題になるようになったのは、いつ頃からだろうか。
「ノルウェイの森」あたりでも、発売前からはここまで話題になることはなかった気がする。

学生時代、我々文学部学生の間では村上春樹は既に人気があり、「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」はみんなが読んでいた。
考えてみれば、「風の歌を聴け」がデビュー作なんだけれど、あっという間に人気作家になったイメージがある。大学生協の書籍部には、いつも村上春樹が平積みになっていた。

私も一応3作とも読んだし、どれも好きな作品なのだけれど、小説よりも「村上朝日堂」などのエッセイが好きで、よく読んだなぁ。


で、最近はというと、ほとんど読んでいない。

「1Q84」は買ってあるだけで積ん読状態だし、最新刊の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」はまだ買っていない。
ほとぼりが冷めた頃にでも読もうかなぁ、などと、ひねくれたことを考えている。

でも、ふと、もう一度読みたくなった本があった。

「シドニー!」
(文藝春秋・刊)


2000年、村上春樹が「Number」誌上で連載していたシドニー五輪観戦記。
連載当時から面白くて読んでいて、単行本になったとき、喜び勇んで買った。

その後、本を手放してしまったので、手元になかったのだけれど、猛烈に読みたくなったので、Amazonで注文した。

いや、文庫本化されてるから、それを買えばいいだけの話なんだけれど、どうしても単行本の方が欲しかった。
しかし、単行本自体は絶版になっていたので、古書で注文し、1週間経たないうちに手元に届いた。

2001年1月20日発行の初版本。保存状態がかなりいい。

内容は、村上春樹が五輪期間中、シドニーに滞在取材した話なのだけれど、競技そのものや、オリンピックの周辺の描写などが、とてもいい。特に、周辺の描写が村上春樹らしさ満載だ。

パラパラッとめくって見出しを見るだけで、高橋尚子のマラソン金メダルとか、このときの野球日本代表のエースは松坂だったことなどを、ありありと思い出す。
サッカーでは、予選リーグのブラジル戦の話が出てくる。

最新刊を買ってもいないのに、12年も前のエッセイの方を先に読もうというのも順番が違う気がするけれどw
やっぱり名著は、何度読んでも、いいものはいいのですよ。

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満開の桜と名古屋戦

 

この週末、新潟市内はどこもお花見日和。


特に日曜日は気温も上がったこともあって、白山公園や鳥屋野潟公園などの花見の名所は、駐車場は全て満車。
両親を連れて車で回ったのだけれど、車を止める場所が見つけられず、少し離れたところに車を置いたところで、高齢で病気持ちの親を長い距離歩かせるわけにもいかないので、車の中からのお花見で勘弁してもらった。


写真は、帰宅してから散歩がてら一人で行ってみた寺尾中央公園の桜。


桜とチューリップ、バラ園が有名な公園なのだけれど、桜は満開。チューリップは少しずつ咲き始めている。
来週末あたりから、チューリップがきれいになってくるかな。バラはまだまだだけど。



さて、土曜日の名古屋戦は、1日家事にいそしんでいたので、前半20分くらいまでしか見られなかった。
レオのPK献上までは、しっかり見てたけれど。
ちょっとひと休みになったときには、試合は既に終わっていた。


何と言うか、ナビ杯鹿島戦のときと同じだな、という印象だった。
鹿島も名古屋も、新潟をよく研究していて、プレッシングをいなすというか、プレッシングに引っかかる前に素早くパスを回す感じ。
新潟はプレッシングが不発になると、とたんに後手に回ってしまう。そこを見透かされてしまっていた気がする。


落ち着きのなさやミスの多さは、特効薬があるわけではないだろうし、じっくり取り組んで克服していくしかないのかな。
もっと選手たちが自信を持ってプレーできればいいのにな、と思ってしまけれど、その自信を持つためには、ひとつでも多くの成功体験を積み重ねることが一番効き目があるのだがな。


それに加えて、5連戦の蓄積疲労もあったかな。レオやアトム、クナン、ジンスは開幕からフル出場だしね。
今の新潟の、圧倒的な運動量が求められるスタイルは、連戦や猛暑の時期には厳しいだろう。そこをどう対策していくかも、勘所になってきそうだ。


うーん、これは我慢のしどころですねぇ、いろいろと。
やんつーさんも考えるところが多いだろうしなぁ。


この状況を打開するために、どんな手を打ってくるのか、期待してますよ、やんつーさん。



こういうときにこそ、今試合に出ていない選手たちの台頭が必要。
普段の練習試合の重要性は、どんどん増してくる。


今週末のマリノス戦、どんな選手がメンバーに食い込んでくるか、今後のためにも楽しみにしたい。



ところで、今回の名古屋戦、ピッチ上に5人「田中」がいたり、貴章が赤かったりw、話題に事欠かない試合ではあった。
敵に回して見る貴章って、やっぱり大きい。新潟にいた頃は、そこまで大きさを感じたことはなかったんだけれど、貴章ってこんなに大きいんだなと思った。
見る方向が逆になると、見え方も変わるってことか。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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勝って学べ

ちょっと備忘録的に。

Webサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で、今日まで連載されていた、巨人の原監督と糸井重里さんの対談

その内容がとても深くて、面白かった。

プロ野球選手についての話なんだけれど、それだけでは止まらないこと。


今日の内容で特に印象に残ったやりとりを、メモしておく。



糸井 やっぱり、なんというのかな、
   「勝ったときに学ぶことは少ない」
   という言い方が、よくされますけど、
   勝っても学ぶことっていうのは、
   じつは、すごく多いですよね。
 
原  そうですね。
   勝ったら、素直に学べます。
 
糸井 そうですよね。
 
原  学ぶものが、すごくあります。
   あるけれども、勝ってしまったうれしさで、
   その、学び取るべきものを
   すーっと通り過ぎるケースはありますね。
 
糸井 ああ、そうか、そうか。
 
原  勝ったときはそこを通り過ぎて、
   負けたときだけ、
   うーん‥‥って考える人がいますね。
 
糸井 はい。
 
原  やっぱり、考えるんだったら、
   勝ったときも負けたときと同じように、
   考えたほうがいい。
   考えないんだったら、両方とも考えないほうがいい。
author:ぐっちい, category:野球
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「すばる」5月号、「夢はかなう─安英学の軌跡」



 


文芸誌「すばる」5月号から、木村元彦さんによるノンフィクション「シリーズ朝鮮高校サッカー部を辿る旅」の連載が始まりました。

第1回目は、「夢はかなう─安英学の軌跡」。

ヨンハッが朝鮮高校を卒業し、大学進学を目指して浪人生活に入るところから物語は始まります。
夢だったプロサッカー選手の第一歩を踏み出したアルビレックス新潟での3年間は、特に詳しく書かれてますね。
中でも、2002年に北朝鮮による拉致問題が明るみになったときの、アルビサポーターとの強い絆は、とても印象深く描かれています。

2月に北書店で開催した「木村元彦×安英学トークLIVE」で、この連載について木村さんから言及がありましたが、あのトークLIVEに参加したみなさんは、あの日のトーク内容を思い出しながら読んでみてください。
ヨンハッの新潟時代を知る人にも知らない人にも、おすすめの一冊です。

「すばる」を取り扱っている書店には限りがあるようですが、北書店さんが入荷してますので、ぜひ北書店さんでw

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2分咲き

 

せっかく桜が咲いたのに、開花直後は爆弾低気圧が来て、そして今度は花冷え。
ちゃんと春になってほしいのになぁ。


昼間、LINEに、聖籠に行っている人からの報告で、どうやらキクちゃんがまたベンチ外らしい、との連絡が届く。
そうか、試合当日のトレーニングにいるということは、ベンチ外ってことだもんねぇ。


キクちゃんがここのところチャンスを掴めていない理由は、やんつーさんに聞かなければ分からないことだけれど、やんつーさんが求めているマンツーマンディフェンスへの対応や、運動量、スピード、クロスの精度など、もろもろ物足りないと判断されてるのかなぁ、という気がしている。


徐々に出番を失っていく経緯が、8年前に新潟にレンタル移籍する直前の磐田での状況に似ているように見えるのが、ちょっと気がかりではある。でも、聖籠での様子を見た人によれば、モチベーションが下がっているような感じではなく、声を出して前向きにやっている、とのこと。
物足りない部分を向上させることも大切だけど、自分のストロングポイントをどんどん磨いてほしい。菊地直哉にしかできないプレーを。とにかく、やんつーさんの壁を乗り越えてナンボだと思うので、頑張れ。とにかく頑張ってくれ。みんな待ってるんだから。



スタジアムに入ったのは、キックオフ15分前。入る前に夕食として、みかづきで新商品「チキントマトシチューイタリアン」を調達した。美味。


試合は、立ち上がりはほぼ互角な展開ではあったものの、鹿島も随所にさすがなプレーを連発する。たぶん、今季ここまで対戦してきたどのチームよりも、鹿島は強い。
新潟の選手がボールを持つと、すかさず2人、3人と挟み込んできて、ボールを奪いに来る。鹿島って、あんなにタイトな守備をするチームだったっけ?


お互いにプレッシャーを掛け合う展開の中で、次第に鹿島と新潟の差が露わになってくる。
プレッシャーを受けるうちにミスが出始める新潟と、絶対にミスをしない鹿島と。
新潟の2失点は、いずれもミスによるもので、新潟はこちらからプレッシャーをかければ勝手にミスしてくれる、と見透かされているような印象を受けた。むー。悔しい。


相手の弱味を徹底的に突いてくる、鹿島らしい強さが戻って来た。やっぱり、トニーニョ・セレーゾって凄いのね。


それでも、新潟は最後まで攻撃の姿勢を失わず、それが結果的にケンゴの復帰後初ゴールに繋がったことは収穫の一つになった。
ウッチーのクロスも素晴らしかったしね。
ダヴィや大迫にチンチンにされていた水輝にとっても、糧となる試合だったと思う。


ミスの多さや、フィニッシュの精度、クロスの精度など、課題は山ほどあるけれど、ケンゴがゴールを決めたこと、ナビ杯では初ベンチ入りだった達也を使わずに終わらせたことなど、今月27日にリーグ戦での対戦が待っている鹿島に対して、含みを持たせることはできたかな、という気はしている。


何より、個人的にツボだったのは、目の真下で繰り広げられていた、アトムと大伍のマッチアップ。
ボールのあるところでもないところでも、ごちゃごちゃとやり合ってた2人。そういえば同い年なんだよねw
鹿島に行ってから、年々小ずるさが増している大伍だけれどw、アトムも大伍も、お互いに負けたくない気持ちがほとばしっているようだった。


いやー、そういった意味も含めて、27日の再戦が楽しみですわ。
トニーニョ・セレーゾも、試合後の記者会見で、やんつーさんに対して、異例のコメントを残している。


「僕はここでアルビレックス新潟の監督をたたえたい。ピッチの中で1人一人が何をするべきか、しなくてはいけないのか、狙いという部分など、指導が徹底されている。非常に素晴らしい指導をされていると、たたえたい」


これは、最大のリスペクトであると同時に、宣戦布告ですかねw


簡単なことではないけれど、借りはリーグ戦で返せばいいんですよ。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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新潟の花はゆっくりと咲く

土曜日は仙台へは行かず、西堀で髪を切ってから、上古町をぶらぶら歩き、白山公園に出た。


白山公園内の梅林は、まさに満開。


桜はまだかなぁ、と思いながら、りゅーとぴあの方へ行くと



…おっ、これは咲くな?


いやいやいや、もう咲いてる!


市陸周辺はさらに咲いてる!開花宣言出てないけど(昨日、新潟市も開花宣言が出ました)


新潟市の桜が咲いたとなれば、これはもう、アルビのリーグ戦初勝利フラグではなかろうか。



最終目的地は、北書店。


今回は、絵本作家の田島征三さんのトークイベントに参加するためだ。


田島さんといえば、大地の芸術祭の「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」で、新潟では特に知られている人。
北書店の店内ギャラリーでは、田島さんのミニ作品展も開催され、大地の芸術祭がちょっとだけ引っ越してきたみたいな雰囲気になっていた。


今回は主催者側ではなく、参加者として行ったのだけれど、今回はイベントスタッフが何人もいて、せっせと働いていたので、手伝うこともなく、のんびりと店内の本を眺めながら待っていた。
えのきどさんや木村元彦さんのイベントのときは、北書店の佐藤さんと私だけで準備したから結構大変だったけれど、やっぱり人手があるっていいなぁw


そんなことをしている間にモバアルメールが届き、成岡のゴールを知らせてきた。
おお、ついに成岡が〜。ゴール獲りそうなニオイは、開幕戦からあったんだよなぁ。


トークイベントは、とてもアットホームな雰囲気だった。田島征三さんは、絵本作家としては大家だけれど、そんな感じがまったくない、とてもほんわかした感じの方だった。


「爆発的に売れても後に残らない本よりも、売れ行きはぼちぼちでも、長く残る本を作りたい」


という言葉に共感。
自らの絵本の朗読もとてもよかった。土佐弁だったから、なおさら。



帰宅してから、録画しておいた仙台戦を見た。


成岡の先制ゴール、素晴らしかったなぁ。
成岡→達也→ロペス→成岡、という流れの得点だったけれど、達也にパスを出してから猛然とペナルティエリアへとダッシュした成岡と、何人もマークを引きつけてからロペスに絶妙なパスを出した達也、寄せてきたイシを肩でドンッと押し返して、成岡にドンピシャクロスを出したロペス。
開幕戦のときも思ったけど、成岡ってヘディングが上手いなぁ。自分で得意だと言うだけのことはある。


今のところ、新潟の攻撃はレオが基点となって、成岡、達也のあたりでミシェウ的な役割を担っている感じかな、というイメージがある。
ただ、そのために達也にゴールが生まれにくいのは、あまりにもったいないので、達也がフィニッシャーになれる形に持って行けるようになったらいいな。


後半は、相手が布陣を替えてきたこともあるけれど、なかなか厳しかった。
ACL疲れでヘトヘトになっていた仙台だけど、やはり、去年のリーグ2位チーム。簡単には勝たせてもらえない。


それでも、ウィルソンに完勝していたクナンを筆頭に総力を挙げた守備で、最後までゴールは割らせなかった。
クナン凄いな。超人ハルクみたいだw
クナンにはね飛ばされたウィルソンが、クナンに文句を言ったら、クナンが笑って受け流していたシーンは面白かったな。


勲の2枚目のイエローは、ちょっと厳しいかなぁ、と思ったけど、そういえば、八木あかねさんのサッカー講座で、あかねさんが言っていたことを思い出した。
よく、ボールに先に行っていればファウルにならないと言うけど、たとえボールに先に行っていても、脚を引っかけるなど、相手に明らかな不利を与えた場合はイエロー相当になる、という話じゃなかったっけ。


うろ覚えなので、違ってたらツッコミプリーズ。


勲の場合は、映像で見たところ、ボールには先に行ってるけど、相手の脚を引っかけてしまっているようなので、イエローということになったのかな、と。うーん、仕方がない。



相手がやり方を変えてきたときの対応力に課題は残ったが、ナビ杯でセレッソに勝ったことが、しっかりとリーグ戦に繋がった。これをどんどん繋げていきましょう。
課題を一つずつ潰しながら、チーム力を上げていくという作業は時間がかかる。それはやんつーさんが開幕前のインタビューでも言っていたことだし、
「7月にピークが来るように」
という計算通りに行っているかどうかは分からないけれど、チームは確実に前に進んでいる。
3月より4月、4月より5月。この2ヶ月でチームがどこまで成長するのか、しっかりと見届けたい。


ところで、北書店に注文していた本が届いていたので、ついでに受け取ってきた。



「アナキストサッカーマニュアル〜スタジアムに歓声を、革命にサッカーを」
ガブリエル・クーン・著/甘糟智子・訳
現代企画室

木村元彦さんのオススメだったので購入してみたのだけれど、パラパラとページをめくってみただけでも、面白そうで相当奥が深い本とみた。
これから読むのが楽しみ。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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