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昼下がりのサプライズ
サンフレッチェ広島から野津田 岳人選手 期限付き移籍加入のお知らせ

野津田岳人選手 アルビレックス新潟へ期限付き移籍のお知らせ


何だって!野津田だって??!

いやー、ビックリした。
だって、ランチを食べて、さて午後の仕事、と思った矢先に飛んできたモバアルメールが、これだ。

ここまでのサプライズは、2014年の山本康裕よりも、2005年の菊地直哉に近いかもしれないね。

野津田岳人といえば、浅野拓磨とワンセットみたいな感じで広島が売り出した若手のホープ中のホープで、広島のジュニアユースから育っただけに、将来のチームリーダー候補としても期待していた選手だと思う。
それが、昨年のクラブW杯で負傷した影響で、今季は出場機会に恵まれていなかった。
クラブ生え抜きの期待の選手が、出場機会を求めてレンタルで新潟へやって来るパターンは、氏原の頃から変わらない伝統というか、何というか。

左利きのアタッカーで、サイドハーフもできるし、1トップもできる。
イブ、宗、武蔵、達也、ギュン、優汰にとっては強力なライバル出現といったところだろう。
この外的な刺激の与え方は、伸び悩んでいた尚紀にマツケンを連れてきたのと、よく似ている。

そうか。やっぱりオリンピックに行きたいんだな。
そうだよなぁ、一生に一度だもの。

「新潟はいいぞ。オレが行きたいくらいだ」

なんてポイチさんが言ったんじゃないかとか、

「食堂い○ばんっていう美味い店があるぞ」

と千葉ちゃんに言われたんじゃないかとか、いろいろと妄想してしまうではないかw


新潟にはリオ五輪世代の選手がたくさんいるので、よりレベルの高い切磋琢磨で成長してくれれば、新潟はもっともっと強くなれる。

コヅやマサルからのスルーパスに抜け出し、野津田ゴール!
ほーら、もうイメージ出来たぞw

野津田くん、一緒に成長しよう、強くなろう。ようこそ新潟へ。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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若い衆は使い倒されて強くなる


ナビスコカップ予選Bグループ第2節鳥栖戦は、なでしこリーグとのダブルヘッダーだった。
プレナスなでしこリーグ第1節、アルビレックス新潟レディースvs岡山湯郷ベル。11時30分キックオフに少し遅れて、スタジアムに入る。

久しぶりに見るレディースの試合は、新潟が主体的にボールを持ち、素早いパス回しでペナルティーエリアにどんどんボールを運んでいく、攻撃的なサッカー。
それでも、なかなかシュートまでいかず、課題はトップチームと同じかなぁ、なんて思いながら観ていたのだが、前半終了間際に、大石沙弥香が技ありのゴール。湯郷の固いディフェンスを、ようやくこじ開けた。
後半、宮間あやのFKからゴールに押し込まれ、1-1のドローに終わったけれど、今年のレディースは昨年まで以上に攻撃的に行くようだ。分かり合っている感が素晴らしい。
そして新キャプテン・中村“クールビューティ”楓と、右SBの小島美玖は本当にいい選手だなぁと惚れなおした。右SBは小原由梨愛が長期離脱している間に美玖が台頭してきて、より競争が激しくなりそうだ。

辛島新監督に変わったこのチームも、いいチームになりそうだね。


レディースの試合が終わったら、一旦外に出ようかと思っていたのだけれど、結局そのまま観客席にとどまっていた。
いつも一緒に観戦している相方が、ウォーミングアップピッチサイド見学に当選したので、いそいそと出かけていく。いいな〜、あのウォーミングアップ練習を間近で見られるなんてな〜。早く聖籠行きたいわ。

この日、鳥栖のスタメンには菊地直哉が入っていた。監督がフィッカデンティに代わってから、戦術と微妙に合わないところがあるのか、ベンチ入りはするものの出場機会が激減している。たぶん、今季初スタメンじゃないかな。それがたくさんの思い出が詰まっているビッグスワンで、というのは、彼にとっても思うところが多いだろうし、気合の入り方もハンパないに違いない。
そういうときのキクちゃんの怖さは、味方だったときにも分かっている。でも、負けないけどな!


アップ練習が終わった後、ピッチでは散水が始まった。この日、ハーフタイムでも散水が行われたのだが、これは達磨さんの要望だったとのこと。芝生を短めに刈ることも申し入れされているらしい。
ふと思い出したのは、去年の最終節の日立台。あのときも、試合前とハーフタイムに散水があって、そんなに水撒くのかよ、と思ったのだ。
やはり達磨さんは、パススピードにこだわる監督なんだろう。


スタメンは、仙台戦から少し入れ替わりがあったが、仙台戦と同じ4-1-4-1。一時は4-4-2との併用もしたが、達磨さんは4-1-4-1をモノにしたいという気持ちが強いのだろうなと感じる。チャレンジだね。
個人的には、慶のU-23日本代表遠征による不在もあって実現した、仙台戦に続くマサルとコヅの同時起用を観られることが楽しみだった。この2人にレオと裕紀がどんな連携を見せるのか。ハマったら相当なもんですよ、この顔ぶれは。
また、マリノス戦で感じた守田とマグの相性のよさが見立て通りなのか、もう一度確認してみたかった。


それにしても、ちょっと面白かったのは、今季ホームゲームでのスタメン発表が初めてだった選手たちのキャッチフレーズ。
ノリが「オレンジブルーのサラブレッド」で、なるほど、新潟で一番「血統」を感じさせるのは酒井家だもんな、と思ったのだが、笑ったのはコヅのキャッチフレーズ。

「新潟が生んだ鬼才」

鬼才!鬼才かよ!w コヅは団鬼六なのかw
いや、ここで団鬼六という名前を思い浮かべる方が間違っているのは分かってますけどもw
(団鬼六が分からない方はググってくださいまし)

そして、宗は「ジェネレーター」である。えっ、「ダイナモ」の方が分かりやすくね?w


試合は、立ち上がりから鳥栖の方が攻勢をかけてきた。決定的なピンチもあり、そのたびに立ちはだかったのが守田。
開幕から不安定なプレーが少なくなかったし、失点に直結するミスもあった守田だが、マリノス戦では落ち着きがあり、立ち直り気配があった。その気配が本物になりつつあることを実感させてくれるビッグセーブを連発。
よくなかった頃は、動きすぎるきらいがあったけれど、この日の守田は無駄な動きがほとんどなく、実にどっしりとしていた。一昨年のプレーが戻ってきたかな。
この日の鳥栖は、いつもと比べて当たりがあまり激しくなかったので、がんがんブロックしてくる相手の時はどうか、という感じだが、復活するきっかけは掴めたんじゃないだろうか。

そしてコヅ。
もともと持っているパスセンスやアイディアの豊富さは誰もが認めるところなんだけれど、自ら動きながらボールを動かす、パスを出してからも動く、ということができるようになっている。見事な攻撃のスイッチ役になっていた。
試合を経験するごとに成長するなぁ。
マサルとの組み合わせは、見ていて本当にワクワクする。

この日はレオの調子はあまり良くなかったと思うのだ。疲れからか、動きに切れがなく、判断ミスも散見されたので、本当はどこかで休ませたいんだけどなぁ、なんて思いながら観ていた。
その分、レオのカバーを裕紀がしっかり務めていて、コヅとマサルがノビノビやれていたのも、裕紀の下支えが効いていたと思う。いいですね、キャプテンコバヤシ!
そして、決して出来のよくなかったレオも、得点シーンではマサルとのワンツーで、判断よく斜めに走り込んだ。ここぞというところで決定的な仕事をやってしまうところが、やはり「神」なんだと実感させられる。
(ちなみに、レオのゴールシーンでは、レオの動きにすぐに気づいて、他の選手がマサルに釣られるのをよそに、シュートコースを消そうと走り出していたのはキクちゃんなのだった。遠いところからだったので間に合わなかったけれど)
新潟の中盤の4人は、試合ごとにコンビネーションが向上している。でも、まだまだ。もっともっと響き合えたら、凄いことになると思うよ。

私がこの日、やっぱりいいなぁと思ったのはマグだった。
相手の攻勢に対しても、慌てることがない。高さが武器なのは当然だけれど、悠々と競り勝つ様を見ると、大きいことはいいことだ、というだけでは言い表せないものを感じてしまう。
マグの落ち着きは、やはりポジションを勝ち取った町田時代の経験が大きいのだろうけど、出番を待ち続けるしかなかった大分時代の経験もまた、生かされているんじゃないかとも思う。
マグの落ち着きが、守田に好影響を与えているようにも見える。DF陣とGKの連携がどんどん深まっていけば、失点は自ずと減っていくだろう。
フィードでも、1本、いいのがあった。マグのロングフィードをマサルがミドルで打ったシーン。あれはシビレた。残念ながらクロスバーだったけれどね。

もう一人、忘れてはいけないのは、宗の頑張り。
イブがコンディション不良でベンチを外れているこの2試合、イブの定位置である1トップを務めているわけだけれど、試合ごとに動きが良くなっていて、この日も攻守にポストプレーに体を張り、クロスバー直撃の強力なシュートも放った。
ヤンツーさんも宗を積極的に使っていたけれど、達磨さんも、宗に可能性を感じているのだろう。「こいつは使いたい、育てたい」と思わせるものを、日々の練習の中で見せているということだと思う。
この日も、最後の最後まで使い通したのを観て、どんなにヘロヘロになっても、貴章を最後まで使い倒し続けていた、2006年の淳さんを思い出した。
宗の動きが試合ごとによくなっている背景には、キタジコーチの指導も大きいんだろうな。


どうしても見たかった史哉の右SBを見ることができたこと、成岡さんの復活(これは本当に嬉しかった)など、数々のトピックスを残したこの試合。
1-0の勝利、今季初完封という結果。それだけではなく、実り多き試合だったと思う。

このチームの方向性がハッキリと見えた試合でもあったし、課題はまだまだ多くとも、それ以上の楽しみを感じさせてくれる。
今シーズンを語る上で、重要な試合のひとつになったんじゃないだろうか。

それにしても、試合とは関係なく、見ていて感服したのは、ゴール裏が、試合後に2度も守田ダンスをやったことである。
いやー、2時間練習したあとに1,000m走5本、みたいなもんでしょ、それはw
サポーターが疲れた体に鞭打って踊った守護神復活への喜びのダンスを、守田なら感じ取ってくれただろう。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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突き抜けるために
今シーズン初の水曜ナイトゲームは、ナビスコカップB組予選第1節、仙台戦。
3月下旬の夜のユアスタは、さぞかし寒いだろうなぁと思いながら、仕事をしていた。
モバアルのスタメンメールも得点メールも、この日はシステムの問題により配信されないということだったので、時々モバアルのテキストライブをチェックしていたのだが、開始早々に事故のような失点があってからは、とにかく新潟が攻め込んで攻め込んで、仙台が守って守って、という構図で90分が推移した、という感じだった。

スタメンとサブメンバーの顔ぶれを見ると、イブ、達也、ギュンの名前がなく、FWはスタメンに入った宗とラファのみ。
そして注目すべきところは、GKがついにゴロー初出場と、コヅとマサルの同時起用が実現したことだった。
コヅ、マサル、レオ、裕紀がピッチの上で並び立ったとき、いいバランスを保てるか、連携はどうかなどを、この試合で試すことが出来て、それなりの手応えは感じられたようなので、0-1の敗戦の中にも、収穫は得られたんじゃないだろうか。

仕事が終わったのは20時半で、試合終了の時間は車の中だったのだけれど、その後、Facebookのメッセンジャーで、Jリーグオンデマンドで観戦していた人と、試合についてチャット。
コヅとノリの印象、コヅ、マサル、レオ、裕紀の関係性についてなど、色々と話した。

コヅのパスセンスやアイディアは誰にも真似できないものだけれど、選手としてもう一段上に行くためには、もっと大きな展開やリズムを変えるパスを出せるようにならないといけない。細かいパスだけでなく、チームをギア・チェンジさせるようなパスをどんどん出せるようになったら、凄い選手になれる。そして裕紀のようにパスを出したあとすぐにスプリントしてスペースで受けるというプレーも欲しい。
コヅに対して色々と注文が出てくるのは、それだけ期待されているレベルが高い、ということなのだ。できるはずだと思われているってことなんだよね。
リーグ戦では、開幕戦でスタメン出場した以外は、ベンチには入るものの出番がない。そこに達磨さんの考えが感じ取れる気がする。達磨さんだって、もっとコヅには突き抜けてほしいと願ってると思うんだけどな。

この試合の印象は、新潟は本当に主体的にボールを持てる、回せるチームになっている、ということ。これは、去年のナビスコ準々決勝浦和戦の2ndレグ前半に実感したことと同じ。
あとは、打開の部分、フィニッシュの部分、細かいところの精度ということになるんだろうと思う。
ギュンや達也がいれば、点取れたんじゃないかなと感じてしまうので、宗にもさらなるレベルアップを望みたい。頑張れる選手なのは分かってるから。

今年のナビスコカップも黒星スタートになったが、去年も初戦負けて、その後ずっと負けなかったおかげで決勝トーナメントへ行くことができた。
去年やれたんだもん、今年もやりましょうよ。

というわけで、日曜日の鳥栖戦は必勝なのだ。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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このチームと生きていく


柏戦の3月19日は、朝から霧雨。寒くもあり、これは観客動員にモロに響きそうだなぁと思いながら家を出る。NHK地上波で中継もあるしね。

この日は、NHK新潟が宮澤ミシェルさん解説で、J-SPORTSはタマジュン&下田アナ(タマジュン使いの名手)コンビをぶつけてくるという気合の編成で、それぞれ生中継が予定されていた。
ただでさえ、「吉田達磨ダービー」という様相を呈していた上に、柏の監督が開幕3試合で交代するという緊急事態も起こっていた。下位同士の対戦だから、本来なら注目されることもない試合だったはずだが、複雑に絡み合った背景が注目されてか、報道陣の数も思った以上に多かった。

試合は、立ち上がりから新潟の選手たちの気合が入ったアグレッシブなプレーが目立ち、柏を押し込んでいく。
中でも達也の切れ味と調子の良さが際立つ。
今季になってサイドで起用されている達也だけれど、全く違和感がないどころか、むしろ合っているんじゃないかと思わせられるほど、イキイキしている。達也の攻守ともに仕掛ける姿勢に、チーム全体が引っ張られている感じがあった。
そんな中で、前半9分、先制点が達也の右足から生まれたのは、必然の流れだったと思う。

レオが相手の4番からボールを奪い、達也にパスをすると、達也らしいステップで相手を交わし、左に上がってきていたコルテースに柏DFが3人くらい引っ張られたことでできたシュートコースを、しっかりと捉えたゴール。
後に、スカパーの「Jリーグマッチデーハイライト」で、ゲスト出演した岡田武史さんが、

「田中達也のああいうプレー、久しぶりに見たね。頑張ってるなぁ」

と言っていたけれど、若い選手が多い新潟の中で、達也の存在は大きいなぁと思う。

前半の新潟は、攻守ともにアグレッシブで、今季で一番の出来だった。ボールを持ったら前を向き、相手をはがす。どんどんスペースを使う。
攻撃面では、達磨さんが志向するサッカーが、かなりのレベルで体現できるようになってきたんじゃないだろうか。
前半、他にも何度かあった決定機を1つでもモノにできていれば、この試合はもっと違う流れになっていたはずだ。

守備では、初スタメンのマグが、立ち上がりはちょっとフワフワしていたけれど、間もなく雰囲気に慣れたのか、安定したヘディングと、1vs1でも落ち着いた対応。コーチングやポジショニングのよさも目立ち、そのせいか、守田も安心してプレー出来ているようだった。
昨シーズンから安定感に欠けるプレーが散見される守田だけれど、自信を失っているというより、判断に迷いがあるという印象で、DF陣とのコミュニケーションがうまく行っていなかったことが大きいのではないかと感じていた。
この試合での守田は、今季で一番安定していた。もしかしたら、マグは守田と相性がいいのかもしれない。

後半に入ると、前半飛ばした新潟の運動量が落ち、セカンドボールを拾えなくなり、強引なパスを奪われてはカウンターを浴びる、という状況が増えてきた。
特に、達也が負傷退場してからの右サイドが狙い撃ちにされ、全く同じ形で2失点。優汰と慶の右サイドのコンビネーションや、慶のところで生まれるギャップを輪湖にうまく使われてしまったし、クロスを入れられたときの、ゴール前でのマークの受け渡しにも問題があったと思う。2失点とも、競り合うことなく相手にボールに触られてしまっている。ここは早急に改善しないと、だろう。

逆転され、柏に守りを固められてチャンスも作りにくい状況の中、刻一刻と時間が過ぎていく。
しかし、今年のチームは、簡単には諦めないというか、リバウンドメンタリティと呼べるものが備わりつつあるようなのだ。
5分と表示されたアディショナルタイムも、いつ笛が鳴ってもおかしくない頃、ボールを拾った柏がカウンターに入ろうとしたところで、ギュンが大津からボールを奪い返す。そして慶に替わって右SBに入っていたノリがボールを受けると、パワープレーで前線に張っていたマグの頭めがけてロングパスを送り、マグがヘディングシュート。それが外れたところに宗が走りこんでいて、再びシュート。それが弾かれると、そのこぼれ球をカズがヘッドで体ごとゴールマウスに押し込んだ。2-2。

絶対に追いつくんだ、達磨さんを勝たせるんだという選手たちの思いが凝縮されたようなゴール。直接関与した中に、レンタルバックしてきたノリとマグ、そしてユース出身の宗とカズがいたというのも、何かこれからの新潟の行き先を指し示すかのようだった。

90分間、お互いに強さと未熟さの両面を見せ、勝ちきれなさの理由を感じさせながら、両チームの選手やコーチングスタッフのこの試合に賭ける思いが伝わってくるような、エモーショナルな好ゲームだった。
去年の最終節の日立台もこんな感じだったなぁと、ピッチを見つめながら考えていた。
あのときも、1-1のドローだった。そして今回は2-2。ドローが妥当な試合、でもあったと思う。

試合中のジャケットプレイに象徴されるような達磨さんの熱さと(同じジャケットプレイでも、ヤンツーさんとはひと味違うのだった)、ピッチにいる選手たちとともに喜怒哀楽を共有しようとしているベンチの様子を見ても、チームは絆を強めている。
そして、試合後の両チームのコーチングスタッフによる熱い交歓風景を目の当たりにし、試合後の会見で達磨さんが、

「過去へのサヨナラ」

という言葉を使うのを耳にしたとき、何とも言いようのない気持ちに襲われた。
不本意な形で袂を分かつことになった盟友たちとの再会が、わずか3ヶ月後に実現したことに対して、その場にいた人それぞれが思うところが多いんだろうなと思うけれど、それはあくまでも第三者の憶測でしかなく、本当のところは、本人たちにしか分からないことだ。当たり前だけれど。

それでも、試合前のアップルームで円陣を組んだとき、裕紀が

「監督を勝たせよう」

と声出しをし(そういうこともあってか、この日の裕紀はいい出来だった。本来の持ち味である、自ら動きながらボールを動かすプレーが随所に出ていた)、試合後、同点ゴールを決めたカズが、

「達磨さんに『アルビに来てよかった』と思ってもらえるような試合にしたかった」

と語った、それぞれの言葉の中に、新潟の選手たちの気持ちをうかがい知ることができる。

もちろん、この試合、前半掴んだ絶好の流れを、後半まで持続できなかったことは、今後を考えれば大きな課題に違いないし、プレスがはまらなくなると、簡単にカウンターを浴び大ピンチを招く守備、クロスへの対応など、修正しなければならない部分は少なくない。
でも、得点パターンのバリエーションが増え、確実に上がっている得点力や、何より、チーム全体からほとばしる一体感は、このチームのストロングポイントなのだと思う。

私たちは、この2016年シーズンを、達磨さんが率いるこのチームと生きていく。
その覚悟と決意と幸せを感じさせてくれる試合でもあった。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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諦めないのが 僕らの道標
J1第3節、横浜F・マリノス戦。
開幕から2週連続アウェイで、3節目にしてようやくホームゲームがビッグスワンに戻ってきた。

ところが、前夜から新潟市内は雪模様で、心配になって会社帰りにビッグスワンに寄ってみた。
とりあえず雪は積もっていなかったので、このままで明日が迎えられればいいなぁと思いながら、その場を立ち去ったのだが、ビッグスワンを離れて間もなく、突然の吹雪に見舞われた。
中央分離帯や歩道がみるみる白くなっていく。えええええええ。ちょっと勘弁してくださいよ〜〜。

翌朝、外を見ると、屋根や庭木がうっすらと白くなっていた。
え〜〜、ちょっと待て、と思ったのだけれど、地面には大して積もっていなかったので、これから天気予報通りに晴れてくれれば、意外とあっさりと雪は溶けるかもしれない。
果たして、間もなく青空が広がり、日差しが出てくると、私が家を出た10時過ぎには、ほとんど雪はなくなっていた。




すっかり快晴のビッグスワン。気温は低いものの、清々しいまでの晴れ。
知った顔に会うたびに、

「あけましておめでとうございます。今年もよろしく!」

と挨拶しあう。ようやく、新潟にもJリーグの春がやってきた。


キャプテンマークを巻く裕紀を見るのも楽しみだったが、何より、史哉のプレーを5年ぶりにビッグスワンで見るのが楽しみだった。
最後に史哉をビッグスワンで見たのは、5年前の7月の新潟国際ユース。史哉や尚紀がU-17W杯から帰ってきたばかりで、2人は新潟県選抜として出場して、見事、県選抜を新潟国際ユース優勝に導いたのだった。
当時と違うのは、5年前はSHやFWで攻撃的なポジションだった史哉が、今回はまさかのCBということであるw

キックオフの1時間半前くらいにバックスタンド2層目のいつもの席へ行くと、相方が早速「達磨ウォッチング」にいそしんでいたw
彼女の目撃談によると、達磨さんがアップルームからピッチの方に出てきては、芝生の感触を手で確認したり、誰かと挨拶したり、やたら動き回っていたらしい。
何だか、初めてのホームゲームにジッとしていられない、遠足前の小学生みたいじゃないのw

そして、バックスタンドからはメインスタンド下のアップルームがよく見えるのだけれど、その中に、ビブスを身につけた新潟の選手たちがウォーミングアップを始めているのが見えた。
監督が達磨さんになって、安田コーチがトレーニング担当になって、試合前のアップ練習がどう変わるのかを観てみたいと思っていたが、選手たちがピッチに姿を現すと、昨年までの違いが鮮明に分かった。
昨年までは、アップ練習の冒頭はまず素走り。ところが、今年はいきなりボールを使ったパス交換から始まるのだ。どうやら、まず屋内で前準備をやってしまって、ピッチではボールを使うことから始めるという手順のようだ。
それを見るだけで、監督やコーチが変わるというのは、こういうことなんだなぁということを実感。早く聖籠で練習が見たい。

試合前のキャプテン同士によるコイントスを、裕紀がスッカラカンに忘れて呼び戻されるという珍事があったものの(中村俊輔を待たせるとは、なかなかいい度胸してるじゃないかキャプテンコバヤシw)、そんなこんなでキックオフ。

新潟は、立ち上がりから、ポゼッションでは新潟とマリノスはそんなに大差がなかったと思う。お互いに様子見もあってか、動きの少ない立ち上がり。
マリノスは、新潟のボールホルダーに対して徹底してチェイシングしてきた。とにかく簡単にはカウンターを発動させない、という狙いだろうか。
前からのチェイシングで新潟のミスを誘い、ボールを奪うとカウンターを繰り出してくる。なんか、ウチがやりたいことをマリノスにやられてる感があった。
とにかく、マリノスは相当綿密なスカウティングをしてきているのが分かった。そこはさすがにモンバルエツ、なのだった。

湘南、神戸にしてもマリノスにしても、新潟のストロングポイントを消す対策をしっかりしてきている。
新潟は、ボールは保持するものの、なかなかボールをペナルティエリア内まで運べず、シュートに持ち込めない、もどかしい展開が続いた。

そんな中、前半25分、史哉が富樫からボールを奪おうとしたところで入れ替わられ、そのままシュートを打たれ先制されてしまう。
ずっと、CBとしては小柄ながら、素早く的確な判断と、迷いのないプレー選択で、ピンチの芽を摘んできた史哉にとっては、痛恨のミスだっただろう。しかも相手が同じ大卒ルーキーの富樫だったから、悔しかったんじゃないだろうか。
これからは、相手は史哉を狙い撃ちにしてフィジカル勝負に持ち込んでくるに違いない。そのためにも、史哉はより一層、プレー選択ミスは許されない。賢い選手だから、同じ失敗は繰り返さないだろうけれど。これから正念場だ。でも、それは成長するチャンスでもある。

もちろん、失点の原因は史哉だけの問題ではなく、簡単に中央突破を許してしまうディフェンス全体の問題だと思う。
まだきちんとしたゾーンディフェンスが身についていないから、とも言えるけれど、ゾーンだろうとマンマークだろうと、ボールホルダーへのアプローチは、もっと厳しく行かないといけないんじゃないだろうか。
そこは、選手たちの意識をもっとハッキリさせる必要があるんじゃないかと思う。

この前半、ラファが相手と掴み合うシーンがあってイエローカードを貰ってしまう。結果的に、これがこの試合の伏線になってしまったわけだが。

前半はそのまま終わり、さて、マリノスのディフェンスを崩すにはどうしたらいいのか、違いが作れるプレーができる選手がほしいなぁ、なんてことをつらつらと考える。

後半の立ち上がり早々、新潟がCKのチャンスを得た。
裕紀がショートCKでボールを入れ、リターンを受けて、ゴール前へマイナス気味のクロスを蹴りこむと、ラファが頭で合わせて同点。
おお、キャプテンコバヤシ、今季初アシストじゃないですか。
試合前のカナール脇で、静岡からやってきた裕紀サポさんと、

「そろそろ裕紀のアシストが見たい」

という話をしていたのだが、ついにその通りになった。ちょっとホッとする。これで本人もいいきっかけを掴めればいい。
同点に追いついたことで、新潟の攻撃に勢いが出てきて、マリノスもカウンターで応戦。前半動きが少なかった試合が、一気に動き出す。

一進一退の中にあった後半17分、相手ペナルティエリアにボールを持ち込んだラファが倒れ、これがシミュレーションを取られてイエロー2枚目。退場。
熱を帯びてきていた試合が、ここで流れが変わった。
残り30分以上を残す時間帯での数的不利は、新潟にとっては相当厳しいものだった。

それでも、集中した守りでピンチを凌ぎ、時折攻撃を繰り出してマリノスゴールに迫る勢いがあった新潟だったが、後半44分、3連続CKを最後に齋藤学にねじ込まれ、1-2。2連敗ということになった。


うーん、悔しい。
勝てる試合だったよなぁ。最後まで11人で戦えていれば、と思ってしまう。
ラファには、2枚目のイエローよりも、1枚目の無駄なイエローを反省してほしい。どんなに相手に挑発されようと、もっと自分をコントロールできるようにならなきゃいかん。

前半、チーム全体に前への積極性が感じられなかったのは、マリノスの対応の仕方がうまかったのが大きいと思うけれど、もっとミスやリスクを恐れず、ビシビシと縦パスを入れるとか、前に出る時はちゃんと出るとか、選手たちには勇気を持ってプレーしてほしい。
裕紀は神戸戦から立ち直った感があるが、もっとできる。守田だって、もっとできるはずだ。

10人になってからの試合運びの仕方…守るのか、点を取りに行くのかは、試合時間が残り30分以上あったことを考えると、難しい判断だったと思う。
あらゆる事態に、チーム全体が同じ考えで臨機応変に対応できるようになるには、もう少し時間が必要なのだろう。でも、そこをキャプテンが中心になって、いい方向へ持って行ってほしい。
それができるようになれば、このチームは本当にいいチームになる。色々な形で点が取れるようになっているしね。選手一人ひとりの成長が、チームの成長へと繋がっていく。


GReeeeNの楽曲で、NHK「アスリートの魂」のテーマソングとして使われていた「Green boys」という曲が好きなのだが、このサビのフレーズは今年の新潟のテーマにしてもいいかもしれない。


僕ら何度でも何度でも 立ち上がるから
越えて行くんだろ? いつも信じてるから
僕ら何度でも何度でも 立ち上がれるさ
諦めないのが 僕らの道標



さあ、次節もホームゲーム、柏戦だ。達磨さんとしても、心に期すものはあるだろう。
…なんて言ってる間に、なんと、柏はメンデス監督が3試合目にして辞任し、下平ヘッドコーチが監督に昇格するという。なんじゃそりゃー。
(表向きは、メンデス監督の家族の健康問題ということになっている。表向きはね。)

しかも、当日の中継はJ-SPORTS、解説はタマジュンだという(てことは、実況アナは下田さんか)。
これは何かが起こる予感しかしないw

ラファがいないけど、勝って達磨さんを男にするしかないね。なんか自分の中で無駄に盛り上がってまいりましたw
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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ホーム開幕戦前日
今シーズンのJリーグか1週間前倒しになったおかげで、J1で唯一、2週連続でアウェイスタートになりました。

ようやく、明日ホーム開幕です。

私も平塚と神戸へ行かなかったので、明日がシーズン開幕です。

ようやく、達磨さんが構築し始めているチームが観られるんだなぁ。

本当にワクワクします。

明日、ビッグスワンでお会いしましょう!
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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このチームの可能性
気がつけば、神戸戦から4日も経ってしまった。いや、別に現実逃避してたわけではないんだけれどw

神戸戦といえば、去年は神戸ユニバー競技場まで観に行って、見事な逆転勝ちを見届けたので、悪いイメージはほとんどない。
そうか〜、やっぱり私が行かなかったのが悪いんだな。絶対そうだ。そういうことにしようw

同じ日の昼間にスカパーで観た湘南vs川崎が、取られたら取り返す4-4という壮絶な撃ち合いで、久々に観た○カ試合だったのだが(褒めてます)、神戸戦もお互いに撃ち合い、点を獲り合い、結果的に神戸に弱点を徹底的に突かれる形で大量失点ということになった。
いや〜、こういう時のネルシーニョのスカウティングってのは凄味があるなぁ、と敵将ながら感じ入った。

悪いとこ探しばかり始めたら、もうキリがないのだけれど(特に裕紀と守田には立ち直ってもらいたい)、これが第2節で出てきたことを前向きに考えたい。
まだチーム全体で新しい守り方に慣れていない未熟さ、というのが見えるので、時間がかかるのは覚悟の上で、しっかりと構築していってほしい。
そのキモになるのがGKとアンカーなので、そこで個人的なミスを犯したらサッカーにならない。本人たちが一番分かっていることだと思うけどね。
どうしても、守田が前へ出て来られないことが多いので、DFラインも高い位置を保てない。守田にはもっと勇気を持ってプレーしてもらいたいんだけどなぁ。

その一方で、攻撃の形はかなり特徴が出てきているんじゃないだろうか。湘南戦でポストプレーにらしさがなかったイブも、神戸戦でゴールを決めたことで吹っ切れるきっかけにはなったんじゃないかな。
見ていて、神戸の速いプレッシャーに押される場面が見受けられる中、そのプレッシャーをかいくぐってパスが繋がりチャンスになるシーンも少なくなかった。これって湘南戦でも見られたんだよね。
スペースに対する意識を基本にパスを繋ぎ、ショートカウンターに持ち込む形がもっと成熟したら、かなりいい線行きそうな気がする。攻撃力をさらに高めるためにも、守備の安定も必要不可欠なわけだけれど。やっぱり、いい攻撃はいい守備から、なんだよね。

あとは、達磨さんや選手たちのコメントにもあったことだけれど、試合運びも、もっと大人にならなければいけないだろう。

後日、キタジコーチがTwitterでこんなことをつぶやいていた。


「本当に弱いチームなら0-2から逆転なんてできないだろうし、本当に強いチームなら3-2に逆転したら勝ち切れるだろう。
まだまだ色んな部分で発展しなければいけないけれど、一人一人が強いチームになるための振る舞いを間違えなければ、俺達は必ず強いチームになれる。」


この“振る舞い”という言葉に、色々なことが込められているんだろうなと感じる。選手一人ひとりの振る舞い。そしてサポーターの振る舞い。
強くなるために、成長するために、変わるために、今何をしなければならないのか、そこを見誤らないように。長いシーズン、しっかりやっていこう。


月曜日、帰宅したら届いていたのがこれ。



到着しましたよ、「小針の星」のユニが。
今シーズンのユニは、1stがキャプテン、2ndが小針の星の二本立てなのだ。

 
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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