2016年04月の記事 | ぐっちいのスポーツを読もう!
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歩みを止めちゃ変われない
名古屋戦は、テレビの前に座れたのが前半10分過ぎくらいになってからだった。
スタメンメールによれば、FWに豪が入り、CBにマイコーが今季初出場、とのことだった。レオが出場停止、前節出場停止だった裕紀が復帰、右SBの位置に慶が入る。
ベンチメンバーを見ると、ノリとコヅがいない。あれ?ノリはモバアルの前日コメントで意気込みを語っていたよなぁ?急遽外れたということは、何かアクシデントでもあったのだろうか。

試合は、本当の立ち上がりくらいは新潟もいいところがあったのだが、徐々に厳しくプレッシャーをかけてくる名古屋の勢いに押されるようになり、簡単にパスミスを犯してしまう。
見た感じでは、名古屋のプレッシャーが他のチームと比べて格別厳しかったわけでもないと思うのだが、レオがいないせいなのか、ちょっとプレッシャーを掛けられた程度で焦ってしまうのだ。
裕紀、マサル、カズという、このメンバーでは中心としてドーンと構えたプレーをしなければならない選手たちが、そのような状態に陥っているのを見ると、これは容易じゃないなぁと思うしかなかった。

失点シーンも、裕紀、マサル、カズがどこかで絡んでいたので(ピンチの起点になるパスミスやボールロストなど)、これがヤンツーさんだったら、3人とも途中交代させていたんじゃないだろうか。

それでも、達磨さんはこの3人をいじらなかった。90分使い通した。もちろん、達磨さんのサッカーに欠かせないピースだから、使えるなら最後まで使うという考えだったかもしれない。
でも、ある意味、途中交代よりも厳しいかもしれない、と思った。

このチームは若い選手の多さがクローズアップされがちだけれど、チームがもっと上を目指していくためには、一番変わらなければならないのは中堅なのだ。だから、達磨さんは裕紀をキャプテンに、カズを副キャプテンに任命したはずだ。
柏戦前のJ-SPORTSのロングインタビューで達磨さんが、

「日本人選手が経験を積んで、日本人選手が『俺たちが変わっていくんだ』という強い意志を持って、自分たちで変化を起こそうとしなければ、いつも隠れて脇役をずっと続けて行くようなことでは、おそらく新潟って上がって行けないのではないか」

と語っていたように、レオ不在のこの試合こそ、自分たちの真価を発揮する場にしなければならなかったのだ。
彼らは、変わるチャンスをみすみす逃した。このツケは、必ず後で払わなければいけないんだよ。
やっぱりレオがいなくちゃダメな奴らなんだなんて思われていいのか。よくないに決まっている。

そんな中で、落ち着いたプレーを見せていたのは慶や豪といった若い選手たちの方だったのは、救いではあった。

豪は、なかなか試合に絡めない日々が続いていたが、名古屋戦前のトレーニングでFWとして試されていた。達磨さんも、豪が能力を発揮できる適正ポジションを探っていたようなフシがある。
足元のテクニックの高さから、パスの出し手と思われがちだけれど、去年の松本戦のミドルシュートでも分かるように、得点能力が高くパスの受け手として能力を発揮するタイプのようだ。それが、この試合でも1点差に迫る、技ありのループシュートに繋がった。
アタッカーとしての力があり、さらに前線でゲームメイクもできる。成岡さんのような選手に育ってほしい人材だと思う。


試合後。ゴール裏に挨拶へ赴く選手たちの後ろ姿がテレビ画面に大写しになり、ゴール裏のメンバー(ってktmr師匠ですが)が凄い形相で叱咤激励をしている表情が写った。
もちろん、誰より悔しいのは選手だが、どんな思いでサポーターの声を聞いたのだろう、と思いながら見ていると、裕紀の表情が写り、泣いているように見えた。
もしかしたら、泣いていたわけではないのかもしれない。でも、何か湧き上がってくる感情を抑えきれないような、そんな顔をしていた。こんな表情をする裕紀を見るのは初めてだった。試合後のコメントを読むと、自分のミスが失点に直結してしまったことを自責する言葉が並んでいたので、自分自身に腹を立てていたのかもしれない。

GReeeeNの「Green boys」にはこんな一節がある。


「悔しくて 涙することあるんだろうけど 歩みを止めちゃ 変われないだろ」


悔し涙を流すのはいい。でも、本当に大切なのはその後なんだ。
自分たち自身のプロサッカー選手としての未来のためにも。
それだけは、言っておきたい。


そして、私自身の達磨アルビに対するスタンスも、以前書いた通りで変わらないということを、改めて書いておきたい。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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深まる季節と変化しつつあるチーム
対戦相手の広島がACLに出場する日程の関係上、金曜19:30という変則的な試合になった15日。前日に熊本地震が発生。熊本市内や鹿児島、佐賀に親戚がいて、大分や福岡に友人知人がいることもあって、とても落ち着いていられない状況での試合だった。

当然、広島へもリアルタイムでのテレビ観戦も難しい状況だったのだが、某所でテレビ観戦していた人と、エディスタへ行っていた広島在住の知人(広島サポではない他サポ)と、メッセンジャーやLINEでやりとりをしながら、状況を伺っていた。

スタメン発表での注目は、GKが守田から吾郎に代わったこと、そして裕紀の出場停止に伴う、中盤〜前線の選手の並びがどうなるか、だった。
後に録画で見たスカパー中継では、新潟のシステムを4-4-2と言っていたけれど、見たところ、スタートからギュンの1トップ、慶のアンカーによる4-1-4-1のだったようである。

この日の新潟の戦い方は、いつもと違ってvs広島仕様というか、去年までの広島戦とはちょっと違う印象を持ったのだが、それを「広島にそういう風に仕向けられた」と感じるのか、「去年までと違って丁寧にサッカーをしている」と受け止めるのかで、随分変わる。

スタジアムで久しぶりに新潟の戦いぶりを観たという知人の感想は、

「何をチームでやりたいか、丁寧に全体を使って試合を組み立てようという意図が見えた」

というもので、個人のスキルがレベルアップして、コアになる選手がもう一人二人いれば、新潟は変わるんじゃないか、という意見だった。ふーむ。
結果的には、不運な形での失点による0-1の敗戦だったが、正GK交代の分水嶺になる試合になったかもしれない、と思わせられる吾郎の頑張りや、ナビスコ川崎戦での苦い経験を糧に、2度目のアンカー役を堂々と務めた慶、慶同様ナビスコ川崎戦でのミスを挽回しようと、ミスはあったものの光るものを見せてくれたノリ、1トップでもイケるところを見せたギュンなど、今後に繋がる新たなものは、いくつも見受けられた。
ラファの位置は、1トップでよりゴールに近いところでパワーを発揮してもらう方がいいのか、ワイドな位置でスピードを活かす方がいいのかは、なかなか難しいところだと思うけれど、今回に関して言えば、広島はラファのスピードを相当嫌がっていたように見えた。

愚直に「自分たちのサッカー」を貫こうとするだけではなく、「相手が嫌がるプレー」をする。
この試合での新潟には、そんな新たな一面を感じさせてもらった。

「もしかしたら、吉田さんで化けるかも。北嶋もいるし。もうちょっと見守った方がいいと思いますよ」

最後に知人が語ってくれたチームの印象を、そのまま具現化できたら。それでも、ゴールに向かって同じ絵を描けるようになってきているチームの歩みに、確かに積み重なっているものの存在を実感する試合でもあった。


日曜日、チューリップの名所でもある寺尾中央公園へ行ってみた。



満開ではないけれど、公園の主役になりつつあるチューリップたち。




その傍らで、風に散りゆく桜。




菜の花たちと仲良く咲くチューリップ。

新潟の春も、確実に深まっている。
穏やかな日常が、1日でも1時間でも早く訪れますように。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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3年ぶりの磐田との再会は


出かける電車の中で、すぐそばに立っていたカップルの会話が耳に入る。
どうやら、お花見デートで鳥屋野潟方面へ行くことにしていたらしい。

彼女「混んでるかなぁ。あのあたり、あんまり広々してないよね」
彼氏「うーん、ガラガラじゃないと思う……あのさ…よかったらスタジアムへ行ってもいい?」
彼女「えーーー」

果たして、彼氏は彼女を説得できたのか、その後の展開が気になるのだがw


ビッグスワン周辺は桜が満開だった。
試合も、この風景にふさわしい、晴れやかな内容を期待したかったのだが…。

試合の入りは悪くなかったし、前半は新潟が主導権を握る展開だった。とても負けるような試合ではないと思っていた。少なくとも、後半立ち上がりにラファのゴールが決まった時まではそう思っていたし、最初のPKを取られて同点に追いつかれたところまでも、時間があるんだから勝ち越せばいいんだと思っていた。

しかし、2本目のPKは、守田の判断ミスによるもので、不可解さを残すものであり、ゲームを完全に壊してしまった。
なぜ、そこで飛び出す。なぜ、そんなに焦る…。
こういうミスを去年あたりから繰り返すようになった原因は何なのか。それがメンタルの問題であれば、少し休んで外から試合を見る機会を作った方がいいのではないだろうか。
このチームは、慌てる必要のない場面で慌てたり、焦らなくていいところで焦ったりするところがある。それを象徴する存在がGKだというのは、なかなかツライ。

まさに「自滅」の2文字に尽きる試合。うーん、困った。


この試合で改めてビックリしたのは、磐田の名波監督の超がつくようなリアリストっぷりだった。
まさかジュビロ磐田が、ロングボール放り込みサッカーを徹底してくるとは、名波が現役だった頃にはとても想像できなかっただろう。
名波は、本当にやりたいサッカーをきっぱり封印して、今のチームの現在地と、何ができて何ができないのかを把握した上で、あれだけ割り切った戦術を選手たちに徹底させているように見えた。そのあたり、ちょっとソリさんに似ているかもしれない。

達磨さんは、今のチームに手応えを感じている部分が大きいので、まだそこまでの割り切りをする気はないのかもしれない。達磨さんは淳さんっぽいな、と感じることがあるのだけれど、淳さんも、チームが苦しい状況の時には、割り切って勝ち点を獲るためのサッカーを選択していた。達磨さんにそれができるのか、注目したいと思う。


次節は今週の金曜日。4連戦の最後になるアウェイ広島戦。
裕紀が累積警告で出場停止で、野津田は契約の関係上出場できない。広島も大敗した後の試合になるので、ホームで負けられないと思っているだろう。
失くした勝ち点は戻ってこないのだから、ここはもう前だけを向いて、ある程度の開き直りも必要なんじゃないだろうか。



ところで、私はもうスタジアムの外へ出てしまっていたので見ていないのだけれど、試合後、新潟の選手たちがゴール裏の挨拶を終えたタイミングで、コースケが新潟ゴール裏に挨拶に来たという。
がっくり来るような敗戦のあとにコースケが挨拶に来たので、サポーターの反応もかなり複雑な感じだったようだ。仕方ないよね、それは。

後に聞いた話では、コースケは新潟サポーターに挨拶できずに磐田に戻ったことをずっと気にしていて、今回、新潟遠征に出発する際に、

「ちゃんとゴール裏のサポーターに挨拶してくる」

と言い残して行ったという。
まぁ、その、試合が試合だっただけに、サポーター側に受け止める心の余裕はあまりなかったと思うけれど。

その一方で、ギュンも磐田のゴール裏へ挨拶に行き、新旧キャプテンは姿を見せなかったとのこと。
それぞれの思いが交錯する磐田戦なのだった。


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この悔しさから繋がる未来


0-5かぁ。

昔からこの手の敗戦は何度も何度も喫していることもあって、どこか既視感のある試合だった。
淳さん体制初年度も、0-6とか0-7とか、あったもんな。
ナビスコカップで言えば、2009年のアウェイ広島戦での1-5以来のスコア、という感じだけれど、2010年にホームで京都に1-4で敗れた試合を思い出すなぁ、と思いながら観ていた。

あの時、確か鈴木大輔がプロ初スタメンで、京都の柳沢やドゥトラにチンチンにされたのだったが、最後の最後で、セットプレーからヘディングでプロ初ゴールを決めたのもその試合だった。決してカッコいいゴールではなかったけれど、大輔の意地を感じた。
思えば、あれが大輔のプロサッカー選手としての実質的スタートだった。
そんな彼は、今はスペインにいる。


この試合は、随所に達磨さんの狙いが見えていたと思う。

アンカーに慶を起用したこと、そしてノリと前野の両SBを90分間使い通したこと。

4-1-4-1でスタートした布陣。達磨さんのサッカーで最も重要視されているポジションといえばアンカー。そこに成岡さんではなく慶を起用したのは、慶のアンカー適性を見たかったこともあるだろうし、裕紀に続くアンカー役に目処をつけたいということだったのではないか。
残念ながら、それは成功したとは言いにくい。トイ面にことごとく勝てなかった両SBのケアに忙殺されたこともあるけれど、前半途中から、そして後半スタートから4-4-2にシステム変更し、マサルと裕紀を立て続けに投入されてからの慶が、やりやすそうにプレーしていたのを見ると、やはり慶にアンカーは荷が重かったか、と思った。
もともと考えてプレーするよりも、本能でプレーするのを得意とする慶には、両サイドのケアやCBとの連携、さらには攻撃の起点になるなど、360°を瞬時に判断しながらプレーしなければならないアンカーは、あまり向いていないのかもしれないなぁ、と。


ノリと前野については、立ち上がりから川崎にサイドを蹂躙される大元となってしまっていたのは、見ていて辛かった。ノリが小宮山に文字通りチンチンにされていたのは、本職と非本職の差もあって仕方がない面もあるのだが、やっぱり厳しい。
達磨さんも、それを見て取って、前半の早い時間帯から史哉にアップさせていたので、少なくともハーフタイムで交替するのかと思ったら、結局90分使い通した。ヤンツーさんだったら、前半途中くらいで交替させたかもしれない。そこを最後までやらせたところを見ると、やっぱり達磨さんはある意味ヤンツーさんより厳しい人なんじゃないかという気がする。淳さんに似た匂いを感じるのは、そういうところだったりもする。
前野については、ベンチにコルテースはいたものの、アップの強度をあまり上げなかったところを見ると、出来る限り90分使うつもりだったんじゃないだろうか。キッカーとしての役割もあるし(キックの精度は相変わらず高かった)、コルテースを休ませたかったというのもあるんだろう。

休ませたかったという意味では、本当はマサルと裕紀も使いたくなかっただろうな。
川崎のハイプレッシャーにコヅが持ち味を削がれ、そこがボールの奪いどころになってしまっていたこと、野津田とノリの右サイドが狙われ続けてしまったこともあって、結局2人を投入せざるを得なかったのは、想定の範囲内だったかもしれないが、やはり誤算だったんじゃないかと思う。

移籍後初出場だった野津田は、オンザボールの時のプレーは目を見張るものがあった。やはり、ボールを持ったらすぐにゴールを見る、シュートを意識する姿勢というのは、新潟に足りない部分でもあるので、これからどんどん遠慮なく発揮してほしい。
ただ、やはり課題はオフザボールの動きで、そこを改善していくしかないのだろうな。


チームに合流間もない野津田は仕方がない面もあるけれど、やはり、今のチームとしてのやり方が、スタメン以外の選手たちにはまだ浸透しきっていないのだなということを考えさせられたし、せっかく掴んだチャンスをモノにできた選手がほとんどいなかったのは残念だ。
リーグ戦でほとんど使われない選手には、それだけの理由があるのだということを、改めて気づかされた試合だった。

この試合に出場した選手たちは、心底「悔しい」と思ってほしい。
自分たちに何が足りないか、川崎の選手たちが教えてくれた。
前が動いてくれなくてパスが出せないなら、あえて前線を動かすパスを思い切って出してもよかったんじゃないかとも思うし、選手個々の臨機応変なプレー選択が、まだまだ足りないということもよく分かる試合だった。
ラグビートップリーグ3連覇を果たした、パナソニックワイルドナイツの堀江翔太主将が、パナソニックの強さについて、

「誰かが想定外のプレーをしても、みんながすぐに反応できる」

と語っていたことがあった。
新潟もいずれ、そんなチームになってほしいと思うのだ。


ここから何を学んで、次へどう活かすのか。
プロサッカー選手として生き残っていくために、残されたチャンスは多くはない。
鈴木大輔のように、痛恨の試合を飛躍の糧とできる選手が何人出てくるかに、選手一人ひとりの、そして新潟の未来が懸かっている。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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いくつになっても成長途上
土曜日は、衣類の冬物春物の入れ替えも兼ねて、部屋の大掃除。
ずっとほったらかしにしていた本棚の隅っこから、いろいろと出てきた。




2002年FIFA日韓W杯のボランティア活動をまとめた本と、新潟の活動をまとめた小冊子。
これ、誰からもらったんだっけな〜。



そして、2004年9月24日付の新潟日報朝刊の切り抜き。
9月23日、アルビが3-2で広島に勝ち、J1ホーム初勝利した試合。そうなんだよなぁ、J1開幕以来、ずっとホームで勝てなかった。その頃、私のパソコンは「ホーム」と打つと、即座に「ホームで勝てない」と予測変換してくれてしまうほどだったのだw
ホームで勝つまで半年以上かかった。そして、そのちょうど1ヶ月後には中越地震が発生するという、何かと激動のシーズンだった。


そんなことをやっているうちに、あっという間にキックオフの時間になってしまった。スカパーとNHK福岡&新潟ローカルで中継があったのだが、NHKの解説が戸田和幸だったので、スカパーは録画して、NHKの方を見ることにした。

桜が満開の福岡。いいなぁ、福岡行きたい。

新潟は、加入したばかりの野津田は帯同せず、ラファに替わってイブ、右SBにはポルトガル帰りの慶が入る4-1-4-1。福岡はウェリントンの1トップで3-4-2-1でスタート。
新潟はブロックをがっちり固める福岡の守備網の中になかなか入り込めず、立ち上がりは様子見のパス回しが多い。
しかも、レベスタの芝はボールの走りが悪い上に、ボコボコしているのか、変なバウンドの仕方をすることもたびたび。いつものようにパスを回して崩していこうとしていた新潟の選手たちはかなりやりにくそうで、イメージとは違う転がり方をするボールに、当初は戸惑っているような感じもあった。
これがホームだったら、達磨さんならグラウンドキーパーに水をじゃんじゃん撒かせるんじゃないかなw

一方の福岡は、実にシンプルに、ウェリントン目がけてロングボールを送り込み、ウェリントンのポストプレーから、城後や為田あたりがスピードを活かしてPA内に侵入してくるという効果的な攻撃。いやー、タメちゃんって大分時代から好きな選手だったけど、改めていい選手だなぁと思いましたねぇ。
一番危ないシーンも、PA内に送り込まれたボールを追いかけて、為田と守田が交錯したところから生まれた。守田の左手が為田の足を払ったように見えたので、PKを取られても仕方がなかったと思うが、どうやら、家本主審の死角になっていたようで、笛は吹かれず。ふぅ、ラッキー。
ここでPKで先制点を与えていたら、試合は一気に難しい状況に追い込まれるところだった。

やや福岡に押され気味で推移した前半だったが、パスを前に出したり後ろに下げたりしながら、様子をうかがっていたのが、徐々にギャップを見つけられるようになったのか、縦パスが入るシーンが増えてきた。
このまま前半は0-0で終了かな、と思い始めた頃、コルテースのロングスローをイブがヘッドで流し、それを拾った達也が右隅に技ありゴール。スローインが直接得点に結びつくなんて、いつ以来だろうか。
達也は9年ぶりの2戦連続ゴールだそうな。それにしても、本当にここのところの達也の絶好調ぶりは凄い。
試合後のコメントで達磨さんが、

「33歳だが、ここ数週間でかなりのスピードで成長している」

と言っていたけれど、いくつになっても人間は環境やモチベーション次第ではいくらでも成長できるのだということを感じさせてくれる。
底知れないなぁ。凄い選手だ、やっぱり。一般人にとっても、学ぶべきところが多いなぁ。
野津田が入ってきたことで、さらに成長するのだろうか。

後半に入り、福岡が3バックから4バックに切り替え、攻撃的な意識を高めると、4バックになったことでスペースができると見て、追加点を目指して、達也から、よりスピードのあるラファに替えた新潟。
達磨さんは攻撃に対して、本当に思い切りがいい。普通なら、あのタイミングで達也を替えるなんてことは、なかなかできない。その「攻め達磨」たるところが、達磨さんならでは、なのだろう。
時にはそれが裏目に出ることもあるだろうが、そのチャレンジはどんどんやってほしい。

新潟には、もう1点獲るチャンスはいくつもあったが、そこをきちんと決めきれないのが、まだまだ未熟なところ。逆に、守田が目測を誤ってボールを後ろに逸らせてしまい、ゴール前に詰めていたカズだったかマグだったかに救われたシーンや、亀川に慶がぶっちぎられてサイド突破を許し、大ピンチを招いたもののシュートミスに助けられたシーンなど、一歩間違えれば…という場面もいくつか作られた。
それでも、カズとマグのCBコンビは果敢に福岡の攻撃陣をシャットアウトし続けたし、結果的に福岡のCKがゼロだったのは、コルテースと慶のポジショニングのよさでもあったかもしれない。もちろん、レオと裕紀の貢献も言わずもがな。
そういえば、マサルのディフェンスで、左から中央に絞ってきて相手からボールを奪ったシーンが目を引いた。
マサルもコヅも、使われるうちに、パスワークだけでなく、ディフェンス面での貢献も高くなってきた。達磨さんのサッカーと相性がいいのだろうか。


攻守ともに、勝負どころのミスは減ってきてはいるが、まだまだ少なくないので、そこを試合を重ねるごとに改善していくしかない。
でも、チームの成長を象徴する存在が田中達也であることが予想しなかったことだが、確実な成長や変化を見せている選手は何人もいる。むしろ、それが見せられない選手は使われないだけなんだと思う。
チーム内の競争の激化は、チームを上昇気流に乗せる原動力になる。

さて、今週は水曜日にナビスコカップ川崎戦がある。
野津田の新潟デビューはあるのか、新たにチャンスを掴む選手はいるのか。川崎のメンバー構成がどうなるか分からないが、見どころの多い試合になると思う。
前半終了後、当日券半額サービスという試みもあるそうだし、夜桜見物も兼ねて、ぜひビッグスワンへ!
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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