2016年05月の記事 | ぐっちいのスポーツを読もう!
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雨の日だって風の日だって進むから近づく


ヤマザキナビスコカップ予選Bグループ第6節、横浜F・マリノス戦。

平日夜のホームゲームは、仕事との競争になるわけだけれど、下版が1本入ってしまったおかげで、キックオフに間に合わないのは確定的になっていた。
仕事が終わったのが19時15分頃。さてスワンへ行くか、と思いながら、ふとスマホを見ると、メールが入っている。
えっ、前半7分にイブのゴールで先制だって?!早いなー。

この日のマリノスのスタメンは、右SBの位置にミカが入っていた。つまり、コルテースのトイ面、ということになる。ミカの右SBを見るのは2013年以来かもしれない。

会社を出た時間が、夕方の帰宅ラッシュが終わった時間帯だったので、日東道ではなく、バイパスでビッグスワンへ。とにかく空腹だったので、Eゲート前広場のみかづきでイタリアンを買って入ろうと思ったら、前半終了間際というタイミングで、もう店じまいが始まっていた。むむー。
とにかく何か食べるものを、という一心でスタジアムに入り、ローソンでカツサンドとお茶を買って一息ついたところで、前半終了のホイッスルが聞こえた。

E2席に入り、いつものあたりに座っている相方を見つけて行ってみると、どうも浮かない顔をしている。
「とても1点リードしている試合を見てる顔じゃないね」
と言うと、
「パッとしない試合」
とのこと。それは両チームとも、ということらしい。その中で輝きを放っているのが優汰で、もうキレキレで凄い、とも聞いた。優汰は、リーグ開幕戦でいきなり移籍後初ゴールを決めた後、試合に出たり出なかったりという感じだったけれど、ここに来て調子を上げている。それは後半が楽しみだなぁ。


そして、後半。前半は帰宅してから録画で見たけれど(先制ゴールのシーンは、優汰のドリブル突破、DFを2人引きつけた成岡さんの動き、そしてちゃんとあの位置に入り込んでフリーになったイブと、素晴らしいプレーが3つ繋がった結果でしたね)、実際にスタジアムで見たのは後半だけなので、この試合の印象は後半に集約されている。

お互いにミスが多く、それが「パッとしない」という印象になっているということはすぐ分かったのだが、特にマリノスにミスが多い。確かに俊輔はいないし、富樫はトゥーロン行ってるし、というのはあるにしても、なぜあんなにプレッシャーを掛けてこなかったのだろうか。
だから、比較的新潟の方が自由にボールを回せて、マリノスを自陣に押し込む時間帯が多かったので、あそこで追加点を取れば、決まった試合だっただろう。

それが、いい時間帯に得点できず、逆にミスでボールを失い、ピンチを招き、無理なファウルで余計なFKを与え、ゴール前の混戦でイーブンになったボールを上手くクリアできなかったところを、マリノスの仲川に蹴り込まれてしまい、同点。
どうにも悔いの残る失点になってしまった。
(しかし、いつも思うのだけれど、仲川はいい選手だ。大学サッカーのスターでしたけれどね)

その後も、新潟には勝ち越すチャンスが何度もあったのだが、決めきれず試合終了。
勝てば準々決勝進出に大きく前進できただけに、本当にもったいない引き分けにしてしまった。決定的なチャンスをいくつも外したイブは悔しいだろう。でも、乗り越えていかなければね。
それでも、Bグループが大混戦になっていて、鳥栖以外の6チームに勝ち抜けの可能性がある状況で、まだまだ可能性がある。予選最終節の福岡戦で勝って、他会場の結果を待つ。やるべきことがハッキリして、逆にスッキリしたかもね。


試合後に話をしたことなのだけれど、今年のナビスコカップを見てつくづく感じるのは、新潟の選手層が昔とは比べ物にならないくらい厚くなっている、という事実だった。
昔はナビスコカップでもベストメンバーで闘うしかなかったが、去年もそうだったけれど、ターンオーバーをしても戦力があまり落ちなくなった。チームとして志すサッカーが選手全員に浸透しているからできることで、監督が代わり、サッカーが変わる中でも、最後まで可能性を残す闘いができていることは、チームの進化が絶え間なく続いているということだと思う。

試合後の監督コメントを見たら、達磨さんのこんな言葉が目に入った。

「当初はまったく声をかけ合うのではなく、なぜかひとりひとりが一生懸命サッカーをやっているようなチームでした。ただ、やっとサッカーらしく、それぞれが声をかけ合ってやれるようになってきたからには、声をかけ合いリスクを管理すること、『今、何をしなければいけないか』を事前にお互いが話し合っていけるようなことをしなければなりません。 」

「ひとりひとりが一生懸命サッカーをやっている」けれど、声を掛け合ったり、助け合ったりするチームプレーが少なかったのが、昨シーズン大苦戦した一番の要因だったと思うが、達磨さんはすぐにそれに気づき、早い時期からその課題克服に着手したのだろう、ということがよく分かる言葉だと思った。

ひとりひとりがそれぞれに、だけではなく、チームという塊として成長し続ける。
このサイクルは絶対に失ってはいけないのだと、強く実感させられる言葉だった。




ところで、ローソンブースでは700円以上買物をするとポストカードが貰えるのだけれど、この日のポストカードはこれだった。
柏戦の達也のゴール直後。お気に入りのショット。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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ゲームコントロール


土曜日、川崎戦。
この日はナイトゲームだったこともあり、午前中は人を乗せて聖籠へ試合当日の居残り組練習を観に行っていた。
試合当日の聖籠へ行くのは、10年ぶりくらいかなぁ。確かあの日はアルウィンでの甲府戦当日で、雨が降っていて寒かった記憶がある。居残り組の中に海本幸治郎がいて、

「あぁ、あなたはここにいちゃダメでしょう…」

と、何とも切ない気分になったのを思い出す。試合のメンバーに入れなかった選手たちの練習風景は、色々な思いが交錯する。

しかし、練習が始まる少し前にCピッチへ行ってみると、すでにコーチングスタッフがボールのパス回しで盛り上がっている(当然のことながら、達磨さんは不在)。とにかく楽しそうだ。
アウェイの試合当日であれば、片渕コーチがひとりで居残り組の面倒を見るらしいが、ホームのナイトゲームなので、全員揃っていた。
改めて、若いなぁ、今年のコーチ陣。この中で、もっくんが最年長だというのが、なにげに凄いw

間もなく選手たちも姿を見せ、武蔵やマツケンも元気そうだ。あの2人がいると、抜群に聖籠の雰囲気が明るくなる。
練習は、ほぼ片渕コーチ主導で行われ、シュート練習では、真ん中からのパス交換からの形と、クロスに合わせる形の両方をやっていた。居残り組にはユース出身者が複数いたので、フチさんの指導を受けている様子を見ると、なんだかユースの練習を見ている感覚になった。
クロスの上げ役はマツケンで、北嶋コーチも加わり、実に盛り上がるシュート練習になった。キタジのシュート、生で見るのはいつ以来かなぁ。
北嶋コーチは、シュートを外した時の悔しがりようがハンパではなく、現役時代もあんな感じだったのかな、なんて思ったりした。

武蔵とマツケンは長期故障明けから、ようやく練習に完全合流できるようになったばかりで、達磨さんのサッカーをまずは頭と体に落とし込む作業を始めたところだと思う。どれくらい短期間で試合に絡むところまで行けるかが、これからの勝負なんだろう。ここを乗り越えなければリオ五輪は見えてこない。

この日のギャラリーの中には、どう見ても川崎サポの人たちがいて、練習終了後、ファンサゾーンで選手や北嶋コーチを捕まえては、持参した色紙やオフィシャルハンドブック(もちろんアルビのですよ)にサインをもらっていたのだった。へぇ〜〜〜〜w



そして、夜はビッグスワンでの川崎戦。
前節の浦和戦に続き、その時の暫定首位チームとの対戦になった。
新潟のスタメンは、


    ギュン

達也       マサル

  レオ  コヅ

    裕紀

前野 カズ マイコー 慶

    守田


鹿島、G大阪、浦和と続いた強豪との対戦では、4-4-2や5-4-1など、様々に策を講じてきた達磨さんだが、川崎相手で4-1-4-1に戻してきた。

立ち上がりは予想通り、川崎にボールを支配されるシーンが続き、小林悠のポスト直撃のシュートなど、ピンチはいくつもあり、それが前半30分近くまで続いただろうか。この時間帯で失点していたら、相当厳しい試合になったはずだ。
しかし、ボールを持たれ、攻められながらも、新潟の選手たちは以前のように慌てたり焦ったりする様子はなかった。確信を持ってプレーしている、そんな感じ。
こちらの前野のサイドを最初は何度となく突破されたのだが、前野が落ち着いて対応し、後半に入ると逆に前野のボール奪取からチャンスが生まれることが増えた。ここのところ、コルテースからポジションを奪っている前野だけれど、試合ごとによくなってるな、という印象。何より前野のところからチャンスが生まれるようになった。

そしてこの試合で出色の出来だったのが守田で、浦和戦でムダな動きがなくなったなと感じたそのままのプレー。
ムダに動かず、ポジショニングがよく、川崎のシュートが守田の正面に入るシーンがいかに多かったことか。
達磨さんは、

「守田にボールが吸い込まれるかのようだった」

と表現したけれど、本当にそんな感じ。素晴らしいセーブもいくつもあったし、守りの部分はほぼ一昨年の好調時に戻ってきたんじゃないだろうか。
あとは、攻撃の起点になる部分が成長すれば、と思う(この日もリスタートで急ぎすぎて、味方の態勢が整う前にフィードを出してしまい、裕紀に怒られていた)。
これからも、吾郎やクロと厳しい競争をしながら、もっと強い守護神になってほしい。

この試合では、マサルやレオのところでミスが発生することが少なくなかった。相手に完全に読まれているのに簡単にレオにパスを出すことも、レオからのパスコースが読まれていてパスカットされるのも、相手のスカウティングの賜物だと思うのだけれど、それについては今後に向けて一考の余地があるのじゃないだろうか。

それでも、チーム全体としてチャレンジ&カバーがしっかりできていたので、それが決定的なピンチになることは少なかった。ボールを持たれることが多かったが、ゲームコントロールできていたのは新潟の方だった。
むしろ、こちらの決定的なチャンスを生かせなかった方が悔やまれる。相手守備を崩すところまではできているのだ。最後のひと踏ん張りなんだよなぁ。
このゲームコントロール、新潟にとってはずっと大きな課題で、ヤンツーさんがそれを植え付けようとしながら、うまくいかなかった。それがここにきて、少しずつではあるけれど、できるようになってきたのは、ヤンツーさん時代からの積み重ねもあるだろうし、達磨さんの選手へのアプローチの仕方にも理由があるのかもしれない。もっと聖籠でトレーニングを見てみたい。


G大阪、浦和に続いて0-0のスコアレスドロー。連敗しても不思議ではないカードで、コツコツと勝ち点3が積み上がった。
チームとしての成長を感じつつ、さらに勝ち点3を取って上を目指すには、選手個々のさらなる成長が欠かせない。

一歩一歩。そしてジャンプアップの時。このチームの成長曲線は、どんなカーブを描くシーズンになるのだろう。それを見ていく喜びは、何ものにも代えられない。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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最後尾から見えた景色とは
水曜日のナビスコカップ柏戦は、当然日立台へ行けるはずもなかったので、今季初めて「Jリーグオンデマンド」を利用してみた。

それにしても、スタメンメールで、DFの位置に「小林裕紀」の名前を見た時は、いろいろな意味でたまげた。

実を言うと、先日、某方とのチャットで、話が「小林裕紀CBコンバート論」になったのだ。
もちろん、言い出したのは私ではなく某方ですけどw

裕紀がCBに向いているのではないか、という根拠はいくつもあって、

・ソコソコ身長がある
・常に前を向いてプレーできる
・コーチングができる
・攻撃の起点になれる(良質なフィードが蹴られる)

おおー、もしかしたら永田充的なCBになれるかもしれないぞ、という結論になったのだった。

それをまさか実現させてしまうとは。達磨さんすげぇw

後半からはボランチに戻ったので、前半45分のみのCBではあったが、なかなかイケたと思うけどなぁ。
きっと、この45分間、最後尾から見た試合の景色は、裕紀にとって得るものが多かったんじゃないかと思う。Jリーグデビュー戦となった竜馬とのCBコンビは、再結成の機会はあるかどうかは分からないが、一つの可能性を示してくれたのは間違いない。


試合のスタートの並びは、こんな感じ、かな?

     カリウ 宗

   豪       優汰

     コヅ 成岡 

コルテース 竜馬 裕紀 巧

       吾郎



前半はプレスがはまらず、完全に柏ペースで、吾郎のスーパーセーブ連発がなかったら、間違いなく複数失点してたんじゃないかという状況だった。ここを無失点で切り抜けられたのが大きかった。

そして、先制点は後半の比較的早い時間帯に生まれた。
相手からボールを奪った成岡さんがドリブルで持ち上がり、その間に宗が左サイド方向へダッシュをすると、柏の輪湖と増嶋が2人まとめて宗に引っ張られてしまい、無人となった右サイドのスペースに走り込んだ優汰に、成岡さんが絶妙なパス。優汰が落ち着いてGKを交わし、ゴールを決めた。
宗の頑張りと成岡さんの戦術眼が効いた得点。

その後、ディエゴ・オリヴェイラのゴールで追いつかれたものの、72分、コヅのスーパーボレーが決まって勝ち越しに成功する。
このゴールも、豪が、がら空きになっていた右サイドのスペースに素晴らしい精度のクロスを入れ、そこに走り込んだ宗がヘッドで競り勝って落とし、それをコヅがボレーで叩き込んだものだった。

いやー、コヅはこういうとき持ってくなぁ〜。

豪のクロスも素晴らしかったが、またもやここで効いたのが宗のスペースに走り込む意識と頑張り。
宗はこの日の全得点に絡んだ(1アシスト)。「北嶋塾」の塾生は、試合ごとに進化している。あとは自分がゴールを決めるだけだ。


この試合は、レオと達也、マイコー、前野、マグが完全休養、マサルはベンチには入れたが使わずに済んだ。そして、カリウ、竜馬、巧の3人がJデビューを果たした中で、それぞれが頑張りと技術、戦術眼を発揮しての勝利。
この試合で、チームが得たものはたくさんあったと思う。
その意味を確かなものにするために、これからもチャレンジ、チャレンジ、チャレンジだ。
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恐れずにチャレンジし続ける
アウェイの埼スタは、なぜか雨中の試合になることが多いイメージがあるのだが、今年の埼スタは晴天。テレビ画面に映る、新潟のグリーンのアウェイユニがピッチによく映えた。

スカパー中継では、倉敷アナと、解説の福田正博さんが、浦和と新潟の対戦成績についての話をしている。
リーグ戦は浦和の19戦無敗なのだけれど(過去、新潟がリーグ戦で浦和に勝ったのは、2006年のビッグスワンまで遡らなければならず、埼スタでは未勝利だ)、苦戦ばかりで、スカッと勝ったイメージよりも、去年のナビスコカップ準々決勝1stレグのように、逆に0-5で大敗したことの方が印象に強く残っていたりする、らしい。ふーん。
確かに、ここ数年、浦和はどうにも勝てない相手という感じではなく、あー、勝てたのに!とか、もうちょっとなんだけどなぁ、ということが多い気がする。

というわけで、1stステージ第12節、vs浦和。

新潟は4-4-2かと思ったら、本来ならアンカーの慶が最終ラインの一角、右SBのマイコーの更に外側に入ることが多く、5-4-1みたいな感じになっていた。図にするとこんな感じかな。


      ギュン

   達也     宗

    マサル レオ

前野 カズ マグ マイコー 慶

      守田


ギュンのワントップのように見えるけれど、実質ゼロトップみたいなシステムになっていた。そうか、これがこの1週間に達磨さんが練った戦略か。
水曜日に聖籠へ行った時は、シュート練習には必ず4バックを立たせて、両サイドからのクロスを入れるという狙いが見られたのだけれど、あれはディフェンス的にも、浦和がどんどんクロスを入れてくるということを想定してのものだったんじゃないかと思う。

前半は立ち上がりから、浦和に主導権を握られたものの、まぁ、そこは想定内ということで、新潟の選手たちは慌てていなかった。しかし、柏木が起点となり、武藤から、裏に抜けだそうとした興梠にパスが入ったところでカズが興梠を引っ掛けてしまい、PKを取られた時は、いやー、これは困った、と思ったのだ。
簡単にPA内に侵入させてしまうと、こういうことが起こってしまう。引っ掛けなければゴールを決められていたシーンだっただろう。

しかし、ここで立ちはだかったのが守田だった。
興梠が動き出すまでジッと我慢して動かず、真ん中に蹴った興梠に対して、右方向に体は飛んだものの、ちゃんとボールを見て冷静に、残した足に当てて弾き出した。素晴らしい!
2014年に何回かPKを止めていた頃は、ギリギリまで動かなかったが、去年はやたら無駄な動きが多く、PKストップについてはほぼノーチャンスだった。
あの頃の守田が戻ってきたのか。これが自信になって、どっしりとしたプレーを取り戻してくれたらいい。

とにかく、このPKストップはビッグプレーだった。これを決められていたら、試合の流れは完全に浦和の方へ行ってしまい、取り戻すのは容易ではなかっただろう。

このPKストップを境に、新潟の選手たちは一気に落ち着きを取り戻し、攻守の切り替えからカウンターを繰り出す戦術がハマりだす。
5バック気味の守備陣形で、レオとマサルのボランチコンビとの連携もよく、浦和の宇賀神や関根といったサイドアタッカーに自由にやらせず、クロスらしいクロスも上げさせない。セットプレーの守備も安定していた。これはもう、トレーニング通りってやつだね。聖籠で取り組んでいたことが、試合で実を結ぶのを見るのは、本当に楽しい。
攻撃も、ギュンと達也がキレキレで、2人の長い距離のドリブルは、浦和は相当嫌がっていたと思う。
その流れは、前半の終わりごろから明確になり、後半は、ほぼ新潟の思い通りの試合展開になっていた。
そこで、いくつも訪れた得点チャンスを、モノにできていれば…。

いい崩しもいくつかあり、鳥肌モノだったのは、成岡さんが入ってきたあとの攻撃で、浦和の守備を崩してシュートを何本も撃ち込んだシーン。
浦和のディフェンスを何度も崩す試合をやるようになるとは、12年前の自分に教えたいくらいだw
去年は、ナビスコカップ2ndレグの前半で、浦和をパス回しで自陣に釘付けにした。確実に進化してますよ、新潟は。

お互いに得点チャンスが少なからずありながら、結局ゴールを陥れることができないまま、0-0で試合終了。
PKを止められた後の浦和は、最後の最後まで低調で、新潟には十分に勝つチャンスがあった。それをモノにできないということは、まだまだレベルアップが必要ってことだ。

ここのところ、達磨さんに使われ続けている宗だけれど、フィニッシュの部分を除けば、試合ごとに成長の跡が見られる。
これは面白いなぁ、と思ったのは、相手守備の間を縫うようにスルスルーッと入ってくるプレー。相手にしてみれば、気がつけば入り込んでこられちゃった、という感じかもしれない。
これは何かに似てるなぁ、と考えていたら、思いついたのは、元ラグビー日本代表WTB・小野澤宏時の「うなぎステップ」なのだった。
かつて、前橋育英から入ってきた吉澤正悟という選手がいて、ニョロニョロとした独特なドリブルをしていたので、勝手に「うなぎドリブル」と呼んでいたのだけれど、宗の場合はうなぎステップ。なかなかいいじゃない。
ただでさえ、裏にうまく抜けてくる動きが、師匠である北嶋コーチに似てきている。あとは判断スピードを高めることと、ゴールを決めるだけなのだ。キタジみたいな決定力がつけば鬼に金棒だ。頑張れ。


G大阪戦に続いての0-0。どちらも勝つチャンスが多くありながらのスコアレスではあるのだが、試合ごとに選手たちが落ち着いてプレーできるようになり、ゾーンディフェンスも身についてきた感がある。
行くところとそうでないところ、チャレンジするところと我慢するところ。その見極めができるようになってきた、ということなんだろうと思う。
達磨さんは試合後のコメントで、

「試合の中で選手が成長している」

と言った。
その手応えを大切に、それでもなお向上し続けること。
失敗しても、チャレンジを繰り返すこと。
足元を見失わず、そしてしっかりと上を見る。そうやって歩みを止めずに行こう。




翌日曜日。
「玉川堂創業二百周年展」開催中の、燕市産業史料館へ。
鎚起銅器の名品・名作の数々に心洗われる気分だった。あの名刺入れ欲しいなぁ〜。あのティーポットいいなぁ〜。
玉川堂の商品が芸術性を高めたのは、4代目の玉川覚平が東京美術学校(現・東京芸大)を卒業したことにも起因しているようだ。
へぇ〜。
そして、玉川家歴代当主はイケメン血統でもあるらしい、ということもよく分かったぞw
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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今季初聖籠は雨の中

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水曜日は、昼前から定期検診だったので、病院へ行く前に聖籠へ行ってきた。
なんだかんだ言って、今年初聖籠ですよ。行きたくて仕方がなかったのだけれど、なかなか時間が取れず、ここまで引っ張ってしまった。

天候は雨。さらに南風が強く、なかなかヘビーなコンディションだった。これ、風が北風だったら、ベラボーに寒かったんじゃないかなぁ。

Cピッチへ行くと、コーチングスタッフによる準備が着々と進んでいて、片渕コーチと目が合ったので「おはようございます」とご挨拶。
そして、コーンを設置している安田コーチとも目が合ったら、向こうからニコッと微笑んでくれて「おはようございます!」。
さ、ささささささ爽やか〜〜

トレーニング内容をどこまで記述したらいいか分からないので、適当に割愛するけれど、いやー、去年までと全然違う!

今までと違って、明確にフィジカルコーチという役職を置かず、トレーニング担当コーチとして、安田コーチ(弱冠31歳!)が就任したわけだけれど、ウォーミングアップトレーニングの考え方が、過去の歴代フィジカルコーチと全然違うんだなぁと感じた。
ガンガン走らせて追い込むのではなく、むしろスローな動きで、途中で静止する動きを入れたりして、体幹を強化するメニューが豊富だなと。
ダッシュのときも、安田コーチは、

「70%くらいで!」

と声をかけていた。
ボールを使うトレーニングを通じてフィジカルを強化するという考え方だとは聞いていたが、なるほどなぁという感じ。うわさに聞く「戦術的ピリオダイゼーション」の一端を垣間見た気がする。
前節のG大阪戦では、ガンバの選手よりも倍くらい走れていたので、理にかなったトレーニング理論なのだろう。


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その後、パスコーディネーショントレーニングからは、北嶋秀朗コーチの担当で、達磨さんが口を出すことはなかった。役割分担が明確。

このトレーニングも面白かったな。対浦和を意識したメニューだったと思うけれど、何をやったかはナイショだw


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その後、ピッチの3分の2くらいを使っての実戦練習。ここからは達磨さんが主に指導。
そして最後のシュート練習は、必ずDFを立たせてのもので、攻撃陣にも守備陣にもいいトレーニングになっていたんじゃないだろうか。

ちなみに、一番カッコいいゴールを決めてたのは豪だった。
豪は華を感じるゴールを決めるなぁ。あれは、イケメンゴールと名付けることにしようw

嬉しかったのは、まだ部分合流ではあるけれど、武藏とマツケンがみんなと一緒にやっていたこと。
シュート練習では、1年ぶりくらいに、マツケンが右サイドを駆け上がってクロスを上げる姿を見た。
あーーーー、ここまで戻ってこれたんだなぁ。ちょっと感動。
武蔵はリハビリトレーニングの成果か、下半身が太くなっていた。

シュート練習を最後に全体練習が終わり、ここで私はタイムリミット。
居残り練習にもファンサにも間に合わなかったので、帰り際、キャプテンに一筆書いたものをクラブハウスに預けた。

ああ〜、いいもん見た。面白かった。

一つ一つのメニューに明確な狙いが感じられるトレーニングで、見応えがあった。
本当は、平松宗と北嶋コーチのマンツーマン居残り練習も見たかったんだけどな。
やっぱり、聖籠に行かないと分からないことが、たくさんある。
次回は最後の最後まで見ていきたいと思うのだけれど、さて、いつになりますやら。
author:ぐっちい, category:アルビレックス
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まだ道は途中



GWの過密日程で、あっという間に次の試合が来てしまい、甲府戦と鹿島戦を書きそびれてしまった。
書きたいこと、いっぱいあったんだけどなぁ。

この2試合で実感したのは、ウチのチームは、裕紀やカズ、マイコー、守田、マサルら中堅どころがしっかりしないと勝てない、ということだった。
慶やマグのような若手が物怖じせず堂々とプレーしている一方で、中堅が相手のプレッシャーに慌てたり焦ったりしてしまう。これはどういうことか。
逆に言えば、中堅どころがしっかりすれば、チーム全体もしっかりするんじゃないか、というのが、甲府戦と鹿島戦を通じて感じたことだった。


で、迎えたG大阪戦。

駅南に掲揚されたばかりのオレンジバナー(新デザインになりましたね)を眺めながらスタジアムへ行き、ゴール裏でのビッグジャージの掲揚と2層目からバンデーラを1層目に張る演出に、サポーターの思いを感じながらキックオフを迎えた。



試合は、4-4-2でスタート。宗とギュンの2トップである。
お互いに攻め合う展開で、チャンスの数は新潟の方が圧倒的に多く、カズ、マグ、マイコー、前野のDF陣はしっかり宇佐美やアデミウソンといった攻撃のタレントたちに対応していたし(宇佐美対策として右SBにマイコーを入れた采配は的中したと言っていいと思う)、レオと慶を中心に全体的に距離感がよく、守備も連動していた。
攻撃もそうだけど、いい守備にはいい距離感が欠かせないと実感する。ゾーンであれマンマークであれ、正しいポジショニングといい距離感がキモであることに変わりない。

この試合、出色の出来だったのが宗だった。ポストプレーやディフェンスに体を張り、どんどんスペースに入り込んではパスを受ける。ガンバの守備陣も、宗の動きをなかなか捕まえきれず、相当嫌がっていた。
これでゴールも決まればMOM間違いなしだったのだが、まぁ、その、決まらないのは半ばお約束に近いのかw
でも、日々のトレーニングが終わってから、北嶋コーチとマンツーマンの居残り練習で、シュートコーディネーションをやっているという。その成果が、試合ごとに出ているのが分かる。これで決定力がつけば、宗は大化けするかもしれない。大丈夫、貴章もケンゴも通った道だ。

そして、チームを下支えする役割を普通にこなしてしまう慶の成長ぶりも著しい。リオ五輪代表の国際親善試合のメンバーには呼ばれなかったが、呼んでもいいんじゃないですか、手倉森さん。
慶にチームを留守されると色々と困るのは確かなんだけれど、五輪に行くか行かないかは、彼の今後のサッカー人生に大きな影響を及ぼすと思うので、何とか最終メンバーに選ばれればいいのだが。

前野の左SBも安定していて、積極的にオーバーラップする姿勢がいつも以上に出ていたと思う。
何より、前野のキックはやはり武器になる。凄いクロスを宗めがけて入れた時は、これで宗のシュートが入っていれば…と思わされるものだった。

0-0。
ガンバの出来の悪さに助けられた部分は少なくないのは確かだが、ガンバの倍もシュートを放ち、ゲームの主導権を握り続けた試合だった。
だからこそ、勝てなかったのは悔しいし、終わってからヘトヘトになった。ピッチに倒れこむ選手も多かったのは、それだけ走り、体を張り続けていた証左に違いない。

内容的には、恐らく、今シーズンで一番いい出来の試合だった。それを、今季最高の2万7000人超の熱気に包まれて戦えたことも、今後に繋げていきたいところだ。
まだまだ道は途中。でも、道の向こうに、見えてきたものがあるのではないか。

私が座っていた周辺は、招待券を持った少年サッカーチームの子どもたちがたくさんいた。きっと、子どもたちの目にも、選手たちの戦う姿勢はしっかりと伝わったんじゃないだろうか。
私の前の席にいた少年は、自前のノートに一生懸命試合内容を記録していた。家に帰ったら、ノートを見ながら録画を見返すのかもしれない。
あの時、レオシルバはどんなプレーをしたのか。小泉慶はどんなファイトをしたか。ギュンのドリブル、宗の動き、達也の頑張り。
それらのシーンひとつひとつを心に刻んで、もっとサッカーが好きになってくれたら嬉しい。
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