2016年10月の記事 | ぐっちいのスポーツを読もう!
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ハートは強く、頭はクールに

 

1029日、土曜日。

 

ガンバ大阪戦のこの日は、新潟で留守番だった。ヤマスタへ通常の倍以上の交通費を使って行ったので、吹田へ行くお金など残っていなかったからである

 

テレビ中継がNHKローカル地上波とスカパーで予定されていたので(さらにはFM PORTのラジオ中継も)、さて、どこで試合を見ようかと考えた。
自宅の自室でひとりでテレビ観戦でもいいんだけれど(家人は基本的にサッカーは見ない)、ひとりで見るのも何だか落ち着かないので、メディアシップでのパブリックビューイングへ行くことにしたのだ。

 

13時過ぎにメディアシップへ行くと、会場は一杯で、すでに宮澤ミシェルさんによるトークショー(MCBSNの星野一弘アナ)が始まっていて、ミシェルさんはあえて、楽観的なことよりもリアルなことを話しているようだった。
新潟のことをよく知るミシェルさんだから、その姿勢がむしろありがたい。

 

試合は、キックオフからヒートアップ。ガンバも新潟も攻守の切り替えが速く、速いプレッシングで相手の自由を奪おうとする。浦和戦よりも、前線から追う姿勢が明確に現れていた。これは、早い時間帯での電池切れと、何より余計なファウルには気をつけなければいけないだろうなぁ…。
 

ほぼ互角の立ち上がりだったと思うのだ。

それが、思った以上の早い時間帯での失点。竜馬がどうフィードを蹴るかを逡巡したのを見逃さなかったアデミウソンにボールをかっさらわれ、ゴールを決められてしまった。
今シーズン、何度となく見た、本当の凡ミス、判断ミスからの失点。この繰り返しが、どれだけ自分たちを苦しい立場に追い込んできたかを、何度でも何度でも思い出さなきゃいけない。

 

それでも、竜馬がよかったのは、この痛恨のミスをその後のプレーに引きずらなかったことだった。

一瞬のミスで失点した後、チーム全体が少し落ち着きをなくした様子が見受けられたが、徐々に落ち着きを取り戻すと、ラファと武蔵の2トップがガンバ守備陣の裏を狙う動きを再三試みる。これを続けていれば、どこかでほころびが出てくるはずだ。
見ていて、ラファと武蔵の相性は、実は
FWの組み合わせの中では12くらいなんじゃないかという気がしてきた。ラファのスピードを活かすには、ラファと同じくらい動ける武蔵と組んで、うまく役割分担することが一番なんじゃないかと、今さらのように思った。
 

考えてみれば福岡戦で、ギュンがトップで、1.5列目の位置にラファとイブが入って、そのときのラファが本当に気持ちよさそうに躍動していた。あの形をもっと続けていれば、その後の試合も展開が違っていたかもしれない…。

 

新潟の攻撃的姿勢はどんどん高まって、前半20には裕紀の強烈なミドルシュートを、ヒガシが間一髪でセーブする。
ここ数試合の裕紀は、シュートへの意識が高い。この試合も、この後、もう一度シュートシーンがあった。

 

ゴールシーンが訪れたのは前半35分。CKからラファが押し込む。
ただ、このときの武蔵の動きがヒガシに対するファウルと取られても不思議ではなかった。それより前から、ジャッジの不安定さが気になっていたものの、このファウル見逃しあたりから、それが顕著になり始めた気がする。

 

そして、後半6分に問題のシーンが訪れる。ドリブルでペナルティーエリア内に侵入したラファがオジェソクともつれるような形になり、最初は転ばずに抜群のバランス感覚でさらにゴールに向かうと、今度は岩下と交錯し、今度はたまらず倒れてしまった。あろうことか、岡部主審はここでラファにシミュレーションとしてイエローカードを提示し、この日2枚目となったラファは退場を宣告されてしまうのだ。
 

ラファに審判を欺く意志があったとは思わない。それなら、最初にオジェソクに絡まれたときに我慢せずに倒れたのではないか。しかも、ラファは直後には岩下に腰から体当たりを受けているのだ。岩下のプレーがノーファールなのは分かるが(岩下のそういうプレースタイル自体はどうにも好きになれないが)、ラファもノーファールが妥当ではないのか。もちろんそれは、新潟サポとしての視点が含まれているのは否定しないけれど、どうにも納得できないジャッジだった。あのシーンを、主審はどの位置で見たのだろうか。ラファに対する先入観があったようにも感じてしまう。
退場するラファの泣き顔が、画面に大写しになった。

 

このシーンの後は、両チームのプレーよりも、曖昧な基準に終始したジャッジばかりが目につき(ガンバにとっても納得のいかないジャッジはいくつもあっただろう)、せっかくの好ゲームが台無しになったようにしか思えなかった。
結果的に、ラファの退場劇が、試合終了間際のレオの退場劇の引き金になっただろう。

 

レオの退場シーンは、故意ではなかったとしても、激昂するあまり、主審の手を叩くような形になり、それで一発レッドになったことは擁護できない。あそこでは、レオはもっと冷静でいるべきだったし、周りの選手もレオを止めるべきだった。
あのとき、せめてキャプテンがいてくれたらレオを抑えることはできた。しかし、裕紀はすでに交代でピッチにいなかったのだ。

 

最初からアップテンポな試合になるということがある程度予測できるような試合では、それに応じたジャッジができる審判が必要だということを痛感させられ、果たしてJリーグには何人その条件を満たしたレフェリーがいるのかと思うと、何だか暗澹たる気分になってしまう。


これは今年に限らないことなのだけれど、ジャッジを味方にするよりも、敵に回してしまうことの方が、新潟の場合は多いのも事実。もっと賢く、冷静にならなければいけない。冷静さや集中力を失ったせいで落とした勝ち点がいくつあったか、数え切れないくらいだ。

もう、済んでしまったことは取り戻せない。過去を悔やむより、現状を変え、未来を変えるしかない。


この日は、残留を争う4チーム(磐田、甲府、新潟、名古屋)が全て敗れたため、決着は最終節に持ち越しになった。
まだ、自力で残留を決められる位置にいることは、一番ポジティブな要素だろう。
もちろん、最終節広島戦にレオ、ラファ、マイコー、ガクを欠くのは確かに痛い。でも、やるべきことはもう決まっているのだし、ジタバタしても始まらない。

 

このガンバ戦で、最終節への最大の光明は慶だった。浦和戦から、慶は攻守ともに素晴らしいプレーを続けている。最終節、レオがいないけれど、慶がいるじゃないか。そんな勇気を与えてくれる存在になっていると思う。

慶は、アピタ西でのトークショーで、

「今シーズンは満足できる試合がひとつもない」

と語っていたけれど、最終節、慶自身にとって満足できる試合ができれば、結果もついてくる。だから、最高の試合にしよう。みんなでひとつになって、悔いを残さぬように。

 

ラファやガクの涙も、レオとマイコーの悔恨も、何一つムダにはしない。

 

ハートは強く、そして頭はクールに。自分たちの力で、未来を掴むまでだ。

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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ラグビートップリーグin市陸

浦和戦の翌日、10月23日、日曜日。

 


市陸へジャパンラグビートップリーグ第8節、クボタスピアーズvsNECグリーンロケッツを観に出かけた。

毎年1試合はクボタのホームゲームが開催されるのだけれど、去年はW杯による変則日程のため、新潟開催がなかった。だから、2年ぶりのトップリーグだった(ちなみに、2年前はクボタvsヤマハ発動機ジュビロで、五郎丸も出場していたのだ)。

 

注目は、クボタの立川理道とNECの田村優という、日本代表&サンウルブズメンバーの対決。それ以外でも、クボタには合谷和弘とトゥキリロテ、NECには後藤輝也というリオ五輪7人制ラグビー代表選手がいて、見どころの多い試合だった。

 

 

クボタのマスコット、ユニコーンのスッピーくんも2年ぶり。元気そうで何より。クボタのジャージは今シーズンから全身オレンジ色になった。

 

平尾誠二さん逝去を悼み、会場には半旗が掲げられ、試合前には黙祷も捧げられたこの試合。

前半はNECがFW戦で圧倒し、クボタのミスを突いて田村優の2T1G1PGで15-0とリードして後半へ。
後半では、クボタのFWが奮起して、スピードのあるBKを走らせ、15-15で追いつく、という展開。

試合終了間際、クボタ陣内でクボタが反則を犯し、田村がPGを狙ったが、強い向かい風の影響もあってか外してしまい、そのままノーサイド。
いやー、PG決まってたら、文句なしのMOMだったなぁ、田村。

 

印象に残ったのはやはり田村で、見ていて本当にNECの大黒柱なんだと実感した。好守に渡って常にコーチングの声を出し、ディフェンス時にはサイドにポジションを取って、立川らの突進を止めていた。

 

めちゃくちゃ風が強くて、とにかく寒かったので、近くに陣取っていた北越や長岡工高のラグビー部員たちが、肩を寄せ合って寒さをしのいでるのが微笑ましかった。寒かったもんねぇ。

 

さて、今シーズンのラグビー観戦はどれくらい行けるだろうか。

 

 

author:ぐっちい, category:ラグビー
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思いをひとつに走り抜こう

10月22日、土曜日。

 

3週間の中断期間を経て、ミニキャンプも行われつつ迎えた浦和戦だった。

 

サポーターも同様で、数日前にはビッグスワンで横断幕制作が行われた。

クラブもサポも、そしてチームも、勝つために何をしたらいいのかをずっと考え続け、実行していた3週間だったのだ。

 

浦和はこの日勝てば、神戸と川崎の結果次第では、ステージ優勝が決まる可能性があった。そういうこともあって、シャトルバスにはやたら赤い人たちが多い。たぶん、私がのった車両は、8割方浦和サポだったんじゃないだろうか。

そっちが勝てば優勝が決まるかも、ということなら、こっちはこっちで負ける訳にはいかない理由がある。一歩もひいてはいられない試合だった。

 

試合は、立ち上がりからお互いに負けられない気持ちがぶつかりあう展開になった。

 

ビックリしたのは、新潟がいきなり5バックで守ったこと、前線がほとんど前から追わなかったこと。
少し前、聖籠へトレーニングを観に行ったサポ友からのメールに書いてあった、

 

「引きながらも意識は前へ」

 

というキーワードが、これなのか。でも、パスの出どころにプレッシャーをかけないで大丈夫か。遠藤が気持ちよく前線へフィードを蹴るのを見ていて、少なからず不安になった。

その不安がいきなり的中してしまったのが、前半7分の最初の失点シーンだった。

 

それでも、前半15分、ラファがパスカットからそのままゴール前に持ち込み、西川との1vs1を制して同点に追いつく。
なんか、どっかで見たことあるぞ、このシーン。あ、ルヴァンカップ決勝のアデミウソンのゴールだ。浦和は堅守だけど、スピード勝負に持ち込まれると弱いところがある。これはスカウティング通りか。

 

そこからの75分間は、浦和の攻撃を全員守備で凌ぐシーンが多かったのは確かなのだけれど、受け身に回っているのではなく、常に前への意識を高く、能動的なプレーが目立っていた。

 

武蔵のヘディングシュートがゴールネットに突き刺さったときは、一瞬喜んだものの、オフサイド判定。あと半歩、武蔵が飛び込むのを我慢できてたらなぁ…。

 

このままなら、勝ち点は取れる。こうなったら、明確に引き分けOKという試合運びにした方がいい。

しかし、攻守に貢献大だった慶が足をつったため、イブに替えた交代カードは、どうだったんだろうと思う。
使った交代カード3枚は、成岡さん→武蔵、ラファ→ガク、慶→イブ。
試合後のインタビューで、フチさんは「引き分けでいいという意図がうまく伝わらなかった」と言っていたけれど、このカードの切り方は、「勝ち点3を獲る=点を獲りに行く」というメッセージにしかならなかったのではないか。
もっとも、ベンチメンバーを見ると、守備の選手はマグぐらいしかいない。じゃあ、慶に替えるのはイブではなくマグがよかったのか。それはそれで、最良の手とは言えなさそうだしなぁ。難しいなぁ。

 

少なくとも、レオとコルテースは勝ち点3を獲りに行くプレーをしていた。そしてそれが、終了間際の失点に繋がってしまった。
「勝ち点1」という意識が浸透していたら、レオもコルテースも無理にゴールを目指そうとしなかったのではないだろうか。その結果、逆襲を食らって失点してしまったのだから、判断ミスが連鎖する怖さを痛感させられる。

 

あのシーン、ゴール前でスルーを選択したチュンソンも、しっかりと決めきってみせた興梠も、敵ながらあっぱれだった。でも、防げた失点だっただけに、悔やんでも悔やみきれない。

 

1-2。

 

あんなに、誰もがこの試合のために準備をし、全力を尽くしてきたのに、こんなに悔しい結末が待っていようとは。
チームの闘いには、一本芯が通り、選手たちはしっかりとそれを体現してくれていた。だからこそ、勝たせてあげたかった。

 

試合後、スタンドに挨拶に来る選手たちの中で、ガクがひとり泣いているのが見えた。
そうか、ガクは最終節の広島戦には出られないんだよな。彼にとって、最後のホームゲームだったのだ。だから勝ちたかった、結果を出したかったんだろう。

 

その涙をムダにしないように頑張ろう、残り2試合をみんなの力で。

 

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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平尾誠二さんの記憶

 

「ミスターラグビー」と呼ばれていた日本ラグビー界のスーパースター・平尾誠二さんが、53歳の若さで亡くなった。
ガンの闘病中だったとのことだった。

平尾さんのプレーは、伏見工高時代から見ていた。平尾さんがキャプテンだったときに伏見工高が初の日本一になった試合も、テレビで生中継を見た。
そのストーリーがモチーフになった伝説のラグビードラマ「スクール☆ウォーズ」には、平尾さんをモデルにした選手(劇中では平山、演じたのは四方堂亘)も登場している。

同志社大学へ進学してからも、そして神戸製鋼時代も、平尾さんは日本ラグビー界のスーパースターであり続けた。
思い出すのは、華麗なステップワーク。
ひらりひらりと舞うようにタックルをかわして走る姿は、今でも鮮明に思い出される。
「平尾のステップは、線で結ぶとほとんど直線で、最短距離を走っている」
と解説していたのは、誰だったかな。

その昔、日本代表監督だった宿澤広朗さん(故人)が、その著書「テストマッチ」の中で、当時日本代表キャプテンだった平尾さんをカラオケに連れて行ったエピソードが凄く好きだった。

平尾さんが、ルックスはいいし、頭もいい、人間性も素晴らしく、選手として何をやらせても完ぺきにこなしてしまうので、何か弱点があるんじゃないか、もしかして音痴だったりして?と考えてカラオケを歌わせたら、めちゃくちゃ歌も上手くて、「平尾の弱点探しをするのは諦めた」という話。
読みながら、何やってんだか宿澤さん、と思わず笑ってしまった。

ひたすらカッコよく、スターらしいスターだった平尾さん
2019年のラグビーW杯日本大会を見ずに逝ってしまうとは、ご本人が一番無念だろう。
日本ラグビー界にとっても大きな損失であり、本当に残念で仕方がない。

先に逝ってしまった宿澤さんや上田昭夫さんと、空の上でラグビー談義をしているのだろうか…。

author:ぐっちい, category:ラグビー
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人生には絶対に諦めちゃいけない瞬間というのがあるのですよ@ヤマハスタジアム

10月1日、土曜日。

 

この日は、今季初アウェイ参戦で、ジュビロ磐田戦のヤマハスタジアムへ、新潟交通くれよん応援バスツアーで行くことになっていた。

いやー、朝3時新潟駅南口出発ですよ。
まずは起きられるかどうかが大問題で、少し寝るか、寝ずに行くかで悩んだ末に、疲れを少しでも取っておきたいので、アラームを1時半にセットして寝ることにしたのだが…

 

目が覚めたら、3時過ぎ。_| ̄|○

 

まさに、頭真っ白w

 

アラーム鳴ったっけ?記憶がない…。

 

行くのを諦めるか、いやいや、現地で会う約束をしている人たちがいるのに、そんなわけには…と、寝ぼけ頭で考えていると、スマホが鳴った。

 

──もしもし

「あっ、新潟交通です」

──あっ

「今どこにいらっしゃいますか?」

──……自宅です

「えっ(1秒ほど絶句)」

──あの、自力で磐田へ行ったら、帰りは乗せてもらえますか?

「もちろんです!ご利用なさるようでしたら、この番号にもう一度お電話くださいますか?お待ちしております!」

くれよんバスの女性乗務員の方の声が、女神さまのように聞こえる。


もう、その場の勢いでこのような会話をし、この日、自分が取るべき行動は全て決まったのである。
自力で磐田へ行く。ヤマスタへ行く。そして試合に勝って、くれよんバスで新潟に帰るのだ!
交通費がどうこうとか、懐的に痛いとか、そんなことを考えてる場合じゃない(いや、少しは考えるけど)。
これがモノ柱だと思えば、きっと選手たちも勝ってくれるに違いない!(選手が知るわけがないけど)

 

5時過ぎ、車で駅南の自分の会社の分室へ。そこに車を置いて新潟駅へ行く。
みどりの窓口には、寝ぐせ頭&寝ぼけマナコの若い駅員さんが座っていて、思わず、そうですかあなたも寝坊しましたか、実は私もなんですよわはははは、と声をかけそうになったが、努めて冷静に、

 

「掛川までの新幹線自由席と、磐田までの乗車券ください」

 

と伝え、チケットを発券してもらう。

 

朝食として駅弁が買いたかったが、西口改札から入ったので駅弁売場がなく、ホームの駅弁売場もまだ開いてなかったので、キオスクでサンドイッチを買って始発の上越新幹線に乗り込んだ。

 

8時12分、東京着。ここで8時26分発東海道新幹線こだま639号に乗り換え。すでに天気は雨模様。
これは富士山とか見えないよなぁ、と思っていたら、静岡県に入るとますます天気が悪くなり、富士山眺望ポイントである三島も、なーんにも見えない。
まぁ、いいや。富士山見に来たわけじゃないし、磐田が降ってなければええんや!

 

10時11分、掛川着。ここで浜松方面の東海道線に乗り換える。何気なく外の風景を眺めていると、掛川の次の駅(愛野)に到着。南側に大きなスタジアムが見える。おお、あれがエコパですか。噂に違わず、周りにはなんにもなさそげな場所にあるんだなぁ。でも、駅から十分歩ける距離だから、いいのか。

 

そして、10時42分、磐田着。駅前のバスのりばから、路線バスに乗ってヤマスタを目指す。バスの乗客は大半、ヤマスタ最寄りのバス停で降りたようだった。
少し歩くと、スタジアムが姿を見せた。あ〜〜〜〜、着いた〜〜〜〜。結果的にくれよんバスより早く着いたよ〜〜〜w


5年ぶりのヤマスタ。改修後は初めてだ。なるほど、ホームとアウェイの位置が逆になってる。お?オフィシャルショップの位置も変わってる!
全体的に小ぎれいになったが、要所要所は以前とあまり変わらなかったりする。

 

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一旦入場した後、人と会うために外に出ると、はからずもジュビロ選手バスの入り待ちの真っ只中に、アルビユニ姿で立ってしまった(おお、これはヤバイ!と口走ったら、その場にいた磐田サポさんたちに笑われましたが)。

 

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あぁ、磐田も楽じゃないんだなぁ、ウチだけじゃないんだ。だからこそ、勝つしかない。ウチは引き分けでもダメなんだから。

そんなことをやっている間に、ビジター席にフチさんがやってきて、サポーターにメッセージを直接伝えていたということは、後になって知った。

 

試合前の練習時に、グラウンドキーパーが新潟の選手たちの間にホースを持ってズカズカ入り込んできて、じゃんじゃん水を撒き始めた、なんてこともありつつ、肝心の試合。

 

試合前のコイントスで裕紀が勝ち、躊躇なくサイドチェンジを選択したのは、その散水の様子を見極めた結果だったのか、前半は新潟ゴール裏に向かって攻撃し、後半は背後から後押しの声援を受けてプレーするという意識だったのかは分からない。

間違いなく、新潟が勝負に出た感があった。

 

とにかく目についたのは、新潟の選手たちのアグレッシブさと、寄せの厳しさ、明確な縦への意識の強調だった。
それも、達磨さんがずっと植え付けてきたポゼッションの意識はそのままに、プラスアルファが加えられているという感じだった。
誰かがボールを持ったら動き出す、助け合う、という姿勢が随所に見られ、レオと裕紀の縦関係もスムーズで、役割分担ができていた。


磐田がレオと裕紀に厳しくチェックしてこなかったこともあって、面白いように縦パスが前線に入る。前線もどんどん裏へ抜ける動きを見せる。だから、チャンスがどんどん増える。

 

試合後のフチさんのインタビューでは、
「この1週間、特別なことは何もしていない。意識を変えただけです」
とのことだったけれど、意識を変えるだけで、達磨さんのサッカーはここまで輝くのか。そんなことを考え続けた90分だった。
それだけに、フチさんとウッチーの真摯な取り組みと、それに全力で応えようとした選手たちの、この1週間の日々が透けて見えるようだった。

 

先制シーンも、裕紀からの縦パスを受けたイブが、走り込んできたマサルにパスを出し、マサルが磐田DFの間を突っ込んでいったところを引っ掛けられてのPK。
新潟の強烈な縦への動きに、磐田がついてこられなかった。

 

その後、新潟のプレーが少しミスが増え、セカンドボールが拾いきれなくなった時間帯にミス絡みで同点に追いつかれ(まぁ、あれは上田のFKがうまかったのと、ジェイが強かったのだけれども)、このままではダメだぞ、勝ち点1では意味がないんだと、ピッチに向かって声をかけた。

 

後半になると、一進一退の状況が続いたが、私は目の真下にいるマツケンがアダイウトンと対峙するたびに、

 

「マツケン頑張れ!アダに負けちゃダメだ!」

 

と叫んでいた。竜馬のシンプルかつ的確なプレーに、竜馬のこれからの大きな可能性を感じ取ったりもした。

 

ギュンと裕紀のプレーからは、この試合に賭ける思いが痛いほど伝わってきた。
試合前のメンバー発表での磐田ゴール裏の反応は、成岡さんとギュンには拍手、裕紀にはブーイングだったし、試合中も幾度となく裕紀にはブーイングが浴びせられていた。
これは、2013年に磐田がJ2降格したとき、ギュンはチーム残留を選び、裕紀が新潟移籍を選択したことが影響しているのだろうと思うけれど、成岡さんも含めた3人は、新潟の選手として、気持ちのこもったプレーを見せ続けた。
もう、それだけで十分だと思った。

 

後半アディショナルタイム寸前に、ギュンが奪った決勝ゴールは、その象徴のようなものであり、新潟のチーム、そしてサポーターの思いが結実したゴールでもあった。

 

コルテースからボールを受けた裕紀が、武蔵に素早く縦パスを送る。
受けた武蔵は、DFを背負いながらも前を向いて仕掛け、クロスを上げる。
そして、ゴール前でフリーになっていたギュンが、ダイビングヘッドで仕留めた。

 

この最後の場面、なぜギュンがあれほどフリーになっていたのか、すぐ横にいたタイスケはなぜ何もせず突っ立っていたのか、という感じなのだが、それほどまでに、磐田のディフェンスはスカスカだった。

 

2-1。

 

DSC_0118.jpg

 

一つの勝利が、これほどまでに空気を一変させてしまうものか。
初めての経験ではないけれど、改めて、勝利が最大の良薬なのだということを実感させられる試合になった。
フチさんと裕紀が抱き合って喜んでいる姿は、その象徴のようなものだった。

 

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本当に負けたら終わりくらいの試合で、ようやく勝てたが、これで残留が決まったわけでもない。残り3試合でのラストスパート次第で、どっちにも転ぶのだ。

 

次の相手の浦和は、磐田のようにレオや裕紀に自由に縦パスを出させてはくれない。レオや裕紀には間違いなく厳しいマークがつくし、ラファも自由にさせてもらえないだろう。
そうなったとき、チーム全員で助け合う姿勢を磐田戦のように見せられるか、じゃないだろうか。

 

きっかけは掴んだ。それを手放さないように、これからの3週間の中断期間が、本当に大切な時間になるはずなのだ。

 

試合後、スタジアムの外で再びお会いした磐田側の方には、

 

「ギュンギュン、きらーい!」

 

と言われてしまったw いやー、はははははははw


帰りは無事、くれよんバスに乗せてもらい、帰路についた。
途中、東名高速足柄SAで夕食タイムになったのだけれど、そこで食べた佐野実監修のラーメンが美味しかったなぁ。
煮玉子塩ラーメン。祝杯代わり。

 

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試合も、遠征も、諦めたらそこで試合終了なんですよ、うんw

author:ぐっちい, category:アルビレックス
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