- 勇気を与える歌声が夕空に響く
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2019.07.30 Tuesday
梅雨が明け、台風のフェーン現象もあって、とにかく蒸し暑かった琉球戦。
雨が降る前の、多湿な空気は、空に何とも言えない透明感を与えていた。こういう時、山影もくっきり見える。
最近話題の、新潟駅万代口と南口に設置された「しゃべるマンホール」。それぞれ、アルビの選手たちが決意表明などを語ってくれるのだけれど、私がシャトルバスに乗る前に立ち寄った時は、暑さに負けたらしく無言だったw
(その後復活したらしいけど、暑さ対策が急務なんだとか)
スタジアムでサポ仲間と会い、ちょっと遅めのランチ(昼夜兼用)。
魚沼きりざい丼、美味しかったなぁ。納豆、野沢菜、鮭フレーク、刻み海苔、神楽南蛮ペースト(たぶん「からいすけ」)を混ぜ混ぜして食べる。暑さで食欲が落ちていても、これは食べられるね。
他にも牛ホルモン焼きとサイコロステーキも食べたけれど、ホルモンは一人で食べるにはちょっとヘビーだったので、何人かに手伝ってもらったw
サポ仲間の分も含めて、牛ホルモン焼きとサイコロステーキが焼けるのを待っていた時、お店のお兄さんに話しかけられた。
「どうですか、今日の試合、どんな試合になりますかね?」
と尋ねられたので、
──お互いに点は取れるチーム(点も取られるけど)だから、点の取り合いになるんじゃないですか〜
と答えておいた。
Eゲート前広場の特設リングで、新潟プロレスvs琉球ドラゴンプロレスの対決を横目で見つつ、八色スイカは行列で諦めて、スタジアムに入った。
シャトルバスに乗る前に、オレンジガーデンで買ったスーパークールタオルとカップホルダーが早速大活躍。これは優秀!ぜひラグビーW杯へも持っていこう。
試合前のキーパー練習で、いつものように大谷と田口が登場すると、ゴール裏が大谷のチャントを歌う。それが、いつもよりも長く、力を込めて歌っているのが分かった。
前節の山口戦で、最後の最後でシュートをファンブルし、土壇場で同点に追いつかれた大谷を、勇気づけたかったのだろう。サポーターのメッセージを感じるシーンだった。
試合は、終わってみれば4-0。フランシスのハットトリックのおまけ付き。
でも、4-0で終われたのは幸運も味方していたと思う。4-3くらいになっててもおかしくなかったし、一歩間違えれば勝ち点を落としていたかもしれない。
サチローの攻守におけるボールへのアプローチの素晴らしさ、常に先を読む予測の鋭さ、正確さは、今季最高レベルの出来だったんじゃないだろうか。いよいよ、ボランチとして本格化してきたのかも。
そして、トップ下としてゲームを操る善朗の頼もしさ、センスの高さは、もはや善朗がいない新潟を想像できない。すでに2度目の出停リーチになっているので、何とか1試合でも長くイエローを貰わずにいてほしい。イエローを貰ってしまったら2試合出場停止になってしまうのだ。2005年夏に菊地直哉が磐田からレンタル移籍してきた時、すでにイエロー3枚を持っていたので、とにかくイエローだけは貰わないでくれぇぇぇぇ、と毎試合ハラハラして見ていたのを思い出すなw(それなのに、最終節の一つ手前の名古屋戦でついに貰ったイエローは、つまらんシミュレーションだったというオチ)
この試合、本当に頼もしかったのは大谷で、スーパーセーブの連続。でも、横っ飛びのセーブよりも、真正面でがっちりキャッチするシーンが多かったのが印象的だった。それだけポジショニングがよく、DF陣との連携も取れていたということなのだろう。
試合前にメッセージを込めたチャントを送ったサポーターの思いが、確実に伝わっていたと思う。
順位が直近だった相手に勝てたのは、勝ち点6に匹敵するものだけれど、それでも順位はまだ13位。
本当にJ1に昇格したかったら、もっともっと連勝をしなければ届かない。
目先の勝利を素直に喜びつつ、もっと先を見据えて進んでいかなくては。
そして昨日、マサルが福岡へ。そして今日、尚紀が柏へのレンタル移籍が発表された。
いずれも出場機会を求めて、ということになるわけだが、やはりキャプテンがシーズン途中で移籍を決断するというのは、並大抵なことではないし、開幕戦でスタメンだった2人が夏にいなくなるというのは、あまり聞いたことがない。しかも、同じカテゴリーのチームに(新潟戦には出場できない契約になっているとはいえ)。
J2残留争いの真っ只中にある故郷のチームであり、GMは高校生だったマサルをプロとして見出した鈴木健仁さん。移籍を決断するのは簡単ではなかっただろうし、相当な覚悟で行くのだろう。尚紀にしても、右SBのファーストチョイスが、スペシャリストではない新井くんで固定された段階で、思うところはあったのかもしれない。
ともかく、選手層に厚みをもたらす2番手の選手が複数抜けるということは、チームにとって致命傷になりかねない異常事態。チーム編成が、どんどん歪になっていってしまう。
2人には頑張れとしか言えないが、チームとして今後の戦いをどうするか、フロントの言葉が聞きたい。
- 嵐の山口戦翌日、聖籠にて
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2019.07.22 Monday
嵐の中でレノファ山口と2-2のドローで終わった翌日、参院選の投票をしてから練習試合を観に聖籠へ出かけた。
バッタリ会ったサポ仲間が、
「やっぱりね、昨日みたいな試合を観ちゃうと、ここに来たくなっちゃいますよね」
と言う。うん、そうだね。そういう人、多いんじゃないかな。
山口戦は、台風の影響をモロに受け、強い風雨の中で行われた。
水が浮いたピッチでは、ボールが止まってしまい、そこに目掛けて両チームの選手たちが殺到する。その分、普段よりきつめのボディコンタクトが増え、選手同士がエキサイトする場面が多かった。
こういうコンディションでは、よりボール扱いの技術の優劣が鮮明になる。2014年9月のホーム仙台戦もこんな感じの試合で、レオシルバや小林裕紀の足元のうまさを改めて思い知った。そしてこの試合でも、レオナルドやフランシス、高木善朗の技術の高さが際立った。レオナルドの2得点はまさにそれで、もしかしたら、2004年の日本平でエジミウソンがスーパーサイヤ人化したように、この山口戦を境に、レオナルドがスーパーサイヤ人になるんじゃないか、という妄想を抱くのだった。
だからこそ、終了間際で追い付かれてのドローは悔しかった。何より、あれだけ戦術以前のコンディションの中で奮闘した選手たちに勝たせてあげたかった。
結果的に、バイタルエリアを空けてしまう、人はいるのに相手の選手をフリーにしてしまう悪癖が失点に直結してしまったのは、悪天候とは関係ない課題であり続けているので、J1に戻るためには何としてでも改善しなければならない。
ただ、チームに成長が見られる部分としては、ここ数試合、先制されてもビハインドを跳ね返す力が出てきたこと。
このリバウンドメンタリティの発露は、もしかしたら最近導入されたメンタルコーチの効果なんじゃないか。
ここは、サポ仲間と意見一致した部分なのだ。
この日の練習試合はU-18と45分×2。
ズミさんや達也がフル出場だったのは、山口戦で善朗がイエローをもらい、2試合出場停止にリーチがかかってしまったことも関係あるのかもしれない。こんな時、ズミさんや達也の存在は大きい。
達也は4得点。そしてズミさんは、終了間際のCKを蹴った時、前線の選手がボールに合わせる動きをしなかったのにぶちギレて、声を荒げた。やっぱり、ベテランの力は大切だな。言うべき時には言い合わないと。
U-18の中では10番を背負う本田修也が目立っていて、別格感があった。相手が嫌がる動き、味方を生かす動きができる。
彼も3年生だけれど、トップ昇格はあるだろうか。
試合後、ファンサをしてからクラブハウスに引き揚げる選手、居残り練習をする選手がいる中で、家族を連れてきていた達也が、長女の聖愛(せいら)ちゃんに無回転シュートをマンツーマンで教えていた。中学2年でアルビレディースU-15の有望株でもあり、ジェルソンコーチも一緒にアドバイスを送る。
鋭い無回転シュートを決める聖愛ちゃん。
「女子中学生でこれだけの無回転蹴られる選手は、ほとんどいないよ」
と言う達也パパの言葉は、親バカではない真剣味があった。
キーパー役を買って出た藤田くんが片手でボールに触ると、
「骨折するぞ!」
と言ったのは、ちょっと笑ったけれど。
パパによく似たドリブラー。パパ直伝の無回転シュートを完璧にマスターしたら、どんな選手になるだろう。
何年か後に、聖愛ちゃんがなでしこジャパンに選ばれたら、この日の聖籠を思い出すかもしれない。
- 助け合うこと
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2019.07.19 Friday
横浜FC戦、0-2。
アウェイで完勝して、ホームで負けるというパターンは去年と同じ。
横浜FCは監督が下平さんに代わり、新潟に対するスカウティングをきっちりやってきた感があった。
ハマった時には大宮戦のような試合もできるのに、ハマらないとそれを打開することができない。その弱みがモロに出た試合になった。
新潟に対する対策は、そんなに難しくはないだろう、と思う。レオナルドとフランシスを思い通りに動かさなければ、新潟は詰む、と思われているんじゃないだろうか。そのためにも、善朗やサチローのあたりを対策すればいい、と。
打開するためには、もっと相手が嫌がる動きができる選手を使った方がいいと思うのだけれど、この日、その一番手である凌磨に出番はなかった。
そして何より、痛感したのは味方を助ける動きの少なさ。ボールホルダーが相手に囲まれても傍観者のように見ているだけの選手がいる。助け合いの精神は、それこそ「新潟らしさ」の真骨頂だったはずなんだけれどな。
助け合うプレーがここ数年明らかに減っている。そこはもっと問題視するべきじゃないだろうか。
チームは良くなっているとは思うけれど、その流れが加速しないのはなぜなのか。足を引っ張っているのは何なのか、もう一度見つめ直したい。
ええい。勝ったり負けたりじゃ足りないんだ。大宮戦のように、二度追い三度追いするタフネスさが、もっと見たい。
さて、この日も空の色の移り変わりが美しかったな。
春に機種変したスマホのカメラには「夕日モード」があって、微妙な色の変化や夕焼けの赤を正確に再現してくれるのがうれしい。
この夕焼けを見たからこそ、勝ちたかったなぁ。
- その光の先には
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2019.07.11 Thursday
アウェイ鹿児島戦で今季初の逆転勝ちをし、その勢いで天皇杯2回戦では金沢にリベンジを!と思っていたら、低調な内容で敗れて、あっけなく天皇杯が終わってしまった。
うーん、また長いシーズンオフを過ごすのはイヤなので、最低限昇格プレーオフには出るしかない。あ、自動昇格が決まってシーズンオフが長くなるのは構わないんだけど。
前半戦最後の試合となった、ホーム大宮戦。明確な格上相手、しかも大宮。ここでどんな内容で勝てるか勝てないかは、後半戦のことを考えても大きな影響を及ぼすことは間違いない。
鹿児島戦あたりから、吉永さんの戦い方に変化が見られ、腹をくくったというか、引いて守ってカウンターをやるべき時は徹底してやる、という割り切りが感じられるようになった。大宮相手にはどう戦うのだろうか。
試合前、Eゲート前広場ではターレスへの献花台が設置され、場内の大型ビジョンでは昨シーズンのターレスゴール集が上映された。その映像が終わった瞬間、パーッと夕日が差し込んできた。
うん、ターレス。新潟は頑張るよ。
試合は、前半は大宮ペースで、早い時間に河面の凄いクロスからシモヴィッチに凄いヘッドを決められた時には、クオリティの違いを見せつけられた感じがした。
でも、中盤でタクトを振るい、気の利いたポジショニングでボールを配給していた三門が前半途中で負傷退場したあたりから、流れが変わったとように感じた。
前半32分の同点シーンでは、左サイドが詰まると右にいた善朗に振り、相手DFと競り合いながら中央に走り込んでいたレオナルドに高速クロスを入れ、それがドンピシャ。みなさんおっしゃるように、ホント、ベッカムみたいだったなぁ。ベッカム善朗。
前半に追いつけたのが本当に大きかった。
後半に入ると、ますます局面のバトルが激化してきて、目についたのはそれにことごとく勝利するサチローの姿だった(個人的に、この試合のMVPだと思っている)。
サチローだけでなく、この日の新潟は「二度追い、三度追い」が徹底されていて、バトルで絶対に後手を踏まないという意識の強さを感じた。この1週間、聖籠で何があったんだろう?と思えるくらいに。
交わされても、奪われても、諦めずに追いかけて奪い返すシーンが何度もあったし、攻撃でも、ゴールに至らずとも諦めずに繰り返す、やり直そうとする姿勢が明確にあった。それが逆転ゴールに繋がった。
相手DFと駆け引きしながら斜めに切れ込んできたフランシスに、左サイドの位置にいたカウエが見事なミドルパスを送り、フランシスがGKとの1vs1を制したゴール。あんなハイレベルなゴールを眼の前で見せられたら、そりゃー壊れますよね、ゴール裏w
その後、大前を入れるなど攻勢を強めてきた大宮の攻撃を、二度追い三度追いで封じ込めて試合終了。2-1。
あぁ、こんなに局面のバトルを臆することなく繰り広げる新潟は、今季初めて観た気がする。グッと来た。
ラグビーでは局面のバトルのことを「ブレイクダウン」というのだけれど、ブレイクダウンを制するかどうかは試合の行方を決める重要な要素だ。ラグビーにしろサッカーにしろバスケにしろ、局面で勝てなければ試合は勝てないのは必然のこと。ようやく、新潟もそれを見せてくれた。嬉しい。本当に嬉しい。これをスタンダードにして、やり続けてほしい。
この試合で、將成くんのプレーを観た。前回見たのは、U-18の試合だったか、新潟国際ユースだったか。スピードがあり、足元がうまく、いいフィードを蹴る。將成くんがボールを持ち上がると気分が上がる。
久しぶりに、花のあるCBが出てきたなぁと、ワクワクした。ぜひ、永田みっちゃんみたいな選手になってほしい(と、無類のみっちゃん好きは思うのだった)。
さて。この日は本当に空がきれいで、ずっと空の写真を撮っていた。
これがあるから、ナイトゲームっていいな。
そして、勝利のプラネタスワン。
撮影した何枚かの画像を、Googleフォトが自動でパノラマ写真にしてくれた。
場内が明るいので、プラネタスワンの美しさが伝わらないのが残念だけれど、本当に美しかった。
これをずっと続けていけば、その光の先にはきっと、みんなが願っているものが待っている。